花のたより☆山のふみ~青森県立名久井農業高等学校~

農業と環境の研究グループ「チームフローラフォトニクス」と弟分である「ハンターズ」の取組みを紹介します!

夏が来る前に

2024年05月21日 | 環境システム科
FLORA HUNTERSが間借りしている大型水耕温室。
トマトがメインで栽培されていますが、その脇でご覧のようにイチゴが実をつけています。
こちらは環境システム科の養液栽培研究班のもの。かつては施設園芸班という名称でした。
しかし名前が変わっても、今も昔も環境システム科のメインである養液栽培を
牽引するプロフェッショナル研究集団であることにはかわりありません。
彼らはこの温室でイチゴや野菜の水耕や固定培地栽培に取り組んでいますが
この他にもイチゴの立体栽培温室も所有しています。
いろいろな課題に興味をもち、ちょこちょこ目移りするFLORAとはわけが違う
まさに環境システム科の王道をいく研究班です。
ところでこの彼らのイチゴ、先日校内販売が行われました。
小規模栽培なので大量には販売しませんが、嬉しそうに2パックを手に入れた
男子名農生を目にしました。美味しいのは男女関係なし。ぜひ家族でご賞味ください。
さてこの大型水耕温室の主役はトマト。今年から経済栽培が始まりました。
売り上げは青森県に納入することになるので、邪魔するわけにはいきません。
レタスもスイスチャードも収穫されたFLORAのミスト栽培。
そろそろ明け渡す時期が近づいています。
予定では追い出される6月下旬までにもう一度レタスを栽培し
実用化を果たした証明に販売したいと思っています。
でも暑さに弱いレタス。ちょっと厳しいかもしれません。
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ロータス効果

2024年05月21日 | 研究
ここにあるのはサトイモの苗です。FLORAが調達したものですが、
サトイモ栽培をしようというのではありません。
ご存知のとおり、サトイモの葉はハスと同じように水を弾きます。
これは葉に小さな突起物が無数にあるため、
水を弾いているからでロータス(ハス)効果と呼ばれています。
FLORAとロータス効果ですぐ思い出すのはLED信号機研究。
冬になると信号機に着雪する北国ですが、LEDは従来のライトと違い
熱を出しません。LEDは節電になりますが、雪が溶けなくなり
信号機が見えにくくなるという問題があります。
ロータス効果を応用して雪の付着を抑制しようと取り組んだFLORA。
途中から北国向きLED信号機開発の特設チームにバトンを渡し
研究してもらいましたが、なかなか難しいものでした。
最後は微弱電流でレンズ部を温めるスタイルで数年前に研究は完結しました。
さてサトイモを手に入れたFLORA。
信号機研究ではなく、農薬散布研究のために用意されたものです。
ネギやブロッコリー、サトイモなどは水を弾くため
農薬が付着しないという問題点があります。
無農薬がいいといっても、ネギでは茎葉部分を食べます。
病気だらけでは皆さん嫌なはずです。そこで必要になるのが展着剤。
糊のように葉にくっつける薬剤です。でも化学薬品を気にされる方も多くなっています。
そこで今年の2年生FLORAが考案中なのが展着剤を使わない散布法。
展着剤を使わず、代用の100%天然成分でネギなどに散布しようという試みなのです。
予備試験も終わったのでこれから実用化試験。まずはサトイモが呼ばれたようです。
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