酔眼独語 

時事問題を中心に、政治、経済、文化、スポーツ、環境問題など今日的なテーマについて語る。
 

最速ボルトに異変?

2012-06-30 11:05:32 | Weblog
 ロンドン五輪の出場権をかけた陸上のジャマイカ選手権男子100メートルで、ウサイン・ボルトがトレーニングパートナーのヨハン・ブレークに完敗した。「ロンドンでは9秒5を切って勝ちたい」と胸を張っていた人類史上最速の男に何が起きているのか。


 ≪陸上のジャマイカ選手権第2日は29日、キングストンで男子100メートル決勝が行われ、昨夏の世界選手権王者のヨハン・ブレークが世界歴代4位の9秒75で制した。

 世界記録保持者のウサイン・ボルトは9秒86で2位に終わった。フライング失格を除き、ボルトが100メートルで敗れたのは2010年8月以来2年ぶり。3位はアサファ・パウエルで9秒88。女子100メートル決勝は、北京五輪女王のシェリーアン・フレーザープライスが今季世界最高の10秒70で優勝。今大会はロンドン五輪選考会を兼ねており、3位までの五輪出場が確実となった≫=読売ONLINE=。


 ボルトはかつてのカール・ルイス同様、いまや走る宣伝塔だ。あまりに“成功”しすぎたため国民の反感を買っているらしい。スポニチは次のように書いている。

 ≪準決勝からトラブルを排除するのが大変だった。でも“諦めないぞ”という気持ちだけは抱き続けた」。異変はスタート付近で起こった。詳細は不明だが、スタンドからのヤジが気になったのかもしれない。年収2030万ドル(約16億円)でフォーブス誌のスポーツ長者番付で63位にランクされた自称・伝説の男にとっては信じ難い雰囲気。しかしそれが今のボルトを象徴している。

 北京五輪には幼なじみの恋人が観客席にいたが、すでに破局。以後、ウエートレス、豊満なバストで有名なタレントらと浮名を流した。7カ月前からはスロバキア出身の28歳の美人デザイナーと交際。ところが5月にこの女性とも別れ、ジャマイカ国民からは「いいかげんすぎる」と手厳しい“レッドカード”を突きつけられていた。さらに今月に入って自身2度目の自動車事故を起こし、警察に無断で現場を立ち去ったことで「特別扱いするな!」とバッシングはさらに広がった≫。

 ボルトや女子短距離のウェザー・プライスらは片田舎や貧民街の出身だ。裸一貫で世界の頂点へと駆け上がっていく姿は成功物語そのものだ。当然、羨望ややっかみも引き受けなくてはならない。日本でお笑い芸人多たちが身から出たさびでつまづいているのと構造は同じだろう。

 で、ボルトの五輪はどうなる。国内ではヒールだったが、ロンドンでは違う。気分よく走れさえすれば100、200とも金は堅いとみる。タイソン・ゲイやブレークは9秒70までは可能だろうが、そこが限界だ。100のゴールラインではボルトが体二つほど前にいるのではないか。
 
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「なでしこ」に良薬

2012-06-19 06:12:57 | Weblog
 ロンドン五輪女子サッカーの帰趨を占う日―米戦はアメリカが4-1で圧勝した。

 ≪【ハルムスタード(スウェーデン)=畔川吉永】日本女子代表(なでしこジャパン)は18日、スウェーデンでの国際招待大会で米国と対戦、1―4で完敗した。


 日本は米国の速さとパワーに押され、序盤に2点を失った。後半にも2点を追加され、反撃は26分に永里優が頭で決めた1点にとどまった。米国は、3―1で勝ったスウェーデン戦に続く連勝≫=読売ONLINE=。

 めまいの症状で3か月以上戦列を離れていた沢穂希の復帰戦としても注目されたが、チームも沢も良いところはほとんど出せずじまいだった。「ロンドンの金に黄信号」などの見方もあるが、メダルに手がかかれば上出来というのが日本の実力だろう。過剰な期待が多少でもしぼめばむしろ好都合だ。

 スピード、強さ、高さ、すべての面でアメリカが上回っていた。モーガンなどには2人付いていても簡単に振り切られシュートまで持って行かれていた。ボールへ寄せる第1歩で負けていては勝負にならない。

 アメリカとの力の差は佐々木監督も認めるところだ。「これで選手の目が覚める」―内心ではそう思っているかもしれない。自分たちの力を正確に把握し、相手との間合いを決めるのが勝負事の鉄則だ。古人曰く「敵を知り己を知らば百戦危うからず」である。

 まあしかし、自分たちが弱い、下手とはだれも認めたがらない。叩きのめされて分かるのだ。その意味で1-4の完敗はよかった。ただ、次のスウェーデン戦も完敗するようだと、自信喪失ともなりかねない。ここらあたりが難しい。
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ニュースの陰ひなた

2012-06-16 06:21:07 | Weblog
 14日から「号外・ニュースフラッシュ」級の出来事が続いている。「6歳未満児童に初の脳死判定」「オウム高橋克也逮捕」「民自公、増税一体改革で合意」の豪華三本立てだ。

 メディアの扱いはおおむね高橋逮捕>6歳未満脳死>3党合意である。15日夜のtvニュースは高橋逮捕に3分の一以上を費やしている。視聴者本位つまり人気取りが第一のメディアなら当然そういう選択となろう。しかし、問題の大きさからいえば、話は違ってくる。

 「子供の脳死」には納得がいかない。本人が拒否していなければ家族の承諾で臓器を提供できるとしている法律そのものがおかしい。幼児があらかじめ脳死や脳死後の移植について意見を述べているはずがない。脳死移植を進めたいという思惑だけが先行して、法律の詰めが甘くなったとしか思えない。

 脳死を伝える記事やニュースも分かりにくい。「低酸素脳症の男児」としているが、なぜ低酸素脳に陥ったかについては触れていない。6歳未満とは何歳なのか。先天性の低酸素脳症なら、提供できるような臓器は育たないのではないか。生まれてから数年間それなりに暮していたが、何かの原因があって、脳に酸素(血流)がいかなくなった―こう考えるのが自然だろう。「両肺と膵臓、小腸は医学的理由などで移植は断念された」(共同)の記述も見える。ドナーについての情報を秘匿しすぎると、不信感が募ってしまう。

 大ニュース3連発で喜んでいる?のは民自公3党首脳だろう。年金・医療は棚上げし、増税だけを丸く収める、しかも国民の目に触れにくいように。この目論見がぴったりはまった格好だ。メディアはそれなりに扱っているものの、特大の白抜きカットが伝える「高橋逮捕」の迫力の前にはさっぱりである。

 いきなり話がそれるが、4~5年前、出場停止を食らってモンゴルに帰国していた朝青龍が「謹慎明け会見」をした際、ボクシングの亀田大毅が謝罪会見をぶつけてきたことがあった。

 警察が3党合意の期限に合わせて高橋を逮捕したなどと言うことはあり得ないだろうが、「大事件」勃発で相対的に扱いが小さくなって得をしたというケースはよくある。1面に大見出しの躍るときほど、小さな記事に目を凝らしたい。

 それにしても、オウムの幹部でもない高橋や菊池た捕まったことに、ここまで大騒ぎする必要はあるまい。
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陸上の日本代表決まる

2012-06-12 04:41:41 | Weblog
 ロンドン五輪まであと50日弱、出場を懸けた戦いもいよいよ大詰めだ。中でも注目は陸上競技。8-10日に大阪長居競技場で行われた日本選手権は、見どころが多かった。その後開かれた陸連の理事会で、五輪代表が以下のように決まった。健闘を期待しよう。

 ≪日本陸上競技連盟は11日、大阪市内で理事会を開き、ロンドン五輪代表に、男子やり投げで2009年世界選手権銅メダリストの村上幸史(32)=スズキ浜松AC=や女子長距離の福士加代子(30)=ワコール=らを新たに選んだ。

 陸上代表は39人(男子25、女子14)となった。村上と福士は3大会連続の五輪代表。

 五輪参加標準記録A(A標準)の突破者で10日までの日本選手権で優勝し、自動的に代表に決まった男子やり投げのディーン元気(20)=早大=ら10人も正式承認した。

 マラソンを除くロンドン五輪代表は次の通り。

 【男子】短距離 ○江里口匡史(23)=大阪ガス、山県亮太(20)=慶大、○高瀬慧(23)=富士通、飯塚翔太(20)=中大、高平慎士(27)=富士通、○金丸祐三(24)=大塚製薬▽中距離 横田真人(24)=富士通▽長距離 佐藤悠基(25)=日清食品グループ▽障害 ○岸本鷹幸(22)=法大、中村明彦(21)=中京大、舘野哲也(20)=中大▽競歩 ☆鈴木雄介(24)=富士通、藤沢勇(24)=ALSOK、西塔拓己(19)=東洋大、☆森岡紘一朗(27)=富士通、○山崎勇喜(28)=自衛隊、谷井孝行(29)=佐川急便▽跳躍 山本聖途(20)=中京大▽投てき ☆室伏広治(37)=ミズノ、○ディーン元気(20)=早大、村上幸史(32)=スズキ浜松AC▽混成 右代啓祐(25)=スズキ浜松AC
 【女子】短距離 ○福島千里(23)=北海道ハイテクAC▽長距離 ○新谷仁美(24)=ユニバーサルエンターテインメント、○吉川美香(27)=パナソニック、福士加代子(30)=ワコール▽障害 木村文子(24)=エディオン、○久保倉里美(30)=新潟アルビレックス▽競歩 ○大利久美(26)=富士通、渕瀬真寿美(25)=大塚製薬、川崎真裕美(32)=富士通▽跳躍 我孫子智美(24)=滋賀レイクスターズ▽投てき ○海老原有希(26)=スズキ浜松AC
 (注)☆は昨年の世界選手権で、○は日本選手権で代表が決まった選手。男女マラソンは3月に発表済み≫=スポニチAnnex=。

 目を引くのはディーン元気と室伏広治の混血組だ。ようやく日本も「国際国家」になってきたということだろう。ダルビッシュも怪腕ぶりを見せている。「日本人もいろいろいるじゃん」という声が聞こえそうだ。

 投てきは日本の弱点と言われていたが、やりとハンマーはテクニックで補える。室伏のおやじや溝口和洋が世界選手権などで外国選手から敬意を表されていたのを思い出す。そこに女のパワーが加わった。やりの海老原有希である。昨年の世界選手権では女子投てき種目で日本選手初めての決勝進出を果たしている。あと2~3メートル伸ばせれば、メダルだってあり得なくはない。投てきは一発引っかかると番狂わせが起きる。室伏みたいに上がドーピングでこけるという例もある。

 トラックは世界とは差がありそうだ。400ハードルの岸本と女子の長距離を除けばセミファイナルまで行ければ上出来だろう。北京でまさかの銅を獲得した男子400リレーだが、今回のメンバーは経験が足りない。

 別枠になっているマラソンはどうだろう。現状では一けた台の順位に入れば大健闘と言えよう。藤原新のハングリー精神には期待しているのだが…。

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「菊池直子」でバカ騒ぎ

2012-06-06 06:11:54 | Weblog
 3日にオウム真理教元信者の菊池直子が逮捕されて以降、メディアは何事が起きたかというほどの大報道合戦を続けている。

 若い女が17年間も逃亡、しかも男と同居していたとあっては格好のお茶の間ネタではある。だが、しょせんそれだけの話ではないか。一部「識者」と称される人々は「事件はまだ未解明な部分があり、菊池容疑者の逮捕が全容解明のきっかけになればと思う」(大谷昭宏・共同)などと述べているが、どうだろう。

 「まだ未解明の部分があり」という前提そのものが間違っている。麻原が何も語っていないため、オウムの核心部分は何も解明されていない。村井刺殺事件や警察庁長官狙撃事件も同様だ。一連のオウム裁判は、事件の上っ面を撫でたに過ぎない。

 菊池は一介の信者であり、下っ端だ。PRビデオなどに出演したり、メディアが「走る爆弾娘」と名付けて大きく報道したため「知名度」が高いに過ぎない。洗脳されやすい素直な女なのだろう。この女が事件の核心を知っているとは到底思えない。

 原発と政局報道に食傷気味だったメディアにとっては、菊池の出現は「干天の慈雨」といったところだろう。しかし、そんなことよりも、本筋をきっちり報道してほしい。なぜ大阪市の橋下市長は原発に対する態度を急変させたのか。野田は本当に小沢切りを決断したのか。「中国外交官事件」や生活保護問題などもさまざまな思惑が絡んだ「政治的事件」ではないのか。

 メディアが国民の目をくらますお先棒を担ぐようでは、この国はいよいよ危うい。
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「世界恐慌」最後の幕が上がった?

2012-06-01 08:55:30 | Weblog
 31日のNY外為市場で一時、ユーロが96円台まで急落した。ギリシャ情勢への懸念が深まっているのと、米国の各種統計数値が市場の予想を下回ったからだという。

 ≪31日のニューヨーク外国為替市場でユーロは、欧州債務危機への懸念が拡大したことを背景に一時1ユーロ=96円48銭をつけるなど、2000年12月以来、約11年半ぶりの円高ユーロ安水準で推移した。円は対ドルでも急伸し一時、約3カ月半ぶりの円高ドル安水準となる1ドル=78円21銭をつけた。

 午後5時現在のユーロは、前日比97銭円高ユーロ安の1ユーロ=96円76~86銭、1ユーロ=1・2361~71ドル。円の対ドル相場は前日比75銭円高ドル安の1ドル=78円25~35銭≫=共同=。

 震源地のギリシャでは、同日、60代の年金生活者が「孫はギリシャで生まれてほしくない」との遺書を残して自殺、当地のメディアは「緊縮政策の犠牲者」と報じているという。

 ≪ギリシャからの報道によると、首都アテネで30日、年金生活者の男性(61)が公園で首をつって自殺しているのが見つかり、衣服のポケットから「孫がギリシャで生まれないことを望む」と国の将来を悲観する遺書が発見された。アテネでは4月にも、緊縮財政に苦しむ年金生活者の男性が命を絶つ悲劇があり、市民は再びショックを受けている≫31日時事=。

 17日のギリシャ再選挙の動向が注目されるが、緊縮肯定派と反対派のいずれが「勝利」したにせよ、問題の解決に近づくわけではない。ギリシャのユーロからの離脱が取りざたされているが、いまさら元のドラクマに戻れるわけがない。仮に戻ったとしても、そんな紙切れ同然の通貨に何の力もない。

 ギリシャをはじめスペイン、ポルトガル、アイルランドなど財政基盤の脆弱な国が、連鎖的に破局を迎える可能性は否定できないだろう。07年、米国に端を発した一連の金融不安は、いよいよ最終段階に入ったとみてよいのではないか。行き着く先は…。

 かつての世界大恐慌は1945年、第2次世界大戦の終結をもって、一応終息した。いまは諸矛盾を戦争で「解決」するという選択肢がない分、出口が見えにくい。「グローバリズムとの決別」や「市場本位制の打破」などとお題目を掲げても、実効性は乏しい。

 こうしている間にも、集まるところには富は集積し続ける。我々庶民はせいぜい節約するしかないのか。
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