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テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

華やかなロンドン劇場街のミステリを。

2007-09-10 13:54:35 | ブックス
 東京・多摩地方の今日のお天気は、雨。
 秋の長雨のはしり、と言えなくもありません。
 野外のコンサートや演劇も室内へ移行するシーズンですね。
 本日は、ちょっと珍しい演劇界がらみのミステリを御紹介です。


         ―― ヴァルカン劇場の夜 ――


 著者はナイオ・マーシュさん、原著は1957年に発行されたものです。
 舞台となるヴァルカン劇場があるのは、
 ロンドンの劇場街、カーペット通り――

「ろんどん! ほんば、でスね、ネーさ」

 そうです、テディちゃ、
 本場の劇場は、なんだか厳かです。
 物語自体も、異国で困惑するヒロイン、劇団内部の不協和音、
 過去の因縁、頼もしい座長、美しき看板女優、
 そして衣装係から代役への大抜擢……!と、
 演劇ものの王道を行っています。
 その果てに、問題ばかりを起こしていた人物の急死が。

 謎を解くべく登場するのは、
 スコットランドヤードのアレン警部。

「すこっとらんどやーどォ!
 わおォゥ、すごいでスゥ!」

 あのね、テディちゃ、ロンドンで発生した事件ですから、
 スコットランドアードが出て来るのは当然なのですよ。

「れすとれーどけいぶ、でるでスか?」

 出ません。
 アレン警部は腕利きさんだから、お任せして大丈夫です。
 しかし、大勢の人が出入りする劇場のこと、
 明確な手掛かりは無い……ようです。
 おまけに、被害者は憎まれ者で、
 動機はそこらじゅうに転がっている?
 さて、アレン警部はどんな手段で真相に迫るのか――

 古めかしい訳文に問題はありますが(誤訳も所々……)
 一昔前のロンドンの劇場の雰囲気がよく分かります。
 
 また、印象深いのは、
 『なんでも屋』の裏方を名乗るジャコーおじさん。
 英国人が多数の劇場内で、
 ジャコーおじさんだけはフランス人、のようなのですね。
 クセのある芸風?で、愛すべき人物。
 物語の主役ではありませんが、
 進行に欠かせぬ人物、と言うのでしょうか。

「わきやくもだいじ、なのでスよ」

 作者のナイオ・マーシュさんは、
 日本ではあまり知られていませんが、英語圏、
 特に英国では有名なミステリ作家さんです。
 アレン警部は、マーシュ作品の常連探偵さん。
 ユーモアのある、しゃれた警部さんです。
 アレンさんの探偵譚がもっと訳出されるといいのですが……。

 演劇をテーマにしたエンタ読物がお好きな方には
 きっと気に入っていただけるでしょう。
 他のマーシュ作品も読みたい!とも思う筈です。
 
「あんこォるゥ、あんこォるゥ~♪」

 秋の読書リストにぜひ、な一冊でした。
 
 
 
 
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