私の町 吉備津

藤井高尚って知っている??今、彼の著書[歌のしるべ]を紹介しております。

常山紀談に書かれた歴史的人物

2010-06-06 18:30:35 | Weblog
 「常山紀談」に取り上げられた吉備の国の武将の最初は宇喜多直家についてです。

 直家の祖父和泉能家は、ある時、自分が仕えていた主君浦上氏の長臣に殺害されます。この能家の子は興家がいましたが、この子は愚鈍で、乞食にもなったりして諸国を放浪したこともあるようです。こんな興家を見て、父のかっての友人が気の毒がって、その下女と見合わせて結婚させ、3人の息子が出来ます。その一人が直家なのです。
 この直家は物静かなる賢明な子供でしたが、11歳になった時、突然に馬鹿になたのだそうです。その母は、どうして突然こんな子になったのだろうかと怪しみ、激しく悲しみました。
 人並なら殿の草履取りにでもさせればと思っていたのですが、こんな有様を、唯、悲しむだけでした。
 あまりにも母親の悲しみぶりを見た直家は、母の側近くに参り、
 「誰にも語りたまうな」
 と、次のような話をしたのだそうです。
 「おじい様が暗殺した者は島村と言う武将です。そのかたきを、是非、打ちたい。此の島村がもし自分が賢い子であると言う事を知れば、すぐ、自分を殺してしまうでしょう。だから、自分は馬鹿な真似ごとをしているのだ」
 と。
 その後、直家は祖父の仇島村を見事打ちとります。