
は~い、昨日に続きまして、冒険アクションコミックの御紹介、
どんどんと進めちゃいましょう!
「ふァいッ!きーとんさん、だッたでスねッ、ネーさ?」
そうですよ、テディちゃ。
キートンさんの止まらぬ大冒険、始まり始まり、です。
―― MASTER KEATON ――
《MASTERキートン》
勝鹿北星さん作、浦沢直樹さん画による作品です。
画像の、ビックコミックス版最終巻となる第十八巻は1994年10月に
発行されました。
「ネーさ、きーとんさんはァ、おげんきィでスかッ?」
それがね、テディちゃ、イエスでもありノーでもあるんです。
キートンさん、複雑な心境です。
考古学のお仕事、あまり上手く行ってないんですね。
「えッ、どしてェ?」
大学の講師の職は、とても不安定なものでした。
そうして結局……その職を失ってしまったんです。
キートンさん、就職活動したりするんですが、
緊急のオプ(調査員)仕事が入ったりして、
面接に出向くのさえままなりません……。
やっと教職員になれた!と思ったら、その学校は廃校になっちゃうし……。
縁がない、って、こういうことなんでしょうか。
その代償であるかのように、
何故か順調なのが保険調査のオプ仕事、です。
一流企業から名指しで調査を依頼されたり、
誘拐事件のネゴシエーターとしても地力を発揮します。
被害者は救い出され、
隠蔽された犯罪は明らかになり、
犯人は警察に捕まって、
それはいいんだけど……
キートンさんの鬱屈は溜まります。
こんなこと、していていいのか。
もともと、オプの仕事を始めたのだって、
発掘調査の費用を作ろうとしてのことじゃなかったのか……。
「そうなのでスかァ……おじさん、かわいそゥ……」
おじさ……えへん、おほん、
でも!
キートンさんには心強い味方がいます。
実の父、平賀太平さん。
太平さんの孫にして、キートンさんの愛娘、平賀百合子ちゃん。
『バウバウ』以外にとりたてて励ましの言葉は喋れませんけれど、
嗅覚鋭いチャウチャウ犬の太助くん。
「ちゃうちゃうッ??」
みな、キートンさんを力付けてくれます。
学者の夢を諦めるんじゃないぞ、と。
しかし、時代はヨーロッパの激動期です。
ベルリンの壁が崩れて後、東西のバランスは揺らぎ、
東欧の国々でも政権の交代が頻発します。
決意も新たにキートンさんが目指すのは、混乱治まらぬその地域の真っ只中
――ルーマニアでの調査です。
そこはまた、恩師ユーリ先生の学説が示す《夢の地》でもありました。
この平原のどこかに、
ヨーロッパ文明の起源が眠っている……
マフィア、汚職、事件に次ぐ事件の中で、
《夢の地》を、はたしてキートンさんは見出すことが出来るのでしょうか?
「がんばれェがんばれェッ、おじさんッ♪」
体を張ってのキートンさんの大仕事、
ぜひ!
最終巻まで見届けて下さい!
現在は文庫版等も発行されています。
GW後半、存分に読み耽りましょう!
「おじさんッ、だいすきィ~♪」
……おじさんじゃないのに~……。