私の町 吉備津

藤井高尚って知っている??今、彼の著書[歌のしるべ]を紹介しております。

京都の景観条例

2007-09-04 15:19:17 | Weblog
 昨夜でしたか、京都府では、市街の景観を守るとかで、新たに景観条例が作られたと、ニュースに報じられていました。
 神社やお寺の屋根より高いマンションなどは作らせない、広告塔も制限されるとのことです。それと庇の長さも新たに決められたということでした。
 この欄で一度、近代の建築には、庇がないから、子供達のいじめも増えるのではと書きましたが、やっぱり日本の美しさは庇なしでは考えられません、『暑さを旨とすべし』とは兼好法師の言葉ですが,日本の気候風土にあった建物は、この庇なしでは語られないのでしょう。
 また、かみのま(奥の間)、しものま・障子・からかみ・たたみ・天井・床の間・違い棚・格子窓・ぬれ縁なども日本的な雰囲気を味わう事が出来る日本建築の特色だと思われますが、そんなものを排除した近代建築が、規格品という工法のため、地方色のない、全国どこでも同じの家ばかりになっています。
 広い庇、砌、坪庭などといった日本的な家が、段々と少なくなっている現状を、なんだか寂しい気持ちで眺めていました。が、この京都の景観条例をみて、さすが京都だなと、うれしい気分になりました。
 日本的情緒は、なんだか知らないが、はっきりと言葉にあらわせられないのですが、ある種の安心感を日本人に与えてくれるようです。
 吉備津神社にも、この頃、若い人が沢山お参りしている姿を見受けることが出来ます。どうしてだろうかなと思うのですが、このお宮さんが持っている日本的な美しさに惹かれるからではないでしょうか。ビルディングに囲まれている生活の中、時には、このような日本的情緒の中に浸ることによって、彼らのはじけそうな現代社会が持つ心騒ぎを癒してくれているのではと、思ったりもしています。
 「このお宮さんに来ると、何かしらないのですが、心を落ち着けてくれる風情があります。時々、ちょっとお参りしようかなという気分になるのです。拝殿の長押の雄大さにも心を打たれます」
 と、ある若者は話していました。