9月25日、「野生復帰」させるためにトキが放鳥された。以来2カ月半。1羽はその日から行方不明になったままだ。メスの1羽は佐渡海峡を越えて本土に飛来、越冬できるかどうか気をもませている。10分の8が健在なら好成績ではないか。でも、「野生復帰」とやらを唱える人たちにはこれでも不満らしい。
《 トキの放鳥後初めての「トキ野生復帰専門家会合」(座長・山岸哲山階鳥類研究所長)が8日、東京都内で開かれる。佐渡市で試験放鳥された10羽のうち1羽が日本海を隔てた関川村で確認されるなど想定外の事態も発生。今後は降雪による餌不足も懸念される。会合では、学者ら鳥類の専門家が餌不足でトキが衰弱した場合の対応を議論。保護のタイミングなど、どの段階で人が介入すればいいのかを中心に話し合う。
放鳥されたトキは現在、8羽が佐渡市、1羽が関川村で確認され、残り1羽は放鳥以降、一度も確認されていない。環境省佐渡自然保護官事務所の岩浅有記自然保護官は「(佐渡の)8羽を中心にモニタリングはできており、おおむね順調」と総括する。
だが、県内もこれからが冬本番。心配されるのが、降雪によってドジョウやカエル、昆虫などトキの餌となる生物の不足と、餌不足によるトキの衰弱だ。
専門家会合ではこれまで、厳冬期で極端にやせるなど餌不足と判断される場合、利用頻度の高い餌場にドジョウを放流するなどの緊急的給餌を行う方針を確認している。しかし、トキが餌場を求めて飛び回ることも考えられ、給餌を行うタイミングや、どの程度衰弱したら捕獲するのかといった難しい判断に迫られる》=3日 新潟日報web=。
一体この人たちは何を考えているんだろう。野鳥が餌に悩まされるのは当たり前だ。むしろ、鳥たちは餌を獲るために生きているといってもいい。それができないなら死を待つしかない。それなのに、弱った様子が見えたら給餌するという。放鳥した鳥と飼育舎にいる鳥の区別がついていないというしかない。
放鳥は「野生復帰」のためだろう。あらゆるケースがこれからの教材だ。余計な手を出せば、客観的なデータが失われてしまう。それぐらいの判断ができないで、よくも「野生復帰」などといえたものだ。
行方不明の1羽は、とっくにテンに襲われて死んでいる。これは佐渡現地では半ば公然の秘密らしい。でも、「放鳥のトキは死んでいた」という衝撃に耐えられなくて公表を控えているのだという。
トキの消息は国民的関心事である。万一死なせたなどということになったら、責任問題になる。環境省や新潟県、佐渡市の当局はそう考えているのだろう。大事にしたいのはトキなのか、自分の立場なのか。
《トキ野生復帰専門家会合の座長を務める山岸哲山階鳥類研究所長「個人的にはぎりぎりまで自然に任せたいが、違う考えもあるだろう。(どの時点で介入するかは)慎重な判断が必要だ」と話す》=新潟日報web=。
山階の所長は一応筋の通ったことを述べている。「違う考え」の人とは誰のことを指しているのか興味深い。
放鳥した以上、介入すべきではない。そんなにトキの命が大事なら放鳥などしないことだ。しょせん中国トキ、「野生復帰」などということ自体、不自然なのだ。
《 トキの放鳥後初めての「トキ野生復帰専門家会合」(座長・山岸哲山階鳥類研究所長)が8日、東京都内で開かれる。佐渡市で試験放鳥された10羽のうち1羽が日本海を隔てた関川村で確認されるなど想定外の事態も発生。今後は降雪による餌不足も懸念される。会合では、学者ら鳥類の専門家が餌不足でトキが衰弱した場合の対応を議論。保護のタイミングなど、どの段階で人が介入すればいいのかを中心に話し合う。
放鳥されたトキは現在、8羽が佐渡市、1羽が関川村で確認され、残り1羽は放鳥以降、一度も確認されていない。環境省佐渡自然保護官事務所の岩浅有記自然保護官は「(佐渡の)8羽を中心にモニタリングはできており、おおむね順調」と総括する。
だが、県内もこれからが冬本番。心配されるのが、降雪によってドジョウやカエル、昆虫などトキの餌となる生物の不足と、餌不足によるトキの衰弱だ。
専門家会合ではこれまで、厳冬期で極端にやせるなど餌不足と判断される場合、利用頻度の高い餌場にドジョウを放流するなどの緊急的給餌を行う方針を確認している。しかし、トキが餌場を求めて飛び回ることも考えられ、給餌を行うタイミングや、どの程度衰弱したら捕獲するのかといった難しい判断に迫られる》=3日 新潟日報web=。
一体この人たちは何を考えているんだろう。野鳥が餌に悩まされるのは当たり前だ。むしろ、鳥たちは餌を獲るために生きているといってもいい。それができないなら死を待つしかない。それなのに、弱った様子が見えたら給餌するという。放鳥した鳥と飼育舎にいる鳥の区別がついていないというしかない。
放鳥は「野生復帰」のためだろう。あらゆるケースがこれからの教材だ。余計な手を出せば、客観的なデータが失われてしまう。それぐらいの判断ができないで、よくも「野生復帰」などといえたものだ。
行方不明の1羽は、とっくにテンに襲われて死んでいる。これは佐渡現地では半ば公然の秘密らしい。でも、「放鳥のトキは死んでいた」という衝撃に耐えられなくて公表を控えているのだという。
トキの消息は国民的関心事である。万一死なせたなどということになったら、責任問題になる。環境省や新潟県、佐渡市の当局はそう考えているのだろう。大事にしたいのはトキなのか、自分の立場なのか。
《トキ野生復帰専門家会合の座長を務める山岸哲山階鳥類研究所長「個人的にはぎりぎりまで自然に任せたいが、違う考えもあるだろう。(どの時点で介入するかは)慎重な判断が必要だ」と話す》=新潟日報web=。
山階の所長は一応筋の通ったことを述べている。「違う考え」の人とは誰のことを指しているのか興味深い。
放鳥した以上、介入すべきではない。そんなにトキの命が大事なら放鳥などしないことだ。しょせん中国トキ、「野生復帰」などということ自体、不自然なのだ。