酔眼独語 

時事問題を中心に、政治、経済、文化、スポーツ、環境問題など今日的なテーマについて語る。
 

経団連なんていらない?

2011-05-30 06:23:18 | Weblog
 楽天の三木谷社長が「考え方が合わないから、経団連やめちゃおうかな」とつぶやいているらしい。

 《インターネット通販大手の楽天の三木谷浩史社長は28日、日本経団連からの脱退を検討していることを明らかにした。東京都内で記者団に対し、福島第1原発事故後の電力政策の考え方などをめぐって「経団連と方向性が違う。政策が違えば政党を離脱するのと同じだ」と述べた。

 電力会社の在り方について三木谷社長は「発電と送電の分離をするべきだ。独占では規律も競争も働かなくなり、官と癒着して監査が甘くなる」と指摘。経団連が発送電分離に後ろ向きなことへの不満を漏らした。

 三木谷社長は27日、ツイッターに「そろそろ経団連を脱退しようかと思いますが、皆さんどう思いますか?」などと書き込んでいた》=共同=。

 経団連と政党を一緒くたにするあたりは、三木谷らしいアバウトさだが、言っていることはまっとうだ。

 経団連会長の米倉某は、伸び放題の鼻毛で人の良さや外見にとらわれないおおらかさを演出しているようだが、頭の中はかなり古そうだ。「1000年に1度の津波に耐えている原発は立派だ」。どこを見て言っておられるのでしょうかねえ。

 そもそも経団連は財界と言う老舗で、よくも悪しくもいまの日本を体現している組織だ。決断力がない、責任感がない、先見性がない。三木谷が時代感覚のある経営者ならこんな団体には加わらなかったはずだ。「経団連に名を連ねることが一流の証」とでも考えていたのではないか。当てが外れたなら、さっさと抜けるに限る。

 ソフトバンクの孫、ユニクロの柳井らと語らって、新しい団体を立ち上げたらどうか。 
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二つの「奇跡」

2011-05-29 06:09:28 | Weblog
 どちらの事故も死者が出なかったのが不思議だ。北海道のJR特急脱線事故と山形のワゴン車転落事故のことである。

 まず、列車事故。

 《27日午後9時55分ごろ、北海道占冠村のJR石勝線占冠―新夕張間の第1ニニウトンネル(全長685m)内で、釧路発札幌行き特急スーパーおおぞら14号(6両編成)が走行中、後方3両の車内から白い煙が出たため、緊急停車した。火災が発生し、乗客ら約240人が徒歩でトンネルの外に避難した。

 JR北海道関係者によると、後ろから2両目の車輪の一部が脱線していたことが判明。地元消防などによると、煙を吸ったり、やけどをしたりした乗客40人が病院に搬送され、うち女性1人が一時意識がはっきりしない状態となった。全員軽症とみられる》=28日中日新聞夕刊=。

 《北海道占冠(しむかっぷ)村のJR石勝(せきしょう)線・第1ニニウトンネルで特急「スーパーおおぞら14号」(6両編成)が27日に脱線炎上した事故で、JR北海道の一條昌幸鉄道事業本部長らが28日、札幌市の本社で記者会見し、火災を認識したのは特急が緊急停車した2時間後に北海道警からの連絡を受けてからだったことや、乗客に避難指示がなされなかったことを明らかにした》=読売ONLINE=。

 中日は最初から「列車火災」と報じている。列車から火が出たので緊急停車したとの説明だ。この記事がいつ書かれたかは分からないが、読売の記事と重ね合わせると、JRが現場を掌握できていなかったことは明らかだ。

 脱線して火が出たと、火が出て急停止したら脱線した、では大違いだ。

 それはともかく、トンネルがもう少し長ければ大惨事になっていたかもしれない。誘導も適切ではなかったというから、犠牲者が出なかったのは奇跡に近い。

 山形のワゴン車転落もすごい。

 《28日午後1時すぎ、山形県米沢市の天元台高原スキー場付近で、県立酒田工業高校の男子生徒10人と男性教諭2人が乗ったワゴン車が林道から転落し、脇の急斜面を約150メートル滑り落ちた。県警や消防などによると、生徒5人が足を骨折するなど重傷、残り7人は軽傷という。ワゴン車は8人乗りで、県警は定員をオーバーしていたとみて詳しく経緯を調べている》=朝日com=。

 「毎日」によれば、滑り落ちたなどというものではなく「10回転ぐらいした」という。骨折や打撲で済めば御の字かもしれない。

 この林道は鍵を借りてゲートを開ける道路だが、この先生方は勝手に入っていた。定員オーバー、鍵なし進入はほめられない。「いつものこと」なのだろうが、そこに事故を生む隙ができる。

 どちらの事故も教訓に富むが、死者がなかったのは何よりだ。 
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放射能汚染、どこまで

2011-05-24 05:12:09 | Weblog
 福島第1原発からはいったいどれほどの量の放射性物質が飛散しているのか。国民が最も知りたいこの数値が、まったく把握されていなかったとは驚きだ。東電は22日からようやく建屋の真上での計測を始めた。数値の公表は24日になるらしい。

 数値は低いものの、東日本のほぼ全域で放射性物質の検出が続いている。300キロ近く離れた静岡、脊梁山脈を隔てた新潟県などでもお茶の葉などが汚染されている。

 海や畑だけでなく、清流にも及んでいる。伊達市のヤマメから基準を上回る放射性セシウム放射性が出てきたという。

 《厚生労働省は19日、福島県いわき市のワカメなど同県の3種類の海産物から食品衛生法の暫定基準値を超える放射性物質が検出されたと発表した。厚労省によると、福島県全域では漁が自粛されており、市場に出荷されていないという。

 検出されたのは、いわき市のワカメとムラサキイガイ、伊達市のヤマメ。暫定基準値(1キロあたり500ベクレル)を上回ったのは、いずれも放射性セシウム。最も高かったのがワカメで、1200ベクレルだった》=19日産経=。

 メディアの報道だけではよく分からないが、問題はどういう状況での汚染かではないか。茶葉に付着しただけなのか、土壌からの吸収か。時間的経過を考えれば、降り注いできた放射性物質が葉に付いた可能性が高いが…。

 ヤマメの場合はどうか。川の水が汚染されていたと考えるのが常識だろう。その川の汚染源は??。

 広範囲にさまざまな放射性物質がばら撒かれているのは間違いない。海の汚染は、梅雨を迎えれば一気に拡大する恐れがある。1~3号機の挙動もまだ予断を許さない。

 原子力安全委員会委員長の無責任さを見るにつけ、この国は原発を持つ資格などないのだと思ってしまう。
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「スズキ」会長の見識

2011-05-11 05:27:40 | Weblog
 スズキの鈴木修会長兼社長が中電浜岡原発の全号機停止を要請した首相決断について「正しかった」と評価した。徹底した合理主義者として知られる鈴木の意外な一面を見る思いだ。

《菅首相が中部電力浜岡原子力発電所(静岡県御前崎市)の運転停止を要請したことについて、鈴木修・スズキ会長兼社長は7日、報道陣の取材に応じ、「(東日本大震災後の)福島第一原発の状況を見れば、浜岡原発が受ける被害はもっと大きくなるだろう。国の最高決定権者として正しかった」と、一定の評価を示した。

 自社の生産活動などへの影響については「仮定の問題なので答えられない」とした上で、「大きな問題にならないようにみんなで協力してやっていけばいい。生活を切り下げ、質素、倹約をしていくべきだ。首相は記者会見の時に、国民に生活様式を変えてくださいと広く訴えるべきだった」と持論を展開した》=読売ONLINE=。

 日経の電子メディアには「「浜岡原発の近くには相良工場もあり、従業員の安全確保を考えるとホッとしている」の記述もある。こういうことを言えるから、「土日連休するような奴は要らない」などと“放言”しても求心力が落ちないのだろう。

 「首相は記者会見の時に、国民に生活様式を変えてくださいと広く訴えるべきだった」。菅はこの件に目を凝らすべきだ。いま、菅がこう訴えたところで「お前に言われたくない」と反発されるのがせいぜいだ。菅の言葉に真実がないからだ。訴えようという気迫もない。誠心誠意は演出できる、などと考えているのなら大間違いだ。スズキ長老に教えを乞うたらどうか。

 
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「乙女のパンチ」

2011-05-10 04:54:46 | Weblog
 あの山崎静代がまじでロンドン五輪への出場を目指しているらしい。

 《日本アマチュアボクシング連盟は9日、ロンドン五輪を見据えた女子第1次強化合宿を前に大阪市内で記者会見した。強化メンバーの一人で、お笑いコンビ「南海キャンディーズ」のしずちゃんとして知られる山崎静代(32)も同席し「命懸けでやりたい」などと意気込みを語った。

 合宿は14、15日に兵庫県西宮市で実施。連盟は今後も合宿を重ねながら、五輪へ向けた強化対象を絞り込む予定だ。山崎は182センチと恵まれた体格を生かし、国内で選手層が薄いミドル級で五輪出場を目指しており「まだレベルが低く、鈍くさいけど、目の前の試合を一つ一つ勝っていきたい」と話した》=共同=。

 3年前にNHKで放映された「乙女のパンチ」で山崎のボクサー姿を見て、なかなかサマになっていると感心したのだが、本当にボクシングに打ち込んでいるとは知らなかった。

 ロンドン五輪の女子ボクシングはフライ、ライト、ミドルの3階級。各階級12人ほどの枠とされ、アジア枠は各1~2と見られる。いまのところ、国内には山崎が狙うミドル級の有力選手は見当たらず、アジア代表決定戦までは進めそうだ。

 問題はそこから。中国あたりから、ものすごいのが出てきそうな気がする。パンチを当ててもニヤッと笑うだけ。お返しのジャブで山崎は吹っ飛ぶ…。でも、立ち上がる。何度も何度も。そして必殺のクロスがチンに入って大逆転KO勝ち。こんなドラマのような展開にはならないだろうが、楽しみではある。
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ビンラディン殺害

2011-05-04 16:41:30 | Weblog
 国際テロ組織アルカイダの指導者ウサマ・ビンラディンが1日、米軍に急襲され死亡した。作戦を命じたオバマは「正義が成し遂げられた」と宣言した。

 《オバマ米大統領は1日夜(日本時間2日)、ホワイトハウスで演説し、2001年の米同時多発テロを首謀したとされる国際テロ組織アルカイダの指導者オサマ・ビンラディン容疑者を米軍などがパキスタン国内で殺害し、遺体を確保したと発表した。同容疑者の死亡によって、約10年に及ぶ米国のテロとの戦いは大きな節目を迎えた。

 オバマ大統領は演説の冒頭で、ビンラディン容疑者が「数千人の無実の男女や子どもを殺害した責任を負う」とし、「米国の作戦によって死亡したと、米国民と世界に報告する」と語った。ビンラディン容疑者を拘束または殺害することが就任以来の最優先課題だったとし、「アルカイダ打倒の戦いの中で、最も大きな成果」と強調した。

 米政府高官によると、米中央情報局(CIA)が昨夏、ビンラディン容疑者がパキスタンに潜伏しているとの情報を入手。その後、同国北部アボタバードの潜伏先を特定した。オバマ大統領は4月29日、身柄を確保するための作戦を許可した。

 作戦は現地時間の2日未明に実施され、小規模の実行部隊がヘリコプターを使って潜伏先を襲撃。ビンラディン容疑者は銃撃戦の末に死亡し、遺体は米側が確保した。この際、同容疑者の側近2人や息子らも死亡した。

 米メディアによると、実行部隊は米海軍特殊部隊(SEALS)とCIAの軍事部門。ビンラディン容疑者は襲撃に抵抗し、頭部に銃弾を受けた。米当局は身元の確認のため、遺体のDNA型鑑定を実施しているという》=朝日com=。

 ホワイトハウスの前はお祭り騒ぎだったらしい。「正義」が大好きな国民性丸出しである。米国民がはしゃぐのは仕方ないとしても、日本のメディアまでが一緒になって「やったぜ」と叫んでいるのは解せない。ビンラディン殺害は果たして法と正義に照らして正当だったのかどうか。もう少し冷静な論議ができないものか。

 その後の報道によると、ビンラディンは武器を持っていなかった。丸腰の相手を精強なSEALSが蜂の巣にした格好だ。しかも遺体はさっさと海に沈めてしまったという。あとで墓を掘り返されたりしたら困るからだろうか。

 米国の行動は国際法に違反している疑いが濃い。朝日は3日付けの2面で「国際法上疑問の声も」の見出しで《国家による個人を狙った「暗殺」と解釈することもでき、米国の行為には疑問の声もある》と控えめに指摘、早大の最上敏樹の同趣旨インタビューも掲載している。だが、圧倒的な「正義の実現」報道に埋没してしまっているのは明らかだ。

 ビンラディンは拘束できた。でも、米国はそうしなかった。はじめから「抹殺」で臨んでいたとしか考えられない。捕まえて裁判、などということになればアルカイダと米国とのかつてのつながりなども明るみに出る。それはしたくない、ということだろう。

 米国は自分の考える「正義」を実現するためなら、どこへだって乗り込んでいってやっつける。こういう独りよがりの「正義感」を国際社会はたしなめることができない。それどころか、むしろ賛美している。危うい限りだ。
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