「こんにちわッ、テディちゃでス!
はッぴィ~にゅうがくゥしきィ!」
「がるる!ぐるがるるるる~!」(←訳:虎です!入学おめでとう~!)
こんにちは、ネーさです。
今日4月8日は、多くの学校で入学式が行われたようですね。
学生さんがそれぞれの形で
楽しく充実した一年を送れるよう祈りつつ、
さあ、読書タイムですよ。
本日は、こちらの御本を、どうぞ~♪
―― 語学の天才まで1億光年 ――
著者は高野秀行(たかの・ひでゆき)さん、
2022年9月に発行されました。
ノンフィクション作家・高野さんによる
語学学習の体験記……えーと、たぶん体験記、です。
「せかいのォ~あちこちィでェ!」
「ぐるがるる!」(←訳:冒険続行中!)
ええ、著者・高野さんと語学の組み合わせ、という
この御本が掲げるテーマに、
活字マニア諸氏は、なるほどね、と頷いたに違いありません。
怪獣を見つけよう!
もし出来るなら捕まえちゃおう!
と企画して、アフリカへ。トルコへ。
世界屈指の暗黒地帯の全貌を明らかにするため、
ゴールデン・トライアングルの深部へ。
麻薬王のアジトへ!
こんなハチャメチャな《冒険》に乗り出して、
苦心惨憺で到着した遠地で
日本語が……通用するワケはないわよね。
「げんちのォ、ことばッ!」
「がるるるる!」(←訳:話せないと!)
《冒険》の現場で通用する言語は、
高野さんにとって幸か不幸か、英語ではありません。
アフリカ大陸で主流派なのは、フランス語?
いえ、怪物が棲むというコンゴでは
リンガラ語という言葉が使われている?
そうか、まあとりあえずコンゴ大使館に問い合わせてみよう。
……え?
日本にコンゴ大使館は、ない?
(当時はなかったんです)
じゃあどうすりゃいいんだ?
怪獣探しの前にコンゴ人を探せ!
リンガラ語情報を探すんだ!見つけるんだ!
「もうゥ、ざせつゥしそうゥ~…」
「ぐるっる……がるるる……」(←訳:冒険って……ホントに……)
情報ならたっぷりありそうな言語に関しても、
いいえ、まったく気が抜けません。
『ロマンス諸語』に分類される
フランス語・イタリア語・スペイン語・ポルトガル語・ルーマニア語も、
日本人にとっては……。
「ふきそくゥどうしィとかァ~」
「がるるぐるがる~」(←訳:主語の有無とか~)
異国の言葉の、ああ、なんというムズかしさ。
しかし、ここでメゲては、
《冒険》への道は閉ざされたまま……。
ならば、まず《語学の冒険》へ。
語学の大海は、
海図も航路も知らないけれど、
漕ぎだしてみるしか、道はない。
「おしえてッ、せんせいィ!」
「ぐるるがるる!」(←訳:なまの言葉を!)
辞書やテキストもないような
とてもマイナーな言葉を、
どうやって学ぶのか?
天才ではない自分が?
高野さんの行動力と工夫、情熱に、
ただもう拍手喝采してしまう
《知の冒険》の記録は、
全活字マニアさんにおすすめですよ。
ぜひ、一読してみてくださいね~♪