私の町 吉備津

藤井高尚って知っている??今、彼の著書[歌のしるべ]を紹介しております。

木堂展ー小さな私の博物館

2008-05-16 08:12:08 | Weblog
 昨日は5・15事件の記念日でした。
その記念として、毎年ささやかですが、小さなギャラリーを開いています。
   
 展示するものは毎年同じものですが、ただ生ける花だけが違っています。今年はバラを生けてみました。
 まず、木堂の書(掛け軸)です。
            
 志が正しければ、誰も人の家に軍靴のまま上がりこんで、「問答無用」と拳銃で人を殺害するといった、よこしまな考え方はしないという意味だそうです。5・15事件の首謀者に見せてやりたい書です。でも、首謀者の三上、黒岩等がこの書を、もし、見ていたとしても結果は同じことだっただろうとは思いますが。
 次も、これも木堂の書(色紙)です。この書は、木堂が暗殺される最直前に書かれたといわれております。1932年5月15日の書であると思います、木堂最後の書だとも聞いています。「慈悲」という言葉とともに、私のとっておきの宝物でもあります。
         
 それから3番目が、満州事変で実際に使われた砲弾の弾頭です。平和裏に戦争終結へと導くために、木堂をして一番悩ませた戦争器具なのです。これまた貴重な歴史的なものなのです。
        
 最後に、リットン卿の、国際連盟に対する満州事変の報告書です。日本軍の不正を列挙しています、この報告書により、日本は世界各国から非難され、ついに、国際連盟から脱退しています。この報告書が出来たのは、木堂暗殺から、わずか5ヵ月後の1932年10月でした。
        

 もし、この報告書を見たら、その後の日本を木堂はどのように導いたでしょうか。「慈悲」という色紙は何も語ってくれません。
 その後の日本は、毬が坂道を転がるように、一直線に戦争へと進んでいったのでした。
 
 そんな思いの中に、こんな博物館を、毎年、開いては、一人で日本の歴史を思いながら、楽しんでいます。