久留百合子の生活者視点

仕事、旅行、日常のちょっとしたことから得た情報、生活者として感じたことなどを綴ってみます。

事業仕分け、いや今年は「事務事業外部評価会議」

2011-09-14 16:06:48 | Weblog
 今年も福岡市で、9月2日、3日、1日半かけて、昨年までの「事業仕分け」、今年は名称が変わって長い名前「福岡市事務事業外部評価会議」として、開催されました。この事業も今年で4回目。今回、国の事業仕分けのイメージがあまり良くないので、ネーミングを変えたとのこと。中身は、初めから予算を削るために廃止を目的としたものではなく、市民に事業をオープンにすること、事業を外部の目で検証することで、4年間目的は変わりません
 2日は午後1時から6時半まで、1班8名の委員(市民2名含む)で評価。3日は、2班に分かれて、1班7人ずつで(市民3名ずつを含む)10時から5時半まで、2班合わせて18事業を評価しました。

 やはり言いやすいので「仕分け」と言います。この仕分けは、まず、各部署からここ2,3年の事業費が500万円以上の事業の中から20%ぐらいを選び出して市の行政改革課に提出します。約300ぐらい出てきます。その中から、議論になりそうな、また市民に係わりのある事業を座長以下3名の委員で25事業まで絞り込む、その25事業が2日間の仕分けにかかる、という流れです。
 今回も25に絞る選定委員会から入らせていただき、毎年のことながら、300事業、約7㎝に及ぶバインダーの書類を見る時から大変な作業の始まりです

 7月に最後の絞り込みの会議を終わり、いよいよ9月の本番です。早くに25事業の資料が送られてき、自分が担当する16事業の勉強をします。中には、施設なども関係するのもあるので、事前に見に行ったりします。予算や内部評価などもしっかり読み込んで臨みます

 2日の午後からと3日の1日中、終わってからの反省会まで入れて、3日は夕方6時過ぎまで、本当にエネルギー使い果たしてヘトヘトになります。しかし毎回おもしろいです。大変勉強になるし、一市民としても興味深い内容です。
 私たちの税金がどのような事業に使われているか、どのような事業の仕方をしているか、今後どうしていくにか、大変関心があります

 1事業40分の持ち時間で、5分担当部署の事業説明、30分議論、最後の5分で評価をします。
 4年になりますが、毎回すべての仕分けが終わった後、次年に向けて、要望を出します。もっと説明を短く要領よくすること、とか、調書の書き方を工夫することなど毎年言っていると、説明は随分要領よくなりました。部署によっては、5分きっちりになるように練習するそうです。(何と言っても5分で途中であろうと説明を切るのですから
 しかし問題は、事業の検証の所。数値目標・目標達成度のアウトプット、アウトカムの捉え方です。確かに目標が定めにくいものもあります。しかし、事業を続けていくか、見直しをするかは、検証をしないと出来ません。その検証の方法を知恵を絞って考えないと・・・
 たとえば、アンケートを取る、市民の意見を取る、多様な意見を聞く、などやっていないのです。何人参加したか、限られた人の「良かった」という声などを書いてお茶を濁している感じがします。

 今回、結構活発な議論になり、結果としては、「再構築」や「要改善」など見直しが19事業、「継続」や「拡充」もあり、すべて見直しを迫ったわけではありません。やはり議論をしてみると、どうしてこのような事業を工夫もせず何年も続けているんだろーと思うものもあります。
 特に今回、新聞にも載っていたのですが、一番印象に残っているのは、「福岡市史編さん事業」。前々市長の時に決まった事業で、毎年1億円。平成35年まで続き、全部で35巻刊行する計画になっています。
 それは、確かに市史をまとめることは悪いことではないでしょうが、この金額、市長が2人も変わっているのに、本当にこれが必要か議論されていないのにびっくりします
 仕分けで議論をしているうちに、だれが読む市史なのか、本にしなくてはいけないのか、100人もの研究者に謝礼や研究費をそんなに払わなくていけないのか、など疑問がたくさん出てきました。委員である大学の先生からは、このような自分の研究に係わることであれば、高い謝礼を払わなくてもやる人はいるのではないか、とか、今大学は研究費がなくて困っているので、こんなに大盤振る舞いの研究費は考えられない、など経験者からの意見も大変参考になりました。
 結局「再構築」の結論が出されましたが、果たして市はどう考えるのでしょうか。すべてではありませんが、このような市民から見れば、「本当にいるの」「市民のための事業なの」と思ううようなものがあります。

 私たちの税金です。もっと市民が関心をもって、目を光らせ、議員さんにもしっかりチェックしてもらうように要望していかなくてはいけませんね