「こんにちわッ、テディちゃでス!
せんちょうゥさァ~んッ!」
「がるる!ぐるるがる!」(←訳:虎です!我らが誇り!)
こんにちは、ネーさです。
国際宇宙ステーションに到着した星出彰彦さんが、
第65次・長期滞在クルーの船長さんに就任!
今週末、地球に帰還する野口聡一さんと
ガッチリ握手!
SF映画のような中継映像に感激いたしましたが、
本日の読書タイムは、ぐーんとレトロな
こちらのミステリ作品を、さあ、どうぞ~!

―― 深夜の博覧会 ――
著者は辻真先(つじ・まさき)さん、
単行本は2018年に、
画像の文庫版は2021年1月に発行されました。
『MIDNIGHT EXPOSITION』と英語題名が、
『昭和12年の探偵小説』と日本語副題が付されています。
「しょうわァじゅうにィねんッ?」
「ぐるるがるる!」(←訳:確かにレトロ!)
宇宙ステーションが衛星軌道を周回する現在から、
半世紀以上を遡って、
昭和12年――1937年。
21世紀に暮らす私たちからすれば、
レトロであり、また、
きな臭い時代……とも言えましょうか。
「かやくのォ、においィ……!」
「がるるぐる……!」(←訳:軍靴の響き……!)
大戦にはまだ至っていないとしても、
世情は不穏な予兆に満ち満ちています。
銀座の路上で
似顔絵を描いている
那珂一兵(なか・いっぺい)くんには、
よく分かるんです。
似顔絵は、一枚が三銭。
画賃を貰って
お客さんを描きながら、
その立ち居振る舞いを観察すれば、
たとえ軍服を着ていなくても、
ああ、この人は軍人なんだなあ、と
判別できてしまうんですね。
そして今日もまた、
あちらこちらに
軍人さんの姿が……?
「おッ! もうひとりィ~!」
「ぐるるる?」(←訳:お客さん?)
一兵くんに声をかけたのは、
常連客のひとり、
降籏瑠璃子(ふるはた・るりこ)さん。
帝国新聞の記者である瑠璃子さんは、
似顔絵の依頼、
ではなく、
お仕事の依頼をするため、
やって来たのでした。
名古屋で開催されている
博覧会に行ってみない?
「なごやァ?」
「がるる?」(←訳:博覧会?)
それは、
《名古屋汎太平洋平和博覧会》。
絵の腕を買われて
取材に同行してみないか、
という申し出ですが、
一兵くんが大喜びで
このお仕事を受けたのは――
「とッきゅうゥ!」
「ぐるがる!」(←訳:燕号だよ!)
夢の特急、いえ、
超特急《燕号》。
やった!
名古屋へ行くんなら、
《燕号》に乗れる!
……って、要するに一兵くんは
鉄道マニアだったのねえ。
「ざせきはァ、もちろんッ!」
「がるぐる!」(←訳:窓の側で!)
一兵くんと瑠璃子さんを乗せ、
《燕号》は
名古屋へとひた走ります。
穏やかならぬ世の動きの中、
“平和“を名乗る博覧会で
一兵くんたちは
はたして何と出会うのか……?
「ふあんでけどォ~」
「ぐるるる!」(←訳:期待も大!)
2020年には
『たかが殺人じゃないか』で
読書会の話題をさらった著者・辻さんの
レトロかつ大胆なミステリは、
時代考証が素晴らしくて、
歴史好きな活字マニアさんにも
おすすめの一冊です。
昭和初期の銀座、名古屋、
列車や雑踏の描写を、
皆さま、存分に愉しんでくださいな~♪
せんちょうゥさァ~んッ!」
「がるる!ぐるるがる!」(←訳:虎です!我らが誇り!)
こんにちは、ネーさです。
国際宇宙ステーションに到着した星出彰彦さんが、
第65次・長期滞在クルーの船長さんに就任!
今週末、地球に帰還する野口聡一さんと
ガッチリ握手!
SF映画のような中継映像に感激いたしましたが、
本日の読書タイムは、ぐーんとレトロな
こちらのミステリ作品を、さあ、どうぞ~!

―― 深夜の博覧会 ――
著者は辻真先(つじ・まさき)さん、
単行本は2018年に、
画像の文庫版は2021年1月に発行されました。
『MIDNIGHT EXPOSITION』と英語題名が、
『昭和12年の探偵小説』と日本語副題が付されています。
「しょうわァじゅうにィねんッ?」
「ぐるるがるる!」(←訳:確かにレトロ!)
宇宙ステーションが衛星軌道を周回する現在から、
半世紀以上を遡って、
昭和12年――1937年。
21世紀に暮らす私たちからすれば、
レトロであり、また、
きな臭い時代……とも言えましょうか。
「かやくのォ、においィ……!」
「がるるぐる……!」(←訳:軍靴の響き……!)
大戦にはまだ至っていないとしても、
世情は不穏な予兆に満ち満ちています。
銀座の路上で
似顔絵を描いている
那珂一兵(なか・いっぺい)くんには、
よく分かるんです。
似顔絵は、一枚が三銭。
画賃を貰って
お客さんを描きながら、
その立ち居振る舞いを観察すれば、
たとえ軍服を着ていなくても、
ああ、この人は軍人なんだなあ、と
判別できてしまうんですね。
そして今日もまた、
あちらこちらに
軍人さんの姿が……?
「おッ! もうひとりィ~!」
「ぐるるる?」(←訳:お客さん?)
一兵くんに声をかけたのは、
常連客のひとり、
降籏瑠璃子(ふるはた・るりこ)さん。
帝国新聞の記者である瑠璃子さんは、
似顔絵の依頼、
ではなく、
お仕事の依頼をするため、
やって来たのでした。
名古屋で開催されている
博覧会に行ってみない?
「なごやァ?」
「がるる?」(←訳:博覧会?)
それは、
《名古屋汎太平洋平和博覧会》。
絵の腕を買われて
取材に同行してみないか、
という申し出ですが、
一兵くんが大喜びで
このお仕事を受けたのは――
「とッきゅうゥ!」
「ぐるがる!」(←訳:燕号だよ!)
夢の特急、いえ、
超特急《燕号》。
やった!
名古屋へ行くんなら、
《燕号》に乗れる!
……って、要するに一兵くんは
鉄道マニアだったのねえ。
「ざせきはァ、もちろんッ!」
「がるぐる!」(←訳:窓の側で!)
一兵くんと瑠璃子さんを乗せ、
《燕号》は
名古屋へとひた走ります。
穏やかならぬ世の動きの中、
“平和“を名乗る博覧会で
一兵くんたちは
はたして何と出会うのか……?
「ふあんでけどォ~」
「ぐるるる!」(←訳:期待も大!)
2020年には
『たかが殺人じゃないか』で
読書会の話題をさらった著者・辻さんの
レトロかつ大胆なミステリは、
時代考証が素晴らしくて、
歴史好きな活字マニアさんにも
おすすめの一冊です。
昭和初期の銀座、名古屋、
列車や雑踏の描写を、
皆さま、存分に愉しんでくださいな~♪