酔眼独語 

時事問題を中心に、政治、経済、文化、スポーツ、環境問題など今日的なテーマについて語る。
 

大失業時代がやってきた?!

2009-01-31 06:52:49 | Weblog
 新聞の一面に人員整理がらみの話が載らない日はない。明日はわが身。人々の心理はますます冷え込み、消費は減り、社会は暗くなる。悪夢の循環が始まろうとしている。なぜこんな事態になってしまったのか。何が間違っていたのか。

 《NECは30日、2010年3月末までにグループで2万人分の人件費を削減する方針を発表した。

 日立製作所も同日、09年3月期連結決算の税引き後利益が過去最大の7000億円の赤字になる見通しとともに、グループで7000人を削減または配置転換する方針を表明した》=読売web=

 ソニーや常勝の村田製作所などでも2000人から8000人規模の人員削減を打ち出している。人材派遣業界が先日発表した「3月末までの失職者40万人」でさえ控えめな予測に思える。厚生労働省がいう「派遣失職12万人」はどこからひねり出した数字なんだろう。販売台数が30~40年前の水準に転落した自動車業界のリストラアクセルがさらに踏み込まれるのは間違いない。


 《国内自動車メーカー主要12社が2009年3月期に打ち出した国内外の減産規模が、期初計画比で計300万台を突破したことが26日、明らかになった。金融危機を発端に世界的に新車販売が低迷している影響で、国内3位の日産自動車の年間世界生産台数に相当する規模が消える計算になる。生産調整に伴い、国内工場で働く非正規従業員(期間従業員・派遣社員)の削減数も計2万5000人弱に達する見込みだ》=26日時事=

 このくらいで済めば上出来と思わなくてはならない。アメリカを中心に車の在庫は増える一方で、米ビッグスリーは120日前後、トヨタでも80~90日に積みあがっている。

 《ロサンゼルス 15日 ロイター トヨタ自動車(7203.T: 株価, ニュース, レポート)は15日、在庫水準を半減させるため、複数の北米工場で今後数カ月生産を削減することを明らかにした。 

 トヨタは声明で、北米生産車の在庫日数が80─90日になっており、これを第2・四半期に半減させたいとしている》

 減産しているとはいえ車の生産は続いているわけで、在庫はさらに積み増される可能性が高い。

 戦後最大の不況、100年に一度の危機が現実になってきた。しかも、いまは失業を受け入れる余裕が全くない。かつては居候などという存在があった。田舎に行けば納屋の二階に「東京のおじさん一家」が住んでいたりもした。大家族の下では、一人ぐらいの失業者は何とかか抱え込めたのだ。

 家庭に失業者を養う力はない。ならば国や地方、企業が面倒を見るしかない。そのための原資は、職についている人たちも負担すべきだろう。その負担割合をどうするかが大きなテーマのはずだが、政治家や財界人、連合のトップ連中は無関心を装う。負担の押し付け合いがいまの財政危機を招いているともいえる。

 この大失業時代から何を学ぶか。何も学ばなければ日本に未来はない。

 

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新聞社と創価学会

2009-01-29 05:53:17 | Weblog
 さる26日の朝日、毎日、産経各紙に奇妙な記事が掲載された。創価学会の池田大作名誉会長が「平和提言」を行ったというのだ。

 《創価学会の池田大作名誉会長は25日、核軍縮交渉のための米ロ首脳会談を早期に開催するよう求める「平和提言」を発表した。核兵器のない世界を目指すという米国のオバマ大統領の就任に触れ、「この機運を逃さず、大胆な核軍縮に向けて基本合意すべきだ」としている》=朝日第2社会面=

 《創価学会の池田大作名誉会長は25日、「人道的競争へ 新たな潮流」と題する平和提言を発表した。人類が人道的な価値を巡って競い合うべきだとして、「『人道的競争』こそ21世紀を拓(ひら)きゆくパラダイム(認識の枠組み)の先駆けたりうる」と訴えている。

 米国にオバマ大統領が誕生したことを受け、核軍縮を促進するため米露首脳会談の早期開催を提案。これと並行し、各国に核兵器の使用や保有を全面的に禁止する「核兵器禁止条約」を締結すべきだとしている》=毎日第2社会面=

 《創価学会の池田大作名誉会長は25日、「人道的競争へ 新たな潮流」と題する平和提言を発表した。創価学会インタナショナル(SGI)結成記念日に合わせた毎年恒例の提言。今年は、環境・資源問題を解決する国際機関の創設や核兵器を禁止するための国際社会の取り組みなどを呼びかけた》=産経第3社会面=

 共同通信も同じ内容の記事を配信している。地方紙でも掲載した社があるかもしれない。

《創価学会の池田大作名誉会長は25日、オバマ米新大統領の就任を受け、核軍縮に向けた米国とロシアの首脳会談の早期開催などを求める平和提言を発表した。

 提言は、世界が経済危機に加え、地球温暖化や食糧問題などが連鎖しながら悪化していく恐れがあり、変革の挑戦は米国一国だけではなく、世界全体で必要とされていると指摘。

 国際持続可能エネルギー機関や世界食糧銀行の創設を提案するとともに、国連の機能強化のため市民社会担当の事務次長ポスト新設などを訴えている》=共同=

 産経によればSGI結成記念日に毎年出されている提言だという。うかつなことに、いままでこの記事を見逃していた。これまでもこのようなもったいない記事が掲載されてきたのだろうか。

 新聞社には数百、数千本の原稿が届いているはずだ。この大作先生の貴重な提言を載せるには、どれかを外す必要がある。どの記事との取捨選択でこんな有難い記事が載ってしまったのか知りたいところである。

 毎日と共同はほかに比べて丁寧に書いている(文章はつたない)。聖教新聞や公明新聞の印刷でお世話になっている(共同の場合は加盟紙が)度合いが朝日、産経より高いということだろう。

 この記事を掲載するかどうか当日の整理部デスクが判断したとは思えない。普通の感覚があれば、こんな無内容なものはボツにする。しかし、現場にはその判断権限はなかった。ここがポイントである。新聞と創価学会のつながりは想像以上に深いと考えたほうがいい。

 学会系新聞の印刷と学会系出版社の書籍広告は右肩下がりの経営が続く新聞社にとって貴重なカネづるに違いない。だからといって、こんな提灯記事を掲載して恥ずかしくないのだろうか。掲載各紙は、なぜこの記事を載せたのか、きちんと説明すべきだろう。さもないと、いよいよ読者から見放されますよ。
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「救出する知事の会」って何

2009-01-25 06:00:05 | Weblog
 拉致被害者の一刻も早い救出を願わない国民は極めて少数派だろう。だからといって、全国47都道府県の知事連中がみんなでお手てつないで「救出する知事の会」をつくるなんて、ちょっと気持ちが悪い。

 昨年末段階でただ一人参加を見合わせていた達曽拓也岩手県知事が、世論の批判に押される格好ここに来て加入申し込みをしたという。 

 《昨年11月に結成された「北朝鮮による拉致被害者を救出する知事の会」(会長・石原慎太郎東京都知事)に47都道府県知事の中でただひとり参加せず、批判を受けていた達増拓也知事が21日、一転して参加したことが分かった。

 19日には、「全知事の参加が必要なら、全国知事会として取り組むべきだ」などと反論していたが、わずか2日後の方針転換に。県職員からは「そんなことなら、最初から入会しておけばよかったのに……」との声も漏れる。

 達増知事の不参加をめぐっては、上田清司・埼玉県知事が「外務省出身だから、外交は国の専管事項という狭い法解釈になっているのではないか」「そんなに古巣に気を使うことはない。そんな狭い根性でどうするんだ」などと批判していた。

 これに対し、達増知事は19日の記者会見で「有志の会に参加しないことについてとやかくいうのはどうかと思う」と反論。「私は岩手県内で県民とこの問題に取り組んでいる」などと述べた。

 参加に転じたことについて、県幹部の一人は「全国で自分だけ入っていないというのはまずいと考えたのではないか」と推し量る。

 知事の会事務局を置く新潟県国際課は「有志で始めた会に全国の知事に入ってもらって、大変ありがたい。拉致問題解決に向けた大きな力になるだろう」と話している》=朝日岩手版=

 この会の趣旨は事務局がある新潟県のホームページによると以下の通りだ。

《「北朝鮮による拉致被害者を救出する知事の会」について 2009年01月13日 我が国においては、北朝鮮に拉致された被害者17名が日本政府に認定されています。

 また、北朝鮮による拉致の疑いが排除できない特定失踪者といわれる方々が相当数存在している状況にあります。

 残された御家族の皆様は、一日も早い拉致事件の解決を願い、被害者の方々の帰国を一日千秋の思いで待ち望み、解決に向けての活動を日々続けておられます。

 そこで、北朝鮮に拉致された被害者を救出するために必要な支援を行うことを目的とし、平成20年11月27日に石原慎太郎東京都知事、泉田裕彦新潟県知事、上田清司埼玉県知事、堂本暁子千葉県知事及び平井伸治鳥取県知事が発起人となり、「北朝鮮による拉致被害者を救出する知事の会」を結成しました。

 その後、全国の都道府県知事に参加を呼びかけたところ、46都道府県知事に御賛同をいただきました。
 1月13日には、日本外国特派員協会で共同記者会見を実施し、北朝鮮へのメッセージなどを発表しました。

 「北朝鮮による拉致被害者を救出する知事の会」は1月21日現在で、47都道府県知事から参加をいただいております 》

 救出への必要な支援の中身は、外国特派員協会での会見やオバマ米大統領に書簡を送るといったことだ。何もしないよりはましという程度だろう。
 
 会に加わるかどうかは言うまでもなく知事本人の自由意志だ。ところが、達曽は県内外の批判に恐れをなして、あっさり入会に転じた。どうしてこの国の政治家はこうもぶれるのか。

 それにしても、行動派を自任しているはずの石原慎太郎がメッセージ程度でお茶を濁していていいのか。自分でも「パフォーマンスだけだなあ」と感じているに違いない。オバマに手紙を出すより、麻生の尻を叩くべきではないか。泉田らを引き連れてピョンヤンに乗り込んでもいい。
 
 達曽の加入で全47知事がそろった。達曽がかつて言っていた「全国知事会として取り組めばいい」状況が整った。機関決定して有志の会から知事会の事業に格上げしたらどうか。

 しかし、おそらくそうはなるまい。拉致問題への取り組みは「知事個人の活動」と考えられるからだ。顔を使い分けるのが政治家ですからね。
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いまさら何で体力テスト?

2009-01-23 06:03:30 | Weblog
 文部科学省というか、役人というか。この方々は人を競わせるのが大好きなようだ。学力テストで世間を引っ掻き回し、今度は体力テストだ。何を考えているんだか。


 《文部科学省の全国体力テスト(8種目)で、県内の小中学生は全国平均を下回る種目が目立ち、「力は強く、持久力もそこそこあるが、瞬発力に欠け、体が硬い大分っ子」の姿が浮かんだ》=大分合同=

 《全国体力テスト、本県健闘 文部科学省は21日、小学5年と中学2年を対象に、昨年4―7月に初めて実施した「全国体力テスト」の結果を公表した。8種目の数値を得点化した体力合計点の都道府県別順位で、本県は小5が男女とも3位、中2は男子が5位、女子が10位となり、ほとんどの種目で全国平均値を上回った》=新潟日報=

 共同通信の配信を基にした地方紙各紙は、おおよそ上記のようなトーンで、その県の子どもの成績がどうだったかに関心を示している。文科省の狙い通りといっていい。体力テストでも下位に低迷した大阪府の橋下知事は、またまた「市町村別で公表しろ」などと息巻いているらしい。懲りない男である。

 こうした反応から導き出されるのは「休み時間かけっこ」「1日10分縄跳びタイム」などというプログラムだ。子どもの自由度はますます脅かされていく。

 そもそも、なんで子供たちの体力が低下しているのか。動かなくなった。動く必要がなくなった。これに尽きる。いろんな観点から評価できるが、「進化」の一つともみなせる。平均を取ればこれからも体力は低下していくだろう。

 体力と運動能力はイコールか、との疑問もわく。体力とは文字通り体の力、つまり人生を生きていくトータルの力と考えることもできる。となれば、運動能力とは別物だろう。幼少から体が弱かった人が長生きする例は多い。

 車に乗るのが軽蔑され、玄米と野菜をもりもり食べて、コンクリートをはがした後にできた原っぱで子どもが跳ね回る。そういう時代になれば、体力テストなどということを考える人はいなくなる。

 それにしても、いまの中学生の走力は40年前の小学5年生よりも低い。その分人間が高度になっているのだと思いたい。
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「オバマのアメリカ」は変わるのか

2009-01-21 20:55:08 | Weblog
 アメリカの第44代大統領にバラク・フセイン・オバマが就任した。就任式とその後のパレードに詰め掛けた群衆は200万とも300万とも言われ、史上最大の盛り上がりだった。「ブッシュの8年」の傷跡の深さを如実に物語る光景だ。

 内外のメディアはほぼ歓迎一色である。

 《【ワシントン=真鍋弘樹】北風が強まった。オバマ新大統領が登壇すると、ワシントンの連邦議会議事堂に掲げられた巨大な星条旗が、さらに激しくはためいた。米国が直面する試練を見せつけるかのように。

 20日の就任式で、44代大統領がうたい上げたのは、単純な希望ではない。「イエス・ウィー・キャン」のかけ声が、会場から沸き上がりかけては、しぼんでいく。高揚感に酔いしれた選挙戦とは、明らかに異なる空気が流れた。

 それでも米国民は、オバマ大統領に夢を託す。零下2度、厳寒のワシントンに、全米から200万人に届く過去最多の国民が集結した。

 リンカーン大統領が使った聖書を、奴隷を先祖に持つミシェル夫人が支え、オバマ氏が手を置いたその瞬間。議事堂からナショナルモールの反対側にあるリンカーン記念堂近くまで埋め尽くした約50万人の聴衆が、一つの生き物のように震えた》=朝日web=

 おおよそこのトーンである。前途は厳しいが……。という口調は各紙共通している。

 8年前、9・11テロの直後にブッシュが叫んだ「これは戦争だ」に歓呼したアメリカとオバマに涙を流すアメリカは別物なのか。そうは思えない。支持基盤は異なるとはいえ、底に流れる気分は同じだろう。「yes we can」と答えるアメリカは、強いアメリカを標榜しているのだ。

 オバマの就任演説は極めて地味なものだった。一人一人に責任を求めたのが最大のポイントだ。「アメリカが君たちに何をしてくれるかではなく、君たちがアメリカに何ができるかが問題なのだ」と語ったケネディーとよく似ている。ただし、状況は当時よりはるかに深刻だ。

 内政、外交ともオバマが打てる手は限られている。アメリカ国民の多くもそう思っているのではないか。しかし、それでは希望がなさすぎる。熱狂の裏側はそんなものだろう。

 オバマの登場はアメリカの覇権主義が終わりを告げたことを意味する。だが、多くの米国民はそうは思っていない。いまの苦境を脱すれば、強いアメリカが復活すると考えているのだ。オバマが「アメリカの力」を力説すればするほど現実からは遠ざかる。ここに「オバマのアメリカ」の苦悩がある。

 アメリカの光景をうらやましがる日本人が多いが、「神なき国」であのような熱狂を期待するのは無理というものだ。むしろ、国などという得体の知れないものに統合されていないことを喜ぶべきかもしれない。戦争と最も遠い国柄だからだ。

 「オバマのアメリカ」も結局は戦争経済から逃れられない。「チェンジ」とは車の塗装を変えるぐらいの意味しか持たないのではないか。

 
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誰に読ませる? センター試験問題

2009-01-20 05:47:09 | Weblog
 新年の一大イベント大学入試センター試験が終わった。志願者数は昨年に比べ微増だが、高3人口が減っていることを考えると志願率はアップしている。不況で親の懐が厳しくなっているせいだろうか。


 《大学入試センター試験は初日の17日、「公民」「地理歴史」「国語」「外国語」の4教科の試験を終えた。

 今年の志願者は昨年より596人多い54万3981人で、このうち公民は30万5639人(受験率56・2%)、地理歴史は35万9936人(同66・2%)、国語は48万4884人(同89・1%)がそれぞれ受験した。

 ピーク時に60万人を超えていた志願者数は、少子化の影響から減少し、今年は昨年に続いて55万人を割り込んだ。浪人生の比率は大学に入りやすくなった事情を反映して今年初めて2割を切り、19・5%に。現役生は79・3%、高校卒業程度認定試験の合格者などは1・2%だった。

 センター試験を利用する大学と短大の数は、受験生確保などの目的から毎年増えており、今年は過去最多の797校に上った》=読売web=

 かつては「ランク付けにつながる」との批判もあったが、ほぼすべての大学が参加する状況を見ると、そんなものはどこかへ吹っ飛んだようだ。それにしても、である。なぜ新聞各紙はセンター試験の問題をあのように大量のページを割いて掲載するのか。受験者は問題を持ち帰っている。自己採点のためなら解答だけで十分だろう。

 各紙によって若干の違いはあるが二日間で14~16面も使って問題を紹介している。問題文の実物を縮小して掲載しているため、読みにくいことこの上ない。一体これは誰に読んでもらいたくて掲載しているのだろう。掲載意図が分からない。まさか下の予備校などの広告のためというわけではあるまい。

 新聞1ページの原価は1円前後といわれる。ページ数と発行部数を掛けた数字がセンター試験問題掲載に要する経費である。公称1000万部の読売なら1億5千万円も掛る計算になる。壮大な無駄のように思える。

 個性を売り物にしている各大学が同じ問題を解かせて志願確定や合否を決めること自体矛盾している。メディアの中でも新聞は教育に力を入れている。各紙とも水曜日(一部例外はある。日が揃っているのもおかしい)に教育欄を設けているほどである。ならばこのへんで、本格的な「センター試験の研究」を行ったらどうか。試験問題よりは価値があると思うが…。
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またガソリンのがぶ飲みですか

2009-01-17 10:11:26 | Weblog
 政府の緊急経済対策の一環で、高速道の料金が大幅に引き下げられる。ETC車だけというのがいかにも胡散臭いが、庶民には朗報だろう。

 《高速道路各社は16日、国の第2次補正予算案に盛り込まれた高速道路料金引き下げの具体案を発表した。普通車以下を対象に、休日(土日祝日)に地方で距離にかかわらず料金を1000円とするのをはじめ、首都高速道路、阪神高速道路は休日に700円区間を500円に引き下げる(首都高の土曜は除く)。期間は10年度までで、国民から意見募集したうえ、第2次補正予算成立後に実施する。

 当初1500円とすることを検討していた本州四国連絡高速道路の料金も、地元の要望を受け1000円に引き下げる。東京湾アクアラインも1000円。このほか、平日も地方で全車種を対象に割引率を3割以上にする。

 料金引き下げの対象はすべて自動料金収受システム(ETC)の搭載車。国土交通省所管の財団法人がETCを普及させるため、購入者に助成を行う》=毎日web=

 青森~福岡を何と2500円で行けるという。9割以上の割引率である。しかし、なぜETC車だけなのだろう。人件費が掛らない。ETC搭載で電機メーカーの支援にもなる。いろいろな計算があるのだろうが、車の動きが丸々捕捉されるETCなど付ける気にはならない。NシステムとETCを連動させれば、高速上の車はお釈迦様の手のひらに乗る悟空も同然である。

 人が動き回れば金も動く。経済の幾分の活性化にはつながるだろう。しかし、考えても見てほしい。昨年の今ごろはガソリン価格が頭をもたげ、天井知らずに突き進み始めた時季だ。無駄に車に乗るのはやめよう。こういった動きが高まった。この流れこそメーンストリームではないか。

 いたずらに高速道の利用を煽るような政策は疑問である。家庭・運輸部門の二酸化炭素削減が課題だというのに、ナニを考えているんだか。

 その場しのぎに終始するのはこの国の政治の特徴だが、それでは危機は乗り切れない。
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議員宿舎は女人禁制か

2009-01-15 05:35:08 | Weblog
 きょう発売される「週刊新潮」の記事でまた官邸の周りがざわついているという。参院議員宿舎の鴻池官房副長官の居室に女が出入りしていたことがばれてしまったらしい。
 

 《鴻池祥肇(よしただ)官房副長官が居住する参院議員宿舎に既婚女性が出入りしていたとの記事が15日発売の「週刊新潮」に掲載されることが分かり、河村建夫官房長官は14日の記者会見で「記事が出るようだという話は(鴻池氏から)あったので、雑誌が出た時点で改めて事実関係を聞く」と述べた。野党からは辞任要求も出ており、政府は対応に苦慮しそうだ。

 週刊新潮の記事によると、鴻池氏の参院議員宿舎(東京・麹町)を女性が複数回訪ね、宿泊したとしている。記事中で女性は訪問は認めているが、鴻池氏の部屋での宿泊は否定している。

 民主党の鳩山由紀夫幹事長は党の会合で、「鴻池官房副長官に大きなスキャンダルが発生したようだ。今のうちに早く官房副長官をお辞めになった方がいい」と発言。公明党幹部は「事実なら不適切。(本人が)しっかり事実か事実でないか説明しないといけない」と語った。

 一方、鴻池氏は14日、毎日新聞などの取材に「たいそうなことになったな」と語ったが、進退問題への波及は「ないでしょう」と否定した》=毎日web=。


 なぜこれが進退問題になるのかが理解できない。記事を読んでいないので即断はできないが、問題になっているのは「女を議員宿舎に引っ張りこんだ」ということのようだ。議員宿舎に「使用者と性を異にする人物の立ち入りは禁止する」などという類の規則があるのだろうか。

 それなら、女房や亭主も部屋を訪ねられなくなる。そんなことはあるまい。鳩山や公明党幹部氏が言いたいのは「みっともない」「国会議員の恥さらし」ということだろう。それはその通りだ。でもそれまでの話である。

 かつて中川秀直が女とのベッド写真を撮られてやがて官房長官を辞めさせられたことがある。あの時の女は覚せい剤事件に絡んでいた。鴻池の女もそういう関係なのかどうか。

 国会が騒ぐような話か。民主党はこれを口実に参院での2次補正予算審議をさらに引き延ばす……などということを画策してはいないか。他人のあら捜しより、実効性ある政策の提示に力を注いでほしい。

 女の不始末など、たたき出したらキリがあるまい。国会の品位? を自ら貶めてどうする。条件反射はやめて、少しは考えて行動してもらいたい。これはメディアも同様だ。
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麻生政権はいつまで持つか

2009-01-12 09:53:07 | Weblog
 共同通信と読売新聞の内閣支持率最新版が出た。共同では20%を割り、読売も20・5%と前回よりさらに低下した。不支持率はどちらも70%を超えている。国民の7割が「ノー」と言っている政権で、この難局を乗り越えられるのだろうか。とてもそうは思えない。

 《共同通信社が10、11両日に行った全国電話世論調査で、麻生内閣の支持率は昨年12月の前回調査から6・3ポイント下落し19・2%となった。不支持率は8・9ポイント増の70・2%と森内閣以来約8年ぶりに70%を超えた。定額給付金については「評価しない」が70・5%と、昨年11月の同様の調査から12・4ポイント増加。「評価する」は23・7%(7・7ポイント減)だった。

 麻生太郎首相と民主党の小沢一郎代表の「どちらが首相にふさわしいか」への回答は、小沢氏が46・4%(昨年12月調査から11・9ポイント増)で麻生氏の22・1%(11・4ポイント減)の2倍以上になった。》

 《読売新聞社が9~11日に実施した全国世論調査(電話方式)によると、麻生内閣の支持率は昨年12月の前回調査から0・5ポイント減の20・4%、不支持率は5・6ポイント増の72・3%となった。

 麻生首相と民主党の小沢代表のどちらが首相にふさわしいかとの質問でも、小沢氏が39%と前回の36%から増やしたのに対し、麻生首相は27%で29%から減らした。》


 ご本尊の麻生氏は経団連会長らを引き連れて韓国へ「ウォン安旅行」。こちらも不人気な李明博大統領と慰めあったようだ。経済対話は型どおり、ゴルフ談義に花が咲いたというから情けない。


 《韓国を訪問した麻生太郎首相が11日、青瓦台(大統領官邸)で李明博大統領と懇談した際、趣味のゴルフ談議に花が咲き、「次回は一緒にゴルフを」と意気投合する一幕があった。

 懇談後、日韓財界人との懇談会に臨んだ李大統領は「麻生首相は就任以来、ゴルフをしていないと聞いたが、私も同じだ。両首脳が会ってゴルフをすれば誰も文句を言わないだろう」と述べ、参加者の笑いを誘った。》

 仕事をちゃんとしてくれれば、ゴルフをいくらやっても構わない。そうじゃないから支持率が暴落するのだ。

 オバマを持ち上げる気はないが、率直なところは好感できる。わが麻生君も傲慢さを捨て謙虚になるべきだ。できることとできないことの明示も大切だ。「世界一早く不況から脱出する」。スローガンだろうが、今の内閣の実態でこんなことをいうからセンスが疑われるのだ。オバマはこの点率直である。公約の一部は後回しになるかもしれないというのだ。


 《【ワシントン大治朋子】オバマ次期米大統領は10日、米ABCテレビのインタビュー(11日放映予定)で、経済の立て直しには「米国民すべての犠牲を必要とするだろう」と述べ、事態の深刻さを改めて強調した。「大統領選期間中に話したことのすべてを、希望通りのペースでできるわけではない」とも指摘。公約の実現には、予想以上に時間がかかるとの見通しを示した。ABCテレビが10日、インタビューの一部を公表した》=毎日web=


 民主党などの野党はすぐに「公約違反」などと騒ぎ立てる。100年に一度の事態なら、平時に言っていたことと話が違ってくるのは当然だろう。せこい追及に終始するのではなく、具体案を提示して政府、与党と向き合ってもらいたい。

 
 この内閣ではいまの経済危機は乗り切れない。何より財界へのにらみが利かない。経済を立て直すのは基本的には産業である。その分野が雇用の不安定化で信頼を失っている。ここにいまの日本の危機がある。

 日本経済が比較優位を保ってきたのは、勤勉な労働力の賜物であろう。企業と労働者をつなぐ糸がほつれ、切れかかっている。しかも、大企業ほど状況は厳しい。そんな折、悪辣な人遣いで定評がある? 御手洗などと韓国旅行をする神経が分からない。

 政権交代は定額給付金より数段経済効果がある。多くの国民はそう見ているのではないか。麻生さん、早く辞めないと顔が歪む一方ですよ。
 
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朝日告発記事と朝日広告不始末の関係は?

2009-01-09 05:21:37 | Weblog
 今朝の朝日新聞を見て驚いた。「障害者割引利用のDM 朝日広告が印刷受注」の見出しがついた長い記事が載っていたのだ。見出しだけでは何のことかよく分からない。不正の文字も見当たらない。

 「朝日読者なら分かる」という書き方である。朝日は昨年秋以来、身障者用のDM割引を悪用した手口が横行している、というキャンペーンを続けていたからだ。web上の朝日の記事は消えているので、当時の時事配信を引用する。 

 《東証2部上場の印刷・通販会社ウイルコ(石川県白山市)が、心身障害者団体の定期刊行物郵送に適用される割引制度に便乗し、約4年間にわたってダイレクトメール(DM)広告を格安で送付していたことが6日、分かった。
 
 障害者団体の定期刊行物については、日本郵便から「低料第3種郵便物」として認可を受けると、通常120円のところ最安で8円という格安料金で郵送できる。
 ウイルコはこの制度に便乗。2004年ごろから、神戸市や大阪府内の障害者3団体の定期刊行物に同社の通販事業のDMを同封し、顧客に郵送していた。
 大阪市内の広告会社から「法的な問題はない」と提案を受けたといい、広告料を支払っていた。

 日本郵便によると、07年度の割引制度の利用は約1億2000万通。1刊行物あたりでは年間約60万通に上る。利用には「8割以上が有償購読者」といった条件があるが、ウイルコの場合は送付した人のほとんどが同社の顧客で、障害者団体と関係がなかったという。

 ウイルコの話 コンプライアンス(法令順守)チェックを怠っていた。心身障害者団体や関係者に多大な迷惑を掛け心からおわびする。今後、不適切な「低料第三種郵便物」の利用は一切しない=時事2008・10・06=》

 その後も朝日は博報堂などの大手も同様の手を使ってDM印刷の受注などを行っている--などと報じている。毎日が追随したぐらいで、他紙はあまりこの件に熱心ではなかったように見受けられる。なぜだろう。深く考えもせず、年を越したらこの報道である。いよいよ分からなくなってきた。朝日を読んでも謎は深まるばかりだ。

 
 《障害者団体向けに郵送料が大幅に割り引かれている「低料第3種郵便物」制度が企業の顧客向けダイレクトメール(DM)広告の郵送に悪用されていた問題で、朝日広告社(東京)が08年10月、この制度を使ったDM17万通の広告印刷業務を受注していたことがわかった。同社は関係した社員の処分を検討している。

 取材に対する朝日広告の説明によると、08年10月初め、それまでに取引があったスポーツ関連品販売会社(大阪市)のDM発送にあたり、制度の対象となる定期刊行物の発行団体を紹介。その後、封筒や広告の印刷業務を受注して納品した。この取引で朝日広告は370万円を売り上げ、20万円の利益があったという。


 スポーツ関連品販売会社はこの時期、大手印刷・通販会社「ウイルコ」を通じてDM広告を出す予定だったが、朝日新聞の報道でウイルコが制度の利用を中止したためこの取引が成立した、と朝日広告は説明している。

 「低料第3種」は本来、障害者団体が発行する刊行物の8割以上が有料で購読されていることを前提にしている。このため、通常、1通80円はかかる封書の郵便料金が8円と格安になっているが、郵送先が有料の購読者でないなら悪用となる。

 この点について朝日広告は「広告主から定期刊行物の有償購読者と聞いている」としながらも、その確認はしなかったという。これに対し、定期刊行物の発行団体関係者は「郵送先は朝日広告側が用意した」としている。

 朝日広告は、朝日新聞が約3割の株を所有する関連会社。》

 《障害者団体向けに郵送料が割り引かれる「低料第3種郵便物」制度が企業のダイレクトメール(DM)広告の郵送に悪用されていた問題で、朝日新聞の関連会社「朝日広告社」(東京都中央区)が、この制度を使ったDM17万通の印刷を請け負っていたことが8日、わかった。

 同社は「不適切だった」として、関係した社員の処分を検討している。

 同社によると、昨年10月初旬、取引先である大阪市内のスポーツ用品販売会社から依頼を受け、割引制度を利用している福祉団体(文京区)を紹介。その後、大阪市の会社からDMに使う広告と封筒の印刷を370万円で受注したという。

 大阪市の会社は当初、印刷・通販会社「ウイルコ」(石川県白山市)に依頼する予定だったが、朝日新聞が制度の悪用問題を報道したことでウイルコから断られたため、朝日広告社に紹介を依頼したという》=読売web=。

 朝日と読売の記事を並べたが、分かりやすさは読売が数段上だ。朝日はわざと分かりにくく書いているとしか思えない。読売を読めば、朝日広告が福祉団体を紹介したことは一目瞭然だが、朝日ではその点があいまいになっている。ここは核心部分である。どちらが主導したかにかかわる部分だからだ。朝日広告が朝日新聞の関連会社だということを最後に書く神経も理解できない。


 要は、一連の朝日の報道でウイルコの仕事が朝日広告に回ってきた、ということである。いくら広告不況とはいえ、朝日広告のために朝日がキャンペーンを張ったとは思えない。朝日のキャンペーンといい、何か裏がありそうだが…。
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