私の町 吉備津

藤井高尚って知っている??今、彼の著書[歌のしるべ]を紹介しております。

「包丁かけた」と鳴くホトトギスー遠野物語より

2010-06-28 18:32:51 | Weblog
 一昨日、吉備津神社で夏祭りについての相談会が行われました。一時間程度で、その話し合いの会議は終わり、参集殿から外に出ます。来る時は降ってはいなかったのですが、帰るときには、降りみ降らずみの柔らかな五月雨が神社のお屋根や後ろの中山の木立を心よさそうに濡らしていました。
 傘を持っていかなかったので「五月雨に 濡れけり宮の みどり陰」よろしく、ゆっくりとその日、頂いた夏祭りの書類をかざしながら、そぼふる六月の五月雨を楽しみました。
 その時、突然、神社の木立にいたのでしょうか、ホトトギスが「テッペンカケタカ」と2、3回激しく鳴木ます、「五月雨に テッペンカケタカ 声ばかり」よろしく、その姿は、夏木立が吸い込まれたように見せません。

 吉備の中山辺りで、この頃、暁時には、何時も時鳥が遠くからその鳴き声を響かせながら通り過ぎています。でも、こんなに近く頭のすぐ上で鳴くのを聞いたのは初めてです。五月雨に打たれるのも、又、こんなに、おつなもんかと、思いながら、かざした書類を下におろしながら、とっぷりと五月雨を楽しむように、「雨とホトトギスの歌はあったかな」と思いながらに、「もう一度 雨に鳴き飛べ ホトトギス」とばかりに、吉備津神社を取り巻く吉備の中山の夏木立を仰ぎ仰ぎ帰路に着きました。
 家に帰ると、早速、神さんに
 「梅雨の最中に傘ももたずに。・・・・此の雨の中を何処をうろついているの。」
 と、こっぴどくお小言を頂戴したのは当然のことですが。


  五月雨に もの思ひをれば ほととぎす
            夜深く鳴きて いづち行くらむ
 夜ではないのですが、お小言を頂戴しながら、私はこんな句を思い浮かべて、にたりとしました。

 なお、此の時鳥の鳴き方ですが、今までに私が耳にした鳴き方は、「テッピンカケタカ」「トッキョキョカキョク」とばかりに思っていたのですが、それが、例の「遠野物語」の中では「包丁かけた」と鳴いたり、「どちゃへ飛んでた」と鳴いたりするという例が出ています。(五三)。
 それぞれの地方独特の鳴き声があったはずです、吉備にも吉備のと思うのですが、まだ吉備地方独特の鳴き方には、調べているのですが、出くわしたことがありません。