中国単身赴任生活 東京浦島太郎編

10数年住んだ中国を離れて東京のサラリーマン。浦島太郎です。
今は、自転車、写真、ジュリエッタなどのブログです。

何かが違う

2006-09-19 | 仕事
先週香港で日本の親会社と商社の人と、今の現地法人で使う原材料の価格交渉をしてきた。

商談は仕事なので取り立てて何事もなかったのだが、その後みんなで食事をしているときに、今まで感じたことの無かった「違和感」を感じた。

何が違うのか、何が原因の違和感なのか、わからないが、何となく「この人達と自分はどこか思考回路に違うものがある。」と思ってしまうような違和感であった。

会食が終わって、もの凄い雨が降っている中 一人でホテルへ向かうフェリーに乗っていると、自分が日本ではないところへヒョッとはまり込んでしまって出られなくなっているような、そんな寂しい気持ちになってしまった。

無論左の写真なんかを撮っている位なので、「ガーーーン!!」と落ち込んでいるわけでもないが、静かにヒタヒタと「何かが違ってきているんだなぁ」と思ってしまうような寂しさだった。

会話の内容が原因な訳でもない。だって「アメリカ人は死ぬまでマクドナルドから離れられない。出張で日本に来ていたアメリカ人が和食の豪華宴会の連続に疲れてマクドナルドへ飛び込んで、ああコレこそが本当の食事だ、と嘆いた。」なんていうしょうもない話題で盛り上がっていたくらいですから。


なんだか元気の無いモードに入ってしまっているのかも知れない。

同じ国の中とは思えません。

2006-09-19 | 生活
夕べいつもの飲み屋に行ったらお客さんが数人しかいなくてみんなヒマそうでした。

こんな調子じゃ店が潰れるとママさん達が話していましたが、「なぜ私たちばかりがこんなに苦労しなくちゃいけないんだ!」という話になってしまいました。

こういうヒマな時にこの手の話になってくると、数人の客(お互いにみんな知り合いですが)を全く放り出してのおしゃべり会に早変わりします。野次馬の私としては、ネタを仕入れるのに絶好のチャンスとなるので大歓迎です。

もうすぐ国慶節で1週間の休みになると駐在員もかなり帰ってしまうので、こういう飲み屋の女の子達も故郷へ帰ります。特に今回は中秋節も間に入っているので帰省する子が多いようなのでこの辺りから話題は始まります。

「一生懸命稼いでお金持って帰っても、なんだこんなに少ないのかと親に文句ばっかり言われる。弟なんか家でゴロゴロしてても文句言われないのに本当に不公平だ。こんな事ならサッサと相手見つけて結婚して昼間から麻雀している生活の方がマシだ。」

「そうは言っても結婚なんかしたら家事もしなくちゃいけないし、子供が出来たら子供の世話やら教育やら面倒は永遠に続く。」

「大体なんで私ばっかりが親の面倒も弟の面倒も見なくちゃいけないんだ!」

とひとしきり愚痴っていましたが、そのうちこの田舎町の悪口大会になりました。
みんなこの町出身ではなく、周辺の農村、漁村、違う省から出稼ぎに来ています。

「最初この町に来たときに特に女性の口の悪さには本当に驚いた。喋っている言葉の半分くらいが罵り言葉で、声はでかいし、これだけは絶対見習わないようにしようと思った。」

「自分の旦那も罵り倒すし、自分以外の人はみんなバカだと決めつけたような話し方が多いので好きになれない。」

「海外に出稼ぎに行く人も多いし、自分で独立して会社作る人も多いけど、自分は何でも出来ると思っている人がとっても多い。」

「大体何にもしないで昼間から麻雀ばっかりしているくせに偉そうに何でも知っているような事ばっかり言っている。」

「罵りあってばっかりいるから時にはひどい喧嘩になって、この町の人って割と簡単に手を出すんだよね。」

「そうそう○○ちゃんだってこの間麻雀していた時の喧嘩で顔にすごい爪のひっかき傷作ってたものね。あれ絶対消えないよ。」

「でも隣町の人達は手だけじゃなくて直ぐに刃物持ち出すからもっと怖いよね。」(この隣町は日本でも蛇頭で有名な町です)

そういっている女の子達も地域的には南方に分類される所の出身者で、北の文化習慣に慣れた私から見れば、自分で発言、非難したのと同じような傾向の持ち主ばかりです。

みんな農村、漁村と都会育ち(都市戸籍)ではありませんので、「一人っ子政策」を信じている人には信じられないくらい兄弟がいっぱいいます。2-3人は当たり前で5-6人でもそんなに多い方ではありません。

結婚だってみんなメチャメチャ早いです。良い機会なのでそっち方面に話題を振ってみると

「友達は大体20位までに結婚している。早い人だと17.8で子供が出来たから結婚する。」

「相手見つけても一緒に住んで子供出来ないと結婚できないのはごく普通。それも男の子生まないと無駄遣いだ、1年もかけて出てきたのが女の子じゃ何の役にも立たないと相手の母親に言われると、じゃああんたも女だが役に立ってないんだな!と文句を言ってやりたくなる位罵られる。」

「北の方は30才くらいでようやく結婚すると聞くが、そんなの信じられない。一人っ子なんて言っていたらみんな生活できないに決まっている。」

「大体女の子一人産んで、もう終わりですなんて言ったら親類縁者、近所の人から年取ったらどうやって生活するつもりだと徹底的に罵倒されるのは確実。政策があるからなんて言ったところで、そんなものは隣町へ逃げて生んでくれば誰もわからない。」

「戸籍なんて後から考えれば良いんだ。あんなのお金出せばいくらでも買えるでしょ。」

中央政府のお役人が一生懸命考えていることは、末端まで来るとこのように変化するのです。


北京のタクシーの運転手さんが「我々中国人は。。。」と国を背負って立っているかのように発言していたのが懐かしく思えます。