「こんにちわッ、テディちゃでス!
ぱふゥ! はッくつゥしましたでスゥ!」
「がるる!ぐるるがるる!」(←訳:虎です!深海の底から!)
こんにちは、ネーさです。
昨日夜、深海の底から、いえ、本棚の奥の奥から、
ようやっと発掘したのは……
さあ、本日の読書タイムは、こちらのコミック作品を、どうぞ~♪
―― 童夢 ――
著者は大友克洋(おおとも・かつひろ)さん、
1983年8月に発行されました。
3月29日放送のNHK『浦沢直樹の漫勉neo 』は、
ゲストが大友克洋さん!
著作『童夢』について浦沢さんと語り合う!ということで、
読書界に大きな反響を巻き起こしました。
私ネーさも夢中で視聴しながら、
うん、我が家にもどこかに『童夢』があるはずだぞ?と思い……
「そうさくゥ、かいしィ!」
「ぐぅるるるっ!」(←訳:見ぃつけたっ!)
見つけ出して、いやぁ、我ながら驚きました。
↑初版で?
↑帯付き?って、なんて物持ちがいいんだ、自分……。
「ぷふふッ!」
「がるるっ!」
驚いたり呆れたりしながら、
表紙を捲れば、ああ、そこはもう別世界です。
大友さんが揮うペン先から織り成される、
この世であってこの世でない、
一個の建築であり、
一編の映画――
先日、大島琳太郎さん作『殺し屋の推し』を
ご紹介したときも、
同じように考えたのですが、
大友さんがやりたかったことは
《映画》なんでしょうね。
たったひとりで、脚本を書き、出演者を創り、
背景、美術、衣装、撮影、編集に取り組んでゆく。
ただ、TV番組内で、浦沢さんは
キューブリックさんの作品との共通点を指摘していましたが、
私ネーさは、溝口健二さんの作品
『雨月物語』(1953年)を連想しました。
ジャン=リュック・ゴダールさんを驚倒させたという、
宮川一夫さんの伝説的なカメラワークを
お手本とするかのように、
大友さんの”眼”は、
上下左右を自在に移動し、
疾走感とリズムを生み出します。
「めがァまわるゥ~…!」
「ぐるるるるがるる!」(←訳:ぐるぐるの浮遊感!)
幾つもの棟から成る、巨大な団地――堤団地。
そこでは、3年と2ヶ月ほど前から
異変が続出しています。
自殺と思われる者が5名、
事故扱いが7名、
事件扱いが3名、
変死が9名……
担当する警察官さんたちも、
尋常じゃない、
あそこには何かある、と
理解に苦しんでいるのですが。
或る日、
ひとりの女の子が
団地に引っ越してきました。
彼女の目は、さっそく捉えます。
団地に君臨する
“イタズラっ子“の姿を。
「いたずらァ、やめないとォ~」
「がるるるぅ!」(←訳:ケンカだぁ!)
日本のマンガ文化の分岐点の一つであり、
現代のホラー映画の理想形ともいえる
完璧なストーリー、
他を寄せ付けない緻密な描写、
大胆な画面構成は、
発表から40年余を経ても
まったく古びていません。
現在、『童夢』は
『大友克洋全集(OHTOMO THE COMPLETE WORKS 8)』版が
入手可能となっています。
オリジナル版(現在は廃版)よりも
サイズが大きく、
紙も上質ですので、
これから『童夢』を初めて読みます!という方に、
久しぶりに再読したい!方々にもおすすめですよ。
浦沢さんも保証する歴史的な名著を、
ぜひ、本屋さんで探してみてくださいね~♪
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