私の町 吉備津

藤井高尚って知っている??今、彼の著書[歌のしるべ]を紹介しております。

鮎を食べました

2008-08-26 11:29:41 | Weblog
 昨日、備中高松にある栗原鮮魚店から、高梁川の天然の鮎が入荷したと言う電話を頂きました。
 早速車を走られます。やや小振りの鮎(15,6cmぐらい)でしたが、天然物です。この4,5年、久しく口にすることがなかった鮎です。香魚の別名を持つ鮎が10匹ほど、懐かしい苔の香を匂い立たせて並んでいます。その中大き目のものを3匹いただいて帰ります。
 早速、山から串にする竹を切り出してきます。この鮎用の竹串作りにも一定の決まりがあります。竹の節の部分を7:3に切り落として串を作るのです。勿論、3の部分は焼きあがった時に手に持つ部分です。7に鮎を刺し付けます。その串刺しした鮎の尾びれの方から手の平に載せた塩を鱗の間にこすり付けます。竹串の白と青が鮎の薄緑色と存分にマッチします。出来上がった串刺しの鮎を、どんなに色の器であっても構いません、白でも青でも黒であってもあっても。薄いお皿に串に使った竹の葉を3,4枚付けた小枝をつけ添えます。たまらない美しい絵模様が作り出されて、まず焼く前の一時を目で十分に楽しみます。このお皿の上に並んだ串刺しさてた鮎をより一層美しく見せるためになされている工夫があります。串に刺す鮎の形です。私の生まれた高梁川が直ぐ側を流れている美袋あたりでは、テレビの料理番組に出てくるような鮎の腹が波打つようなような無粋としか言いようの無いようなグロテスクな刺し方ではありません。背骨に沿って、将に急な瀬を勢いよく流れ登っている生きた鮎そのものの姿に刺し込みます。ちょっとこの形に整えるには熟練が要るのですが。そうして用意が出来た鮎を今度は焼きます。炭火が最適なのですが、今日は簡単にガスコンロを使いました。炭火の方が美味しくしかも美しく焼きあがると言う事は科学的にも実証されているそうです。この「簡単」という一語が料理を一番だめにすると言うことは分っているのですが。
 こんがりと適当に焦げ目の付いた焼きあがった鮎の姿は下に敷いた竹の葉っぱの緑と調和しあって、焼く前の串刺しとは又違った美しさを味わうことが出来ます。一口焼きあがった、まだ熱々の鮎の真ん中部分にかぶりつきます。ぷんと何ともいえない香と一緒にはらわたの苦さと身の美味しさが口の中に広がります。その後に飲むグラスに入ったビールの美味さは何に例えられるでしょうか、他の魚では決して味わえない黄金色のおいしさです。
 こんな美しい真夏の夜の夢を、栗原さんの御陰で、今年は味わう事が出来ました。最高の夏です。
 なお、10年もそれ以上も口に出来なかった鮎のはらわたの「うるか」も作りました。二週間後を楽しみにしています。これまたビールとよく合います。