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テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

― 決して屈せず、退かず ―

2021-01-31 23:36:21 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 もももォ~きましたでス!」
「がるる!ぐるるるがるる~♪」(←訳:虎です!ピンクが華やか~♪)

 こんにちは、ネーさです。
 スイートピーに続いて、
 桃の花がお花屋さんに並びました。
 もうすぐ立春――
 春来たる!な眺めにほっこりしながら、
 さあ、1月を締めくくる読書タイムですよ。
 本日は、こちらのノンフィクション作品を、どうぞ~!

  



    ―― ストーカーとの七00日戦争 ――



 著者は内澤旬子(うちざわ・じゅんこ)さん、
 2019年5月に発行されました。
 御本の題名からもお分かりのように……

 著者・内澤さんと
 ストーカーとの闘いを詳述した
 “事実の記録”です。

「なッ、なんだかァ、もうゥ~…」
「ぐるるるがるるるぅ!」(←訳:滅茶苦茶こわいよぅ!)

 以前に御紹介した内澤さんのエッセイ
 『着せる女』(2020年刊)は、
 ひたすら楽しく、面白く、
 メンズファッション面白さ、
 スーツの素晴らしさを
 活写した作品でした。

 が、この御本では、
 冒頭から不穏な空気が充満しています。

   《やはり警察に相談しておこうか。》

 そう、内澤さんは
 或る犯罪に巻き込まれ、
 途方もない被害をこうむっていたのです。

 大事なことなので、
 もういちど書き記しますが、
 被害、ですよ。

 内澤さんは、被害者なんです。

「それなのにィ~!」
「がるるぐるるる!」(←訳:理不尽すぎるよ!)

 事件の引き金となったものは、
 別れ話の、もつれ。

 もつれが拗れに拗れて、
 事態はどんどん悪化してゆきます。

 嵐のように送られてくるメール。
 威圧的な言動。
 ネットへの執拗な書き込みは、
 明らかに名誉棄損であり、脅迫。

 なのに、
 止めさせる方法が、ない……?

「どうしたらァ、いいんだろうゥ?」
「ぐるるるがるるる!」(←訳:専門家に訊こうよ!)

 これが、いわゆる
 ストーカー犯罪というものなのか……。

 ためらいながらも、
 ついに意を決し、
 警察へと赴いた内澤さん。

 担当部局の、生活安全課の方々は、
 内澤さんの訴えに耳を傾け、
 事件として扱ってくれました。

 相手の人物を特定し、
 逮捕、拘留。

 やった!
 良かった!
 これで安心!喜びたいところですが。

「ふたたびィ、きょうはくゥ??」
「がるぐるー!」(←訳:もうヤダー!)

 身を護るには、
 自分の生命や財産、名誉を護るためには、
 どうしたらいいのか。

 法を味方につけ、
 生き延びるために、
 何をすべきか。

 ことの始まりから、
 細部までも包み隠さず公表した内澤さんの
 長い闘いの結末は、
 はたして……?

「なきねいりィ、しませんッ!」
「ぐるるぅがるる!」(←訳:屈しちゃダメだ!)

 読んでいて息苦しささえ覚えてしまう
 凄絶なノンフィクション作品は、
 同じような境遇に在る方々にとって
 ひとつの指標となるものかもしれません。

 罪悪とは何であるのか、
 あらためて考えさせられる一冊です。
 全活字マニアの皆さま、
 どうかぜひ、一読を。