テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

~ 奇妙奇怪な、きのこ会議録 ~

2019-03-31 23:27:20 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 いよいよいよォ~あしたァなのでスゥ!」
「がるる!ぐるるがるぐるる~!」(←訳:虎です!いよが1つ多いよ~!)

 こんにちは、ネーさです。
 新元号発表を固唾を飲んで待つ今日3月31日は、
 平成30年度ラストの読書タイムとなりました。
 記念すべきこの回に御紹介いたしますのは、
 いま大々人気のあのアーティストさんの作品です。
 さあ、こちらを、どうぞ~♪
 
  


 
       ―― CIRCUS ヒグチユウコ 画集 ――



 著者はヒグチユウコさん、2019年1月に発行されました。
 『EXHIBITION EDITION』と副題が付されています。

「ふァいッ! げんていィばんッ、なのでス!」
「ぐるるるがるる~!」(←訳:展覧会場限定版~!)

 ちょうど今日――
 3月末日をもって惜しまれつつも閉幕した世田谷文学館の
 《CIRCUS ヒグチユウコ展》……

 先日は、世田谷文学館へお出掛けした際のプチレポを
 お送りいたしましたけれども、
 図録についてはほんのちょっと触れただけでしたので、
 あらためて、ここで御報告いたしますね。

 現在、書店さんで販売されている『CIRCUS ヒグチユウコ画集』には、
 1st作品集『ヒグチユウコ作品集』以降の、
 ここ数年間にヒグチさんが手掛けたお仕事と、
 書き下ろし作品『卑怯な蝙蝠』が収録されています。

「ずるゥ~いィこうもりのォ、おはなしィ!」
「がるっるぐるる!」(←訳:イソップ童話の!)

 はるか昔、紀元前6世紀頃には
 およその原型が整っていたとも言われる《イソップ童話》
 (イソップ寓話、イソップ物語、とも表記されます)。

 『アリとキリギリス』
 『ウサギとカメ』など、
 現代でもよく知られる物語の中のひとつにあるのが、
 これもまた有名な『卑怯なコウモリ』。

 ヒグチさんの繊細な筆遣いで
 新たに描き出された『卑怯な蝙蝠』は、
 鳥類大好き&ケモノたち大好き♪な方々もうっとりさせられる
 ふわふわ羽毛モコモコ毛並み集団の大行進が
 ページを埋め尽くしています。

 一方、展覧会場限定版『CIRCUS』には、
 『卑怯な蝙蝠』の代わりに、
 夢野久作(ゆめの・きゅうさく)さん(1889~1936)の
 短編小説作品である
 『きのこ会議』を
 ヒグチさんが“絵画化”したものが収録されています。

「あやしィ~かいぎィ!」
「ぐるるるがるる!」(←訳:出席者も怪しい!)

 或る夜、森の奥にて集いましたるは、
 初茸、松茸、椎茸、木くらげ、といった
 さまざまなきのこたち。

 冬を前にしてのお別れの宴会でございますから、
 皆で呑めや歌えや……で楽しむ予定が、
 まずは椎茸が、
 次に松茸が
 たいそうな演説なぞブチますうちに、
 会議はおかしな雲行きに……?

「ううゥ~むゥ! あやしさァ、にばいィ!」
「がるぐぅるるるがるるる!」(←訳:二倍じゃなくて三倍増し!)

 はたして、会議の結論は?
 きのこたちは、どのような行動に出るのか?
 夜明けの森で何かが起こる?

「そこからァさきはッ!」
「ぐるがる!」(←訳:秘密だよ!)

 『ドグラ・マグラ』で知られる夢野さんらしい、
 奇妙奇天烈でミステリアスなストーリーは、
 キノコ愛好家ヒグチさんのために書かれたのでは?と
 思ってしまうほど“お似合い”です。

 『卑怯な蝙蝠』、
 『きのこ会議』、
 どちらも分量は16ページですが、
 羽毛フワフワ派でゆくか、
 きのこノコノコ派を取るか、
 これは読み手さんの好みの問題ですねえ。

「どちらもォ~!」
「がるるる!」(←訳:捨て難い!)

 世田谷文学館での展覧会は終了しても、
 まだまだ終わらない《CIRCUS》の世界。
 今後は西日本方面への巡回も予定されています。

 展覧会場へ行く機会がありましたら、
 皆さま、限定版『CIRCUS』中の
 愉快でヘンテコなきのこたちの会議録を、
 ぜひ、一読してみてくださいね。
 おすすめですよ~♪

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