goo blog サービス終了のお知らせ 

テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

~ 奇譚匠の闇ものがたり ~

2008-11-17 13:37:06 | ブックス
 東京は多摩地方から、こんにちは、ネーさです。
 本日も……あらっ?
 どうしたの、テディちゃ? なんだか腰が引けてるわよ?

「こ、こんにちわゥ、な、なんでもないィでスゥ~」

 そうなの?
 では、参りましょうか、本日は、こちらの一冊を、どうぞ~!


 
           ―― 小川未明集 幽霊船 ――


 
 著者は小川未明さん、’08年8月に発行されました。
 『文豪怪談傑作選』と銘打たれたシリーズの、
 9番目に刊行された作品です。

「あうゥッ!
 か、かいィだんッ!」

 先日ご紹介しました絵本『ビロードのうさぎ』の画家、
 酒井駒子さんによって絵本化された『赤い蝋燭と人魚』を、
 テディちゃ、憶えていますか?
 ずっと以前に御紹介したんですけど。

「あうゥ~、な、なんとなくゥ~」

 いとけない人魚の姿に涙を誘われた絵本とは異なり、
 この文庫版の御本には挿絵の類は一切ありません。
 それでも、小川未明さんが紡ぐ物語は
 不思議なほどヴィジュアルに、
 読み手に『想い描く』ことを強いてゆきます。

 一場の音楽のような『金の輪』、
 どこか古典が香る『稚子ヶ淵』、
 白日夢にも似た表題作『幽霊船(ゆうれいぶね)』、
 そして、巻を通じて他を圧倒する不朽の名作
 『赤い蝋燭と人魚』――

 明るい陽の光も、
 気付けば昏く。
 ゆるやかな春の風も、
 いつのまにか氷の烈風と化すかのような、
 怖い、おそろしい物語ばかり。

「ひィッ、こ、こわいィッ!
 すぷらッたァ、いやでスゥ~!」

 いえいえ、これは、現代的な、やわな恐怖モノとは異質の怖さ。
 透徹し、
 人の手ではいかんともしがたい《なにか》を前にして、
 読む者は戦慄するのです。

 泉鏡花さんが大好き!という御方、
 漱石さんの『夢十夜』は座右の書!という御方に、お奨めです!
 童話だけではない未明さんの
 怪談の枠にとどまらない『怪談』を、ぜひ!

「うううゥッ、やぱりィ、こわいおはなしはァ、こわいィ~ッ!」
コメント (2)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 紅葉みやげ♪ | トップ | プチな流行りもの。 »
最新の画像もっと見る

2 コメント(10/1 コメント投稿終了予定)

コメント日が  古い順  |   新しい順
ふわわ (ななま)
2008-11-17 15:17:24
最近携帯からアクセスしていないのでごぶさたしちゃいましたが、一発目の記事を拝見してすぐコメ★
実は子供のころ、「赤いローソクと人魚」がこわくてしょーがありませんでした!
私はいとけないと思えなかったというか、、もちろんごーよくな人間は怖かったけどそれだけに人魚の恨みが、、赤いローソク、というビジュアルと共に脳裏に焼き付いてなんか怖かったなあ。
小川さん、怖い作家ですよね。。。即さがします!!
返信する
絵本もおすすめ♪ (テディちゃ)
2008-11-18 08:19:26
ななまさま

 こんにちわッ!こめんとォありがとォございまスゥ!
 ネーさ、いわくゥ、
「酒井駒子さんの画による絵本『赤い蝋燭と人魚』は
 本当にすばらしいんですっ!」
 なのだそゥでス。
「ぐわんぐわん泣けてしまいそうになっちゃう!」
 ッて、りきせつゥしてましたァ~。
 
 えほんとォ、ごほんッ!
 りょうほうをォ、ちぇきッ!
 してみてくださァ~いッ♪
 
 それで……あのゥ、こわくないィほゥを……。
 
返信する

コメントを投稿

サービス終了に伴い、10月1日にコメント投稿機能を終了させていただく予定です。

ブックス」カテゴリの最新記事