花のたより☆山のふみ~青森県立名久井農業高等学校~

農業と環境の研究グループ「チームフローラフォトニクス」と弟分である「ハンターズ」の取組みを紹介します!

落ちたリンゴ

2024年01月07日 | 学校
元旦に発生した能登地方の大地震。東日本大震災で余震はもちろん
停電、水やガソリン不足で困ったことを思い出しました。
被災地の皆様の安全と一日も早い復興をお祈りしています。
さてFLORAは現在、冬休み中。そこでFLORAが記録している
古い震災写真を紹介します。これはショッキングな画像。
たくさんの赤というより白いリンゴの山です。
この写真が撮影されたのは平成23年9月。
実は台風15号が馬淵川流域を襲ったのです。
特に多く降ったのは岩手県の安比方面。
この岩手に降った雨が馬淵川の増水に繋がり
下流の青森県南部町周辺の市町村で氾濫したのです。
水がひくと第1農場は泥でいたるところ真っ白。
消毒と復旧作業が始まりました。
一番辛かったのは農産物の廃棄。これは捨てられたリンゴです。
落ちたリンゴはもちろん、落ちないリンゴもすべて廃棄しなければなりません。
なぜなら数時間とはいえ呼吸ができなかった果実は徐々に腐敗するからです。
1年かけて育ててきたリンゴを廃棄するのは辛い作業でした。
復旧には1ヶ月以上かかったためFLORAも活動を休み、
課題研究になると第1農場に出向き復旧のお手伝いをしたものです。
最近は大雨でも氾濫を免れている名農。今年も水害のないことを祈ります。
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危険察知能力

2024年01月07日 | 学校
リンゴに大きな被害を及ぼした台風15号。
実は第1農場はこんな状況になっていたのです。
まだ屋根が見えていますが、この建物は屋根裏が物置になっているため
普通よりも屋根が高い特殊な作り。見た目以上に水は深いのです。
水がひけた後、測ってみると水深は約3mありました。
昔からこの地域では、10年に1度水害はやってくるといわれていました。
しかしこのところ、気候変動が影響しているのか
間隔が早まっているような気がします。
かつて名農気象班はこの第1農場を本拠地として活動していました。
まだPCもない頃、台風が近づくと船舶無線などを駆使して
逐一天気図を確認しながら岩手県の雨量を推測。
そして大雨になっているわかったら、気象庁よりも早く水害を予告。
わずか数時間ですが誰よりも早く危険を察知できたおかげで
第1農場から農機具を避難させることができ何度も危機を救いました。
このように氾濫すると大被害を起こす馬淵川ですが
そのおかげで第1農場は肥沃な農地となってます。
昨年、名農に新しい気象観測システムが導入されたそうです。
データの公開を楽しみにしています。
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