私の町 吉備津

藤井高尚って知っている??今、彼の著書[歌のしるべ]を紹介しております。

続ザシキワラシ

2010-06-21 10:33:06 | Weblog
 まあ随分と暇がありますので、柳田国男のザシキワラシは終わります。この遠野物語の最初に、柳田は、「此話はすべて遠野の人佐々木鏡石君より聞きたり」と書いています。佐々木某と云う名前は初めてでしたので、この人はどんな人だろうかと思い、少々調べてみました。すると彼が書いた「奥州のザシキワラシの話」と云う本があることが分かりました。

 その本に書かれてある佐々木氏のザシキラワシの話を、もう1、2回、くどいようではありますがご紹介します。

 柳田が佐々木鏡石君と紹介した人は佐々木喜善が本名です。彼は遠野を中心とした奥州にいたと伝えられているザシキワラシの話を七十話程紹介しています。
     

 その一つ、一番初めに紹介されているザシキワラシの話です

 「私の村に近い綾織村字日影に、佐吉殿と云う家がある。或時此家で持地の山林の木を売って伐らせたことがある。其為に家の座敷には、福木挽(ふくこびき)と云う濱者と、某という漆掻きの男とが、来て泊っておった。するとどうも毎晩、一人の童子(わらし)が出て来て、布団の上を渡り、又は頭の上に跨って唸されたりするので、気味悪く且うるさくて堪らなかった。漆かきの男は、今夜こそあの童子を取り押さえて打懲らさうと、待ち伏せして居て角力を挑むと、却って見事に童子に打負かされてしまった。其翌夜は同様にして、木挽の福も其者に組伏せられたのである。二人の男は愈驚いて、其次の夜から宿替をしたと云う事である・・・・・」