goo blog サービス終了のお知らせ 

テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

秘めたる思い。

2016-06-26 22:13:40 | ブックス
「こんにちわァ、テディちゃでス!
 またしてもォ、ばとるおぶゥぶりてんッ!」
「がるる!ぐるがるる!」(←訳:虎です!激闘でした!)

 こんにちは、ネーさです。
 EURO2016でのウェールズ×北アイルランド対決は
 観ている方も疲れる熱戦となりましたが、
 ベスト8に勝ち名乗りを上げたのは、ウェールズ!
 この勢いは続くのか?と
 さらにハラハラしながら、
 さあ、今日も読書タイムです。
 本日は、国内外で人気の高いあの作家さんの御本を、どうぞ~!
 
  



           ―― 村上春樹 雑文集 ――



 著者は村上春樹(むらかみ・はるき)さん、
 単行本は2011年1月に、画像の文庫版は2015年11月に発行されました。
 御本の表紙画は、
 著者・村上さんのファンの方々にはお馴染みの、
 和田誠さんと安西水丸さんによるものですね。
 そうそう、ちょうどいま、
 京都で安西水丸さんの展覧会が開催されているので、
 関西にお住まいの皆さまは、お出掛けしてみてくださいな♪

「いいなァ、きょうとォ~♪」
「ぐるるるるがる!」(←訳:行きたいな京都!)

 この御本は、文庫化するに際し、
 急逝した安西水丸さんへの哀悼の思いが
 強く込められているようです。

 御本の『解説対談』として収録されているのは、
 安西水丸さんと、
 和田誠さんの楽しげなおしゃべり♪
 おしゃべりのサカナにされちゃってるのは……

「もちろんッ、むらかみィさんッ♪」
「がるるぐるるがるるるるぅ!」(←訳:装丁のお話もしてますよぅ!)

 『解説対談』に続いては
 著者・村上さん御自身による、
 『文庫版あとがき』があり、
 そこでも安西さんについて言及されています。
 
 この部分を読んでいると、
 ホントにね、ふっと、
 安西さんが帰ってくる気がするような。

「にこにこォえがおでッ!」
「ぐるるるっる!」(←訳:ただいまって!)

 また、この御本の“読みどころ”といえば、
 エルサレム賞の授賞式でのスピーチ
 《壁と卵》でしょうか。

 2009年2月、
 村上さんはどんな心境でこのスピーチを準備し、
 読み上げたかというと。

  ―― ずいぶん孤独だった ――

 村上さんがスピーチしている映像は
 ニュース等で配信されましたが、
 その裏側の、映像にはならなかった葛藤と決意に
 読み手の私たちは深考せずにはいられません。

「もしかしてェ、いまもォまだッ?」
「がるぐるるる…?」(←訳:孤独なのかな…?)

 『雑文集』の題名に違わず、
 音楽の話、
 映画の話や正しいアイロンのかけ方の話、
 超短編小説も!と
 村上さんの筆はあっちこっちに飛び跳ねています。

 私ネーさが、個人的に最も衝撃を受けたのは
 レイモンド・チャンドラーさん著
 『ロング・グッドバイ(長いお別れ)』翻訳の
 いきさつを記したものでした。

 清水俊二さんによる翻訳『長いお別れ』では
 かなり多くの文章が、
 あるいは文章の細部が
 おそらく意図的に省かれているという事実がある、と
 村上さんは述べているのです……!

「ええェッ? はぶいてるゥ???」
「ぐるるがぅるるる??」(←訳:完全訳じゃないの??)

 ↑この部分を読んで、
 冗談ではなく、わたくしネーさ、膝から崩れ落ちました。
 じゃあ『長いお別れ』は、
 あれはなんだったのー!
 完訳じゃなかったのー!?!
 うわわああん、信じたくないー!と
 しばらく呆然自失でした……

「しッかりィ!」
「がるぐるるる!」(←訳:気をたしかに!)

 やはり、『雑文集』なる題名に、
 油断してはなりません。
 村上さんのファンの方々は、
 あらためて、この文庫版作品を熟読くださいね。
 エッセイ好きさん、
 ジャズ好きさんにも、おすすめの一冊です♪
 ぜひ!
 

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする