「こんにちわッ、テディちゃでス!
ぱふふゥ! すなァあらしィ~!」
「がるる!ぐるるる~!」(←訳:虎です!春一番だ~!)
こんにちは、ネーさです。
強風のせいで髪がグシャグシャになった金曜日ですが、
お家に帰ってリラックスしたら、
さあ、週末の読書タイムです。
本日は、こちらのアート系ノンフィクション作品を、どうぞ~♪

―― ウィリアム・モリスの遺したもの ――
著者は川端康雄(かわばた・やすお)さん、2016年12月に発行されました。
『William Morris and His Legacy』と英語題名が、
『デザイン・社会主義・手しごと・文学』と日本語副題が付されています。
「あはァ! でざいなーさんッ!」
「ぐるるるるるがるるる!」(←訳:デザイン界の巨匠さん!)
ウィリアム・モリスさん(1834~1896)を、
はて、どう形容すべきでしょうか。
グラフィックデザイナーさん?
テキスタイルデザイナーさん?
詩人であり、文学者であり、
“世界で最も美しい”と評される書籍を作り、
政治運動にも参加した19世紀英国のアーティストさん?
「どのォおしごともォ、ぜんりょくゥとうきゅうゥ!」
「がるるぐる!」(←訳:手抜きなし!)
ひとつ名言できるのは、
100年以上も前の19世紀人でありながら、
モリスさんのお仕事は現役である、ということです。
ロンドンのリバティ百貨店へ行けば、
V&A美術館へ行けば、
モリスさんがデザインした布地や壁紙が今でも売られていますし、
日本のデパートでもライセンス製品が販売されていますね。
100年経っても古びない。
いえ、100年経ってもますます人気沸騰中。
「それッてェ、すごいィでス!」
「ぐるがる!」(←訳:ほぼ奇跡!)
飄々と奇跡を実現させているひと=モリスさんとは、
いったどんな人物なのか。
著者・川端さんは日本人ならではの知識・視点から
モリスさんが多分野に残した《遺産》をつなげてゆき、
また、モリスさんが日本文化に及ぼした影響についても
丁寧に追跡して行きます。
「えッ? にほんにィ?」
「がるるるっる!」(←訳:知らなかった!)
この御本は大きく三つのパートに分かれています。
第Ⅰ部『タペストリーの詩人』
第Ⅱ部『日本への波動』
第Ⅲ部『ヴィクトリア朝と現代』
という構成ですが、
注目すべきは、第Ⅱ部!
ここで“主役”になっているのは、
《あまりにもモリスさんの仕事に感化されちゃった或る日本人》。
お名前を御木本隆三(みきもと・りゅうぞう)さん、と記したなら、
分かる御方には分かるでしょうか……
「みきもとォさんッ??」
「ぐるるっ?」(←訳:もしやっ?)
御木本隆三さんは、
ええ、苗字から察したアートマニアさんもおられるでしょう、
《真珠王》と称された、
御木本幸吉さんの息子さんです。
御木本幸吉さん(1858~1954)の長男として生まれた
隆三さん(1893~1971)は英国文学者であり、
著書の殆どがモリスさんも参加した
《アーツ&クラフツ運動》関連のものなんです。
隆三さんの生涯がどれほど“モリス”色に染まっていたか、
モリスさんと親しかった
美術評論家J・ラスキンさんの思想に影響されていたのか、
それゆえに困難な生涯を送らねばならなかったかを
遠く見送るかのようなこの章は、
静かな朗読を想わせます。
「こんなァれきしがァ~…」
「がっるるる!」(←訳:あったんだ!)
古びた遺産ではなく、
今もなお活き活きと産み出され続ける
モリスさんのデザイン。
その前後の、背後の、
モリスさんとモリスさんを囲む人びとの息づかい。
英国のアートが好きな御方にも
近代史好きな活字マニアさんにも
おすすめの作品です。
できれば、モリスさんのデザイン図集を傍らに、
ぜひ、一読を♪
ぱふふゥ! すなァあらしィ~!」
「がるる!ぐるるる~!」(←訳:虎です!春一番だ~!)
こんにちは、ネーさです。
強風のせいで髪がグシャグシャになった金曜日ですが、
お家に帰ってリラックスしたら、
さあ、週末の読書タイムです。
本日は、こちらのアート系ノンフィクション作品を、どうぞ~♪

―― ウィリアム・モリスの遺したもの ――
著者は川端康雄(かわばた・やすお)さん、2016年12月に発行されました。
『William Morris and His Legacy』と英語題名が、
『デザイン・社会主義・手しごと・文学』と日本語副題が付されています。
「あはァ! でざいなーさんッ!」
「ぐるるるるるがるるる!」(←訳:デザイン界の巨匠さん!)
ウィリアム・モリスさん(1834~1896)を、
はて、どう形容すべきでしょうか。
グラフィックデザイナーさん?
テキスタイルデザイナーさん?
詩人であり、文学者であり、
“世界で最も美しい”と評される書籍を作り、
政治運動にも参加した19世紀英国のアーティストさん?
「どのォおしごともォ、ぜんりょくゥとうきゅうゥ!」
「がるるぐる!」(←訳:手抜きなし!)
ひとつ名言できるのは、
100年以上も前の19世紀人でありながら、
モリスさんのお仕事は現役である、ということです。
ロンドンのリバティ百貨店へ行けば、
V&A美術館へ行けば、
モリスさんがデザインした布地や壁紙が今でも売られていますし、
日本のデパートでもライセンス製品が販売されていますね。
100年経っても古びない。
いえ、100年経ってもますます人気沸騰中。
「それッてェ、すごいィでス!」
「ぐるがる!」(←訳:ほぼ奇跡!)
飄々と奇跡を実現させているひと=モリスさんとは、
いったどんな人物なのか。
著者・川端さんは日本人ならではの知識・視点から
モリスさんが多分野に残した《遺産》をつなげてゆき、
また、モリスさんが日本文化に及ぼした影響についても
丁寧に追跡して行きます。
「えッ? にほんにィ?」
「がるるるっる!」(←訳:知らなかった!)
この御本は大きく三つのパートに分かれています。
第Ⅰ部『タペストリーの詩人』
第Ⅱ部『日本への波動』
第Ⅲ部『ヴィクトリア朝と現代』
という構成ですが、
注目すべきは、第Ⅱ部!
ここで“主役”になっているのは、
《あまりにもモリスさんの仕事に感化されちゃった或る日本人》。
お名前を御木本隆三(みきもと・りゅうぞう)さん、と記したなら、
分かる御方には分かるでしょうか……
「みきもとォさんッ??」
「ぐるるっ?」(←訳:もしやっ?)
御木本隆三さんは、
ええ、苗字から察したアートマニアさんもおられるでしょう、
《真珠王》と称された、
御木本幸吉さんの息子さんです。
御木本幸吉さん(1858~1954)の長男として生まれた
隆三さん(1893~1971)は英国文学者であり、
著書の殆どがモリスさんも参加した
《アーツ&クラフツ運動》関連のものなんです。
隆三さんの生涯がどれほど“モリス”色に染まっていたか、
モリスさんと親しかった
美術評論家J・ラスキンさんの思想に影響されていたのか、
それゆえに困難な生涯を送らねばならなかったかを
遠く見送るかのようなこの章は、
静かな朗読を想わせます。
「こんなァれきしがァ~…」
「がっるるる!」(←訳:あったんだ!)
古びた遺産ではなく、
今もなお活き活きと産み出され続ける
モリスさんのデザイン。
その前後の、背後の、
モリスさんとモリスさんを囲む人びとの息づかい。
英国のアートが好きな御方にも
近代史好きな活字マニアさんにも
おすすめの作品です。
できれば、モリスさんのデザイン図集を傍らに、
ぜひ、一読を♪