私の町 吉備津

藤井高尚って知っている??今、彼の著書[歌のしるべ]を紹介しております。

出た出た月が

2007-09-27 18:44:22 | Weblog
 「まあるい まあるい まんまるい ぼおんのような つきが」
 子供の頃に、かって口ずさんだ歌は、何時までたっても、何かの折に、ふと口をついて出てきます。本当に、人とは不思議なものですね。
 この前の中秋の名月の日に、孫と一緒にススキなど秋の草花を近所の川原へ採りに行きました。夕陽が山の端に落ちて、真っ赤な夕焼けが西山の空一杯に広がっています。
 5時過ぎの新幹線が猛スピードで、東へ通り過ぎていきます。その通り過ぎて行った向こうに、なんと、早、お月様が、昼の明るさに遠慮しているかのように、ほんのりと、まんまる顔を東山の上に覗かせているではありませんか。
 そんなお月様に向かって、田圃道を保育園の孫と一緒に自転車を踏みます。そのときふと口を付いてでてきたのが、この「ぼおんのような つきが」です。
 「可笑しいな。満月にしては、少々早く出過ぎでは」と思いながら、口ずさみます。孫は黙って、ただ自転車をこいでいます。じいちゃんの歌が耳に入っているのか、いないのか。でも、満月を見ながらゆっくりとこいでいます。
 「ぼおんのような つきがでているよ。まんまるじゃろうが」と問いかけてみました。孫は相変わらず、その月を見ながら黙って自転車をこぎます。青いヘルメットをつけた頭をぽつんとかがめます。
 私は、また、ゆっくりと「出た出た月が・・・」と、得意顔で口ずさみます。孫が聞いていようがいまいが。
 なお熟れかけた稲穂を一杯に垂下げしている野道を行けば、青空が、驚くほど突然に灰色に打ち変わります。振り向けば、西山一杯に広がっていたあの大きな夕焼け空が消えています。その赤の消え去るほんの一瞬、空は灰色に覆われます。そうして、今度は、お月様が明るさを段々とましていきます。そんな空やお月様の変化を、孫に説明しながらゆっくりゆっくりと自転車をこぎます。
 更に自転車をこいでいくと、空の灰色が次第に今度は、黒に変っていきます。すると、益々お月様は明るく輝きだします。そんなお月様を見ながらの孫との時間です。これって、じい様の少々のでしゃばりかなとも思いながら。

 なお、後から暦を見ますと、今年の8月15日「中秋の名月の日」は、月齢13日で、本当の満月は、2日後の27日だということでした。それで少々月の出の時が早かったのか、と、納得しました。

 今夜が、その「まん丸月」の夜なのです。又、お宮さんに詣でてみようかとも思っています。

今6時30分一寸過ぎました。吉備の中山の峰の一つの竜王のお山越しに、それこそ満月が登ってきました。今宵の月はやや薄雲がかっています。