酔眼独語 

時事問題を中心に、政治、経済、文化、スポーツ、環境問題など今日的なテーマについて語る。
 

バレンティン55号

2013-09-12 09:20:21 | 野球
 ヤクルトのバレンティンが11日のカープ戦で今季55本目の本塁打を放ち、王貞治、ローズ、カブレラのシーズン最多本塁打記録に並んだ。今シーズンまだ22試合を残すバレンティンが、記録を更新するのはほぼ間違いなく、60本の大台も期待できそうだ。

 王の本塁打記録は「聖域」とされ、特に外国人スラッガーには壁となっている。たとえば1985年のバース。54本を達成した時点で残り2試合はいずれも巨人戦。監督は王であった。まともに勝負したのは江川だけ。最終戦は4四球であった。

 西武のカブレラは9月10日に史上最速ペースで50本を打ったが、55本目は10月2日の最終戦。ほとんどストライクは投げてもらえなかった。

 今年のバレンティンは少し事情が違うようだ。王自身、バレンティンについて「大したものだ。どこまで打つか楽しみ」とコメントしているし、あからさまな四球作戦は少なくなっているようだ。

 なぜか。メジャーでイチローが次々と記録を更新していることが影響しているのではないか。「多国籍」のメジャーは選手の出身地などにはこだわらず、成績・記録を尊重する。日本のプロ野球が「外国人だから」などと記録の更新を阻むようなことをしていれば、その閉鎖性が際立つことになる。目の色、肌の色はどうあれ、すごい奴はすごいのだ。

 もっとも、日本のプロ野球記録のほとんどは外国にルーツを持つ選手が持っている。王貞治をはじめ最多勝・最多奪三振の金田正一、最多安打の張本勲…。いまさら外国人には記録を破らせないなどありえまい。

 もう一つ気づいたことがある。本塁打の出やすいシーズンがあるのではないかということだ。50本以上が出ているシーズンは「飛ぶボール」が使われていた可能性が高い。たとえば2001~2003年。55本(ローズ、カブレラ)51本(ローズ)50本(カブレラ、松井秀樹)が飛び出している。王が55本を打つ前年の1963年には野村が当時の史上最多本塁打52本を記録、バースが54本を打った85年は落合博満が52本、落合は翌86年にも50本を打っている。

 50本塁打以上を記録しているのはいずれも打率も高く、技と力を兼ね備えた打者と言える。バレンティンやブランコと勝負できる日本人強打者の台頭を期待したい。
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田原総一郎の妄言

2013-09-04 20:16:50 | 社会
 田原総一郎が「日経bp」のウエブサイト「復興ニッポンメール」に面白いことを書いている。タイトルは「汚染水漏れ事故は東電にすべてを押し付けた政府の責任だ」。

 この見出しは全く正しいが、書いている内容は民主党政権に責任を押し付け、現安倍政権をヨイショする噴飯ものだ。政権交代から半年以上もたっている今、政府の責任と言えば現政権の責任も当然問われなければならない。そこに目をつぶる田原、齢のせいなのか、本来の体質なのか。こうも露骨だと、憐れみさえ感じてしまう。

 ≪汚染水漏れはこれまでにもあったが、なぜこれほど深刻な事態になったのか。基本的には、原発事故対応の体制に問題があったと私は考えている。原発事故が発生したのは民主党内閣のときで、民主党内閣は原発事故の責任と対応をすべて東電に負わせた。それが事態を悪化させたのだ≫


 ここまでは正しい。ならば安倍政権がまずやるべきは、内閣発足と同時に「福島第1の始末は政府が責任を持つ」と言明することではなかったか。

 汚染水漏れが大きく報じられたのは、4月6日。地下貯水槽のシートが破損して120トンが漏れたとの報道だ。翌日には別の貯水槽の漏えいも報じられた。4月22日にはIAEAの調査団から「汚染水の問題が直面する最大の課題だ」と指摘されてもいる。

 その後、8月になってタンクからの漏えいが発覚、国際的な大問題になったのは承知の通りだ。

 ≪原子炉建屋に1日約400トンの地下水が流れ込む問題は、本来なら敷地内に入る前段階で地下水をくみ上げ、汚染されていない状態で海に流せば何の問題もなかったはずだ。そうした対策がとられずにこれまでやってきたのである。
 自民党政権になり、今年5月、経済産業省が原子力建屋の地下に流れ込む地下水を減らすため、建屋を囲む遮水壁をつくるように東電に指示していた。技術的課題が多いのは確かだが、これまで実行に移されなかったのは東電には費用負担する余力がなかったことも影響している≫

 田原は一応「技術的課題は多いが」と断っているものの、「敷地内に入る段階でくみ上げて海に流せば何の問題もなかった」などと妄言を吐いている。地下水の経路も分からないで、めくら滅法に井戸を掘るなどありえない。遮水壁など造っても、どこにでも流れていく水を食い止めることは不可能だろう。そんなに簡単にいくのなら、東電でもやっているはずだ。

 田原は汚染水は金さえかければ何とかなると思っているらしい。あげく、「大変だというばかりのメディアもおかしい」と八つ当たりだ。メジャーメディアの原発報道に問題があるのは確かだが、メディアの一翼を担う田原からこんな言葉を聞くとは笑止千万である。

 参院選が終わるまで汚染水問題を顕在化させなかったのはなぜか。2020年五輪の開催地が決まるIOC会議の直前になって、慌てて「政府が責任を持つから心配しなくで」と言い出した理由は…。

 田原が問うべきは霧消した民主党政権の責任をあげつらうことではなく、現政権の場当たり対応ではないか。
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2020年五輪はイスタンブール!!?

2013-09-02 10:22:45 | スポーツ
 2020年五輪招致レースもいよいよ第4コーナー。この国のメディアは「東京が最有力」とあおっているが、実際のところどうなのだろう。

 日経電子版は五輪招致と株式市場の関係を探った記事を掲げ、五輪招致成功―アベノミクス加速を願っているようだが自信は持てていないようだ。

 ≪2020年オリンピックの開催地が1週間後、日本時間の8日早朝に発表される。もしも東京に決まれば、日本経済や株価を巡る「3つのモヤモヤ」が晴れ、株式投資の視界は明るくなるとの期待が聞かれ始めた。

 果たしてオリンピックは来るのか。何でも賭けにする英国での大手ブックメーカーの一つ、Ladbrokesの倍率(8月29日現在)は東京が1.6倍に対してイスタンブールとマドリードの2都市は4倍。倍率が低いほど可能性が高いことを示すのでこれだけを見ると東京が有利。

 ただ前回(16年招致でリオデジャネイロに決定)では倍率では最も有利だったシカゴが最初の投票で早々と敗れるなど「一番人気は負ける」というジンクスも聞かれる。福島原発の汚染水の問題も選考委員の心理に影響するとみられ断定は難しい。最後までドキドキ感が続きそうだ≫。

 投票の動向を予測するのは極めて難しそうだ。3候補地とも脛に傷を持ち、決定的なポイントを稼げていないためだ。東京が最有力というのも、減点要素が少ないに尽きよう。だが、果たしてそうか。福島第一原発から垂れ流され続けている汚染水が、文字通りの冷や水となることはないのか。欧米は日本国内よりもはるかに深刻に事態を受け止めている。IOC委員の胸にも影を落としているのは間違いないだろう。第一、東京招致は「大義」が乏しい。ここにきて「復興」などと言い出しているが、福島第1があの有様では…。

 で、開催地は大どんでん返しでイスタンブール。米軍のシリア攻撃が中旬以降に延びたもの朗報だろう。イスラム圏初、ヨーロッパとアジアをつなぐ五輪。開催の意義は東京やマドリードの上をいく。中東情勢がきな臭さを増せば、かえって「融合・融和」のシンボルともなろう。

 かなり強引なシナリオだが、33%以上の確率はあると見る。五輪招致に手を挙げること実に4回、そろそろ報われてもいいころだ。
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