テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

~ コトバの《冒険》、始めます? ~

2024-04-08 22:03:31 | ブックス

「こんにちわッ、テディちゃでス!

 はッぴィ~にゅうがくゥしきィ!」

「がるる!ぐるがるるるる~!」(←訳:虎です!入学おめでとう~!)

 

 こんにちは、ネーさです。

 今日4月8日は、多くの学校で入学式が行われたようですね。

 学生さんがそれぞれの形で

 楽しく充実した一年を送れるよう祈りつつ、

 さあ、読書タイムですよ。

 本日は、こちらの御本を、どうぞ~♪

  

 

 

         ―― 語学の天才まで1億光年 ――

 

 

 著者は高野秀行(たかの・ひでゆき)さん、

 2022年9月に発行されました。

 ノンフィクション作家・高野さんによる

 語学学習の体験記……えーと、たぶん体験記、です。

 

「せかいのォ~あちこちィでェ!」

「ぐるがるる!」(←訳:冒険続行中!)

 

 ええ、著者・高野さんと語学の組み合わせ、という

 この御本が掲げるテーマに、

 活字マニア諸氏は、なるほどね、と頷いたに違いありません。

 

   怪獣を見つけよう!

   もし出来るなら捕まえちゃおう!

   と企画して、アフリカへ。トルコへ。

 

   世界屈指の暗黒地帯の全貌を明らかにするため、

   ゴールデン・トライアングルの深部へ。

   麻薬王のアジトへ!

 

 こんなハチャメチャな《冒険》に乗り出して、

 苦心惨憺で到着した遠地で

 日本語が……通用するワケはないわよね。

 

「げんちのォ、ことばッ!」

「がるるるる!」(←訳:話せないと!)

 

 《冒険》の現場で通用する言語は、

 高野さんにとって幸か不幸か、英語ではありません。

 

 アフリカ大陸で主流派なのは、フランス語?

 いえ、怪物が棲むというコンゴでは

 リンガラ語という言葉が使われている?

 そうか、まあとりあえずコンゴ大使館に問い合わせてみよう。

 ……え?

 日本にコンゴ大使館は、ない?

 (当時はなかったんです)

 じゃあどうすりゃいいんだ?

 怪獣探しの前にコンゴ人を探せ!

 リンガラ語情報を探すんだ!見つけるんだ!

 

「もうゥ、ざせつゥしそうゥ~…」

「ぐるっる……がるるる……」(←訳:冒険って……ホントに……)

 

 情報ならたっぷりありそうな言語に関しても、

 いいえ、まったく気が抜けません。

 『ロマンス諸語』に分類される

 フランス語・イタリア語・スペイン語・ポルトガル語・ルーマニア語も、

 日本人にとっては……。

 

「ふきそくゥどうしィとかァ~」

「がるるぐるがる~」(←訳:主語の有無とか~)

 

 異国の言葉の、ああ、なんというムズかしさ。

 しかし、ここでメゲては、

 《冒険》への道は閉ざされたまま……。

 

 ならば、まず《語学の冒険》へ。

 

 語学の大海は、

 海図も航路も知らないけれど、

 漕ぎだしてみるしか、道はない。

 

「おしえてッ、せんせいィ!」

「ぐるるがるる!」(←訳:なまの言葉を!)

 

 辞書やテキストもないような

 とてもマイナーな言葉を、

 どうやって学ぶのか?

 天才ではない自分が?

 

 高野さんの行動力と工夫、情熱に、

 ただもう拍手喝采してしまう

 《知の冒険》の記録は、

 全活字マニアさんにおすすめですよ。

 ぜひ、一読してみてくださいね~♪

 

コメント
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