ぶちょうほうの画(え)日記(一語一画(え))

亭主「ぶちょうほう」の身の周りのいろいろな風物を「画(え)日記」ふうに綴っています。

4/11日 藤原岳孫太尾根 ⑦:なだらかな県境稜線を歩き、白瀬(または白船)峠から木和田尾を下る

2014-04-21 07:23:27 | 草花
藤原岳は全山石灰岩で出来ているといわれて、それがために太平洋セメント株式会社は、前身の小野田セメントの時代から、藤原岳の東面と多志田谷の西面を石灰石採取のために80年以上に亘り採掘してきました。
今回歩いた孫太尾根も近い将来採掘の手が伸びることでしょう。

話に誇張が有る可能性もありますが、(所有権が無くても)鉱業権さえあれば、所有者に通告なしに自由に採掘することができるそうです。

藤原岳の所有権を持っていて、鉱業権も有するこの会社は、藤原岳を思うままにできるのだといっても過言ではないと思います。
 
この鉱業権を太平洋セメントは隣接する御池岳にも及んで持っているそうです。

小生はふるさと埼玉県の北部、秩父市にある名山、武甲山が石灰岩の山であるためにセメント会社に山を削られて、山頂まで失った姿を見て落胆しました。

藤原岳でもまたいつか、その二の舞を味わうのかと思うと絶望的になります。
いつも楽しませてくれる山に恩返しできる、何か良い方策は無いものでしょうか。

今回はなだらかな県境稜線をのどかな気分で歩いて、白瀬(白船)峠から三重県側に下っていくところです。

頭陀ヶ平 ↓

高圧線の鉄塔が有る頭陀ヶ平に着きます。ここの標高は1143mですから、藤原岳展望丘の標高よりも高いことになります。 山頂には三角点標石も埋め込まれています。
眺めが良いので一回り見渡しましょう。




頭陀ヶ平より霊仙山、伊吹山 ↓

北の方角に霊仙山と伊吹山の姿が見えます。 近場の烏帽子岳も見えています。



頭陀ヶ平より養老の山 ↓

北東の方角には養老山地があります。




頭陀ヶ平より天狗堂 ↓

西の方角には御池岳の尾根が右から迫ってきていて、その左手に天狗堂が見えています。



白瀬(または白船)峠 ↓

頭陀ヶ平をあとにして稜線を下ると、すぐにまた鉄塔の有る裸地に着きます。
そこを下るとすぐに県境尾根は明るい潅木帯となり、二重山稜のような感じの緩い下りの道となり、ほど無く峠路に着きます。
ここを白瀬峠(または白船峠)といいます。
私達はこの峠から右折して三重県側に下ることになります。



まだある落葉の堆積 ↓

道には春だというのに、未だ秋の落ち葉が堆積しています。



エンレイソウ ↓

斜面が崩れた感じになり、そこにエンレイソウが咲いていました。花も葉も実に小さい株でした。




ヤブレガサ ↓

エンレイソウの周囲はヤブレガサの群落でした。ここの群落は見ごたえがありましたね。



ミスミソウ ↓

ヤブレガサの群落を過ぎて沢の大崩れした場所を通過すると、ミスミソウの群生地はすっかり様変わりしていて、ほぼ消滅状態でした。道からそれて山斜面を少し攀じたところでこの花を見つけました。




坂本谷と木和田尾の分岐 ↓

やがて坂本谷と木和田尾の分岐点に来ました。以前は無条件で坂本谷へ下りていきましたが、今はこの坂本谷道は著しい土砂崩れによって通行不可となっています。
分岐を左に取って木和田尾に進みます。



タムシバ ↓

木和田尾の尾根歩きをしてドンドン高度を下げていきます。
左側の潅木帯の先に覚えのあったタムシバの花を見つけました。



中里湖 ↓

木和田尾は中部電力の鉄塔監視路・維持用通路で有るようです。頭上に高圧線を見たり、道の脇に鉄塔があったりします。
鉄塔の基部に来ると、眼下の中里湖が幾分近付いてきたように思えます。
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6 コメント

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難しい問題 (かなこ)
2014-04-21 11:10:05
ぶちょうほうさん今日は。
セメントの為に山は削られセメントの為に瀬戸内海の砂はは30mも採集されて深くなり イカナゴや魚の漁獲高が著しく減ったそうです。

その砂で山陽道や多くのビルや橋が出来たとTVで言っていました。

成長か保存かは本当に難しく 人間は地球を壊しながら生きているのだと思い知らされましたが そのツケはいずれ来るでしょうね。

エンレソいいですね。
ヤブレガサもこのぐらいが可愛いです。
ミスミソウも見納めになるかもしれませんね。
返信する
かなこ様へ (ぶちょうほう)
2014-04-21 11:42:17
かなこ様 こんにちは コメントをありがとうございます。
セメントの採掘と人間の生活環境の向上は共同歩調で進んで来ましたね。
そして、その陰で自然環境は確実に侵食されて来ました。
どちらも大事なことですが、できれば物言わぬ自然に対してもう少し、優しく、穏やかなスピードで進めてて欲しいと思いました。
おそらく世界中何処ででもこのようなことが行われて、最終的には様々な不都合をきたして、人間生活は立ち行かなくなる時期が到来することでしょうね。

でも、山を歩いても感じることですが、経済的・文化的な利益追求も結構なんですが、地球環境に対して何らかの歯止めがあって然るべきだとも思いました。

川の上流でダムを作ると、川から砂が供給されなくなって、海岸沿いの昔ながらの白砂青松の景色が磨り減ってしまうそうですね。
やはり、そういう報いは出てくるものでしたか。
因果応報とは良く言ったものですね。

エンレイソウ・・・・ここのものは随分小型でした。
ヤブレガサも確かにこの時季にこそ、この草らしい特徴が出ますね。
ミスミソウも山崩れで潰滅的な打撃を受けたようです。
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見えた風景 (こりん)
2014-04-21 20:30:16
こんにちは
中里ダム湖のすぐ北はもう岐阜県になるのですね。
養老から見た感じでは、もっと山に阻まれている感じでしたが、こちらから見ると県境の山は低く感じました。

また、鈴鹿山系の山に登ってみたく思っています。

土曜日の山行をUP完了しました。
少し、くどいほどの画像がありますが、ご容赦を。
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木和田尾 (山ちゃん)
2014-04-21 20:53:53
ぶちょうほうさん、今晩は!
今回も、頭陀ヶ平から直接木和田尾に乗られなかったのですね。
白瀬峠から坂本谷の分岐へ下る中間付近が一変してましたでしょう。コグルミ谷と同様に昨年の大雨で被害が遭った所です。
坂本谷も随分様変わりして、昔の面影は全くありませんでしたよ。でも、もう麓の工事が終了しているようですから、ボチボチ解禁されてもいいんじゃないでしょうか?
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こりん様へ (ぶちょうほう)
2014-04-21 21:33:32
こりん様 こんにちは コメントをありがとうございます。
ここからなら岐阜県も近いようですね。
ネットのお友達で岐阜県在住の方が見えますが、岐阜県からこちら側に来たという記事を何度か見ていて、案外近いのだな・・・とは思っていました。

鈴鹿の山には個性的な良い山がたくさんありますね。
でもこりん様や小生のところからではちょっと遠いですね。
三河に良い山が沢山ありますので、そちらにも顔を出さねばなりませんね。

鳳来寺山の記事アップを拝見しました。
もしもコメント投稿時にHPのURLを記入しておいていただけたら、そちらに見に行かれる方もあるかと思います。
アカヤシオが見事でしたね。
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山ちゃん様へ (ぶちょうほう)
2014-04-21 21:49:57
山ちゃん様 こんにちは コメントをありがとうございます。
頭陀ヶ平から木和田尾に直接下りる事は、今回はここに初めて来た方に同行していましたのでそれは止めて、敢えて白船峠まで足を伸ばしました。
峠からのあの下りでは、仰言る様に沢をクロスする部分で酷く様変わりしていましたが、それは昨年も大変貌を見ていましたので折り込み済みでした。
あの付近は20年位前から沢を横切ってすぐに、不安定な道でしたね。
案の定それがごっそりと持って行かれてしまったようです。
あそこに雪が残っていたら厄介そうでしたので、念のためにアイゼンを持参しておきました。

坂本谷道の開通が間近ですか。それは良い話を伺いました。
もう20年位前になりますが小規模の土石流が発生したときに、流されて堆積したゴロ石の上に乗っていたオモトを拾ってきて庭に植えたものが毎年実をつけてくれています。
またそのときに同じく枯れ木の切り株を拾い、持ち帰っていて、その株は床の間に上げています。

その後に大規模の土石流が発生して谷筋の道が埋まりましたね。
いまから10年以上前になりますかね。
大規模土石流発生のその年に一度だけ崩れた後の道を下りに使いましたが、酷い変貌をしていましたね。
懐かしい道をもう一度通りたいものです。
でも、下山点近くにあった大岩の滝水場は確か消滅していましたね。
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