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テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

~ 名作再読・入魂のペン! ~

2025-04-11 22:03:45 | ブックス

「こんにちわッ、テディちゃでス!

 ぱふゥ! はッくつゥしましたでスゥ!」

「がるる!ぐるるがるる!」(←訳:虎です!深海の底から!)

 

 こんにちは、ネーさです。

 昨日夜、深海の底から、いえ、本棚の奥の奥から、

 ようやっと発掘したのは……

 さあ、本日の読書タイムは、こちらのコミック作品を、どうぞ~♪

  

 

 

              ―― 童夢 ――

 

 

 著者は大友克洋(おおとも・かつひろ)さん、

 1983年8月に発行されました。

 3月29日放送のNHK『浦沢直樹の漫勉neo 』は、

 ゲストが大友克洋さん!

 著作『童夢』について浦沢さんと語り合う!ということで、

 読書界に大きな反響を巻き起こしました。

 

 私ネーさも夢中で視聴しながら、

 うん、我が家にもどこかに『童夢』があるはずだぞ?と思い……

 

「そうさくゥ、かいしィ!」

「ぐぅるるるっ!」(←訳:見ぃつけたっ!)

 

 見つけ出して、いやぁ、我ながら驚きました。

  

 ↑初版で?

  

 ↑帯付き?って、なんて物持ちがいいんだ、自分……。

 

「ぷふふッ!」

「がるるっ!」

 

 驚いたり呆れたりしながら、

 表紙を捲れば、ああ、そこはもう別世界です。

 大友さんが揮うペン先から織り成される、

 この世であってこの世でない、

 一個の建築であり、

 一編の映画――

 

 先日、大島琳太郎さん作『殺し屋の推し』を

 ご紹介したときも、

 同じように考えたのですが、

 大友さんがやりたかったことは

 《映画》なんでしょうね。

 

 たったひとりで、脚本を書き、出演者を創り、

 背景、美術、衣装、撮影、編集に取り組んでゆく。

 ただ、TV番組内で、浦沢さんは

 キューブリックさんの作品との共通点を指摘していましたが、

 私ネーさは、溝口健二さんの作品

 『雨月物語』(1953年)を連想しました。

 

 ジャン=リュック・ゴダールさんを驚倒させたという、

 宮川一夫さんの伝説的なカメラワークを

 お手本とするかのように、

 大友さんの”眼”は、

 上下左右を自在に移動し、

 疾走感とリズムを生み出します。

 

「めがァまわるゥ~…!」

「ぐるるるるがるる!」(←訳:ぐるぐるの浮遊感!)

 

 幾つもの棟から成る、巨大な団地――堤団地。

 そこでは、3年と2ヶ月ほど前から

 異変が続出しています。

 自殺と思われる者が5名、

 事故扱いが7名、

 事件扱いが3名、

 変死が9名……

 担当する警察官さんたちも、

 尋常じゃない、

 あそこには何かある、と

 理解に苦しんでいるのですが。

 

 或る日、

 ひとりの女の子が

 団地に引っ越してきました。

 

 彼女の目は、さっそく捉えます。

 団地に君臨する

 “イタズラっ子“の姿を。

 

「いたずらァ、やめないとォ~」

「がるるるぅ!」(←訳:ケンカだぁ!)

 

 日本のマンガ文化の分岐点の一つであり、

 現代のホラー映画の理想形ともいえる

 完璧なストーリー、

 他を寄せ付けない緻密な描写、

 大胆な画面構成は、

 発表から40年余を経ても

 まったく古びていません。

 

 現在、『童夢』は

 『大友克洋全集(OHTOMO THE COMPLETE WORKS 8)』版が

 入手可能となっています。

 オリジナル版(現在は廃版)よりも

 サイズが大きく、

 紙も上質ですので、

 これから『童夢』を初めて読みます!という方に、

 久しぶりに再読したい!方々にもおすすめですよ。

 浦沢さんも保証する歴史的な名著を、

 ぜひ、本屋さんで探してみてくださいね~♪

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