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テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

博徒一代?西洋ドラゴン版!

2011-01-07 23:32:58 | ブックス
 ……耳たぶが霜焼けになりました。
 こんにちは、寒さにはてんで弱いネーさです。

「こんにちわッ、テディちゃでス!」
「がるる~ぐるぐるる!」(←訳:虎です~寒いですね!)

 ああ、魔法で日本の上空に居座る冬将軍を
 どなたか追い払ってくれないものかしら~……と思ったら、
 はい!
 本日は、魔法も変身もどんと来い!なファンタジーの出番です!
 こちらを、どうぞ~!


   



                ―― ドラゴンズワイルド ――



 著者はロバート・アスプリンさん、原著は2008年に
 画像の日本語文庫版は’09年5月に発行されました。
 主人公は、ドラゴンのグリフェン・マッキャンドルズくん!

「どらごんッ??」
「がるるるっ?」(←訳:龍のことっ?)

 龍――と、ひとくちに言っちゃいますけれど、
 世界にはさまざまな龍が、
 いえ、さまざまな龍への接し方、捉え方、付き合い方があるようです。
 日本では、
 それに中国などアジアの国々では、
 多くの場合、龍といえば《神さま》ですね。

 龍神さまは《水》をつかさどる重要な神さまであり、
 湖の、雨の、河川の神さまでもあります。
 大陸の神話でも、水に縁深い神々の一族が《龍》でした。
 『西遊記』にも龍神さまが一族で出演しておられますし、
 あ、そうそう、
 皇帝(天子)さまのお顔は龍顔、
 皇帝の象徴(みしるし)は龍玉という巨大な宝玉であった、
 とも申します。

 かように、アジアの龍さんたちは、
 その身に神性を帯びているのでございますが、
 アメリカ大陸の龍さんは……
 んんん~???

「へんてこォ、でスかッ?」
「ぐるがるぐるる~?」(←訳:映画みたいなの~?)

 映画よりもヘンテコなのが、
 この御本の冒頭で
 伯父さんから、

 お前はドラゴンなんだよ!

 と告げられるグリフェンくん。
 両親ともに純血種に近いドラゴンであったグリフェンくんには
 強大な力が備わっている、はず、らしいのですが、
 現実は……

 グリフェンくん、
 就職浪人さんです。
 大学をどうにかこうにか卒業しましたが、
 え~、これからどうしたものやら……
 伯父さんに相談した結果が、
 お前はドラゴンだ!発言です。
 
「うむむゥ~、なんとたよりないィ、どらごんくんッ!」
「ぐるるる~がるるる~…」(←訳:将来不安なドラゴンかぁ~…)

 そんな頼りないドラゴンくんを巡り、
 世界各地の勢力が暗躍を始めます。
 グリフェンくんの秘めたる力を、
 自分たちの側に取り込もうと、
 罠また罠?!?

 でも、グリフェンくん、
 或る《特技》を持っていました。
 それは……

 ギャンブル!!

「……どらごんがァ、ぎゃんぶるゥ??」
「ぐるぐるるるがるる~…」(←訳:賭博マニアのドラゴン~…)

 芸は身を助く!
 ギャンブルがドラゴンを苦境から救う?
 へんてこドラゴンファンタジーは、
 どうしてなのか、
 米国版賭博馬鹿一代記に???

「じょうだんでスかッ??」
「ぐるがるがる?」(←訳:パロディなのかな?)

 著者アスプリンさんは
 一癖も二癖もあるSFやファンタジー作品で知られた作家さんです。
 惜しくも2008年に急逝されましたが、
 シリーズものは他の作家さんによって書き継がれる予定なのだそうですよ。
 ギャンブラードラゴン・グリフェンくんの物語も、
 第二弾、第三弾が……!

「ぎゃんぶらーはァ、きけんでスゥ!」
「ぐるがるぐるる!」(←訳:清く正しいドラゴンになってね!)

 SF好きさん、
 ファンタジーものがお好きな方々に、おすすめの一冊です!