テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

たての糸、よこの糸。

2017-02-27 22:09:53 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 じゅしょうしゃのォみなさまァ、おめでとうゥ!」
「がるる!ぐるがるるー!」(←訳:虎です!晴れ舞台だー!)

 こんにちは、ネーさです。
 映画の祭典アカデミー賞の授賞式が行われて、
 史上初のハプニングがニュースになったりしていますが、
 本日の読書タイムも、
 さあ、映画ジャンルの御本を、どうぞ~♪
 
  



        ―― 映画と本の意外な関係! ――



 著者は町山智浩(まちやま・ともひろ)さん、2017年1月に発行されました。
 季刊『kotoba』2010年秋号~2016年春号に連載されたコラム『映画の台詞』と
 『kotoba』2016年春号の特集に掲載された原稿をもとに編まれたこの御本は、
 ふぅ、すごいわねえ!

「ものしりィ!」
「ぐる!」(←訳:博識!)

 以前に、著者・町山さんの『最も危険なアメリカ映画』を御紹介して、
 その時もアメリカの文化、映画への深い理解・博識ぶりに
 圧倒されたものですが、
 この御本でも、町山さん、飛ばしています。

「えいがのォ、おもてもォうらもォ!」
「がるるるぐる!」(←訳:くるくる解析!)

 多くの、いえ、殆どの映画には
 原作となる小説作品が存在しています。

 或るいは原案として、
 または映画のストーリーに何らかの影響を与える書籍、
 映画の場面背景に
 さりげなく写っている本棚、
 そして物語の重要な《鍵》として
 書物が登場することもあります。

「えいがとォ、しょもつッてェ~」
「ぐるがるる!」(←訳:兄弟みたい!)

 クリストファー・ノーランさんが監督した
 『インセプション』。
 その世界観のそこここに窺われるのは、
 旧約聖書の『創世記』と、
 E・A・ポーさんの作品を原案とする
 オムニバス映画『世にも奇妙な物語』。

 チリの国民的詩人パブロ・ネルーダさんの詩に
 心を揺り動かされる
 サラ・ポーリーさん監督作品『物語る私たち』。

 スティーブン・フリアーズさんが監督した
 『あなたを抱きしめる日まで』の原作となった
 マーティン・シックススミスさん著のノンフィクション作品
 『フィロミナ・リーの失われた子ども(原題)』。

 とりわけ、
 『あなたを抱きしめる日まで』についての文章は、
 遠藤周作さん著『沈黙』を
 連想せざるを得ない気魄が宿っており、
 私ネーさ、読み終えた後に
 しばし呆然としてしまいました……。 

「こんなふうゥにィ、かいてもらえたらァ!」
「がるるるぐるるる!」(←訳:監督さんも嬉しいね!)

 『まえがきにかえて』から、
 第1章『信じて跳べ』に始まり
 第22章『アメリカ映画の詩(うた)が聴こえる』まで、
 著者・町山さんが語るのは、
 映画にとどまらず、
 原作小説、
 原作を書いた作家さん、
 映画の中で流れる音楽など、
 作品と作品をつなぐ“意外な”糸の数々。

「からまるゥいとッ!」
「ぐるるるる!」(←訳:結びつく糸!)

 糸を、縒るひと。
 糸に光を当てるひと。

 糸が織り成すロマン。

 映画好きさんも
 活字マニアさんも
 ぜひ、一読してみてくださいね♪

 
 
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする