テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

~ 陽炎と白球と ~

2024-03-27 22:02:01 | ブックス

「こんにちわッ、テディちゃでス!

 おひさしぶりィ~に、はれましたでス!」

「がるる!ぐるがぅるるる!」(←訳:虎です!青空ウェルカム!)

 

 こんにちは、ネーさです。

 今日3月27日は、《さくらの日》!

 今年は良いお花見が出来ますようにと願いつつ、

 さあ、読書タイムですよ。

 本日は↓こちらの、いま話題になっている作品を、どうぞ~♪

  

 

 

         ―― 八月の御所グラウンド ――

 

 

 著者は万城目学(まきめ・まなぶ)さん、

 2023年8月に発行されました。

 第170回直木賞を受賞して、熱く静かにベストセラー街道を疾走中の

 ”青春小説”ですよ。

 

「きょうとォ、なのでスゥ!」

「ぐるるるるがるぐるるる!」(←訳:それだけでもうワクワク!)

 

 デビュー作『鴨川ホルモー』と同じく、

 京都を舞台に幕を開けた物語は、

 『十二月の都大路上下(カケ)ル』。

 

 ただし、主人公は京都っ子さんではなく、

 京都府の外からやって来た

 若き女子アスリートさん、なんです。

 

「あすはァ、たいかいィほんばんッ!」

「がるるるがる!」(←訳:勝負の日だね!)

 

 語り手の『私』――

 部員のみんなから『サカトゥ—』と呼ばれる

 坂東(さかとう)さんは、

 陸上部の1年生。

 

 チームの主力は、もちろん、

 経験を積み、実績もある3年生や2年生たち。

 補欠として参加している1年生の坂東さんは、

 夕食が喉を通らないほど

 ガチガチに緊張しているレギュラーメンバーの上級生さんたちを

 ちょっぴり気の毒に思ったりしながら、

 白身魚のフライを齧ります。

 

   女子全国高校駅伝は、

   駅伝を志す高校生にとって

   野球における甲子園のようなもの。

   私たちの高校がエントリー権を獲得したのは、

   なんと27年ぶりのことだもの、

   そりゃ緊張もするよね。

 

「ならばッ、ぜんしんぜんれいィでッ!」

「ぐるがるる~!」(←訳:応援しよう~!)

 

   補欠に過ぎない自分は、

   緊張する必要なんて、まったく無し。

   こころを込めて、先輩たちに声援を送ろう。

 

 と、程良くリラックスできているサカトゥーさんですが、

 実はもうひとつ、”安心材料”がありました。

 

 絶望的に、方向音痴。

 超弩級の、方向音痴。

 超絶方向音痴。

 

   どこに行ってもすぐ迷子になる私だもの、

   駅伝を走るなんてもう、絶対に無理。

   レギュラーでなくて本当によかっ……………え?

 

「むッ! むむむむゥ!」

「がるるるる!」(←訳:たいへんだ!)

 

 それは、予想だにしなかった事態。チームの危機。

 

 危機をなんとか回避すべく、

 顧問の先生がサカトゥーさんを呼び出して告げた

 ”重大な決定”とは――

 

「あちゃちゃちゃッ!」

「ぐるがる!」(←訳:呆然自失!)

 

 方向音痴もなんのその、

 サカトゥーさん大活躍の『十二月の都大路上下ル』

 に続いて収録されているのは、

 表題作品である

 『八月の御所グラウンド』。

 

 真冬の駅伝とは対照的な、

 炎暑の京都で何が起こるのか。

 

 これはもう、読破あるのみ!

 

 前情報を可能な限り遮断して

 じっくり味わってみてくださいね。

 いますぐ京都に行きたくなるような、

 御所Gはどこ?と探し歩きたくなるような、

 ひとり万城目さんのみが書くことを許された

 切なくも美しい物語を、

 皆さま、ぜひ~♪

 

 

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