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花のたより☆山のふみ~青森県立名久井農業高等学校~

農業と環境の研究グループ「チームフローラフォトニクス」と弟分である「ハンターズ」の取組みを紹介します!

ライトマジックショウ

2018年10月05日 | 研究
短日植物の代名詞であるキクが蕾をつけています。
キクを見ると思い出す実験があります。
まだ結成して間もない頃ですが
チームは理化学研究所のご協力で
植物ホルモンのブラシのステロイドの生成阻害剤
「ブラシナゾール(Brz)」の利用研究を数年間行いました。
この薬剤を散布された植物は葉が濃くなりわい化するという
まるで光を十分感じているかのような振る舞いをします。
そこでチームが行ったのがBrzを散布したら
短日植物のキクがもしかして光を感じ
開花時期が遅れるのではないかという実験。
2年行いましたがなんと1週間から10日遅らせることに成功しました。
チームが光魔法と呼んだこの農業技術は話題となり
いろいろな発表会で受賞したことを思い出します。
しかしこの後、東日本大震災が発生し
これらの研究は一旦休止してサクラソウ救出に向かいます。
今考えるとBrzでまだまだ面白い実験ができそうな気がします。
さて本日の新聞に、チームの観光甲子園の成果が紹介されています。
2人がストックホルムで悪戦苦闘している間、
日本の残ったメンバーも大活躍していました。
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土壌・肥料・病害虫・農薬?

2018年10月05日 | 研究
チームの3年生が発表練習をしています。
ここは1階にある土肥実験室。
つまり本来であれば土壌肥料の実験を行う実験室ですが
現在、ここで土や肥料の実験をする人はほとんどいません。
今から30年以上も前、農業高校で教える科目は
当然ながら現在のものとは違っていました。
「土・肥料」「作物保護」など農業には欠かせない土壌や病害虫、
そして農薬や肥料などを扱う科目、さらにこれらが統合されてできた「栽培環境」。
いずれも内容が難しくきちんと勉強しないと教えることができず苦労しました。
ところが今、このような栽培に関わる環境要素を抜き出した科目は
いつの間にかなくなってしまいました。
そして学習内容はもっと大きなくくりで考える科目「農業科学基礎」に吸収され、
そして現在は「農業と環境」という科目などで扱うようになりました。
10年ほど前、縁あって数年間、文科省の学習指導要領作成の委員となり
科目「農業と環境」の立ち上げに関わりました。
その際、栽培や飼育の実習では栽培環境や飼育環境、さらに地球環境などと
関連付けて教えて欲しいとのメッセージを込めて製作した思い出があります。
しかし科目の統廃合という理由で農業にとって重要な要素である土壌や肥料、
病害虫や農薬などが昔のように丁寧に教えられない現状に不安を感じたものです。
担当する科目の関係もありますが、残念ながらこの何十年、
土壌、肥料、農薬についてじっくり教えたことがありません。
まもなく新しい学習指導要領がスタートします。
どのような科目構成であれ、農業高校生には
これらの栽培や飼育環境をきちんと教えるべきだと考えます。
先生の中には、とても良い参考書だと
昔の栽培環境の教科書を今も大切に使っている方がたくさんいます。
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