酔眼独語 

時事問題を中心に、政治、経済、文化、スポーツ、環境問題など今日的なテーマについて語る。
 

新聞の再編が始まる?

2008-12-01 06:36:00 | Weblog
 共同通信加盟の有力地方紙グループである火曜会(河北、新潟、信毎、京都、神戸、中国など)メンバーの南日本新聞が、朝日新聞の印刷を受託することになったという。


 《南日本新聞社(水溜榮一社長)と朝日新聞社(秋山耿太郎社長)は27日、鹿児島県全域と宮崎県南部向け朝日新聞約5万4000部について、鹿児島市与次郎1丁目の南日本新聞社本社の印刷工場(与次郎工場)で2010年4月1日付から受託、委託印刷することを発表した》=南日本web=。


 どういう神経なのか知らないが、南日は写真付きで掲載している。朝日常務の笑顔と南日本社長の仏頂面が好対照のナイスショットで、おかしい。

 地方紙と全国紙は商売敵である。それが印刷で手を組み、やがて輸送・配達も共同化の方向らしい。新しい印刷拠点を自前で造るより、委託したほうがはるかに安上がりだ。受託する方は数億円の手数料が入る。双方にメリットが多い。これが受託印刷の論理だろう。


 経営がぐらついては気骨のある報道はできない。だから財務基盤を磐石にしたい。南日本にすれば、そう言いたいところだろう。だが、朝日と金のつながりができるデメリットも大きい。優れた報道はライバル社との競り合いで生まれることが多い。朝日と南日本はこの緊張関係を維持できるのか。


 南日本はきょうから夕刊を廃止する。毎日北海道、魁などが今年に入って夕刊を廃止している。夕刊トップからストレートニュースを排除した新潟のような例もある。地方紙の火の車状況が伝わってくる。


 朝日と読売による地方紙囲い込みは、来年以降活発化するだろう。電通や博報堂もここに絡んでくるかもしれない。地方紙を束ねる共同通信の焦りも相当なものだろう。


 《11月4日に共同通信社の創立63周年記念式が開かれた。ほとんどの新聞社が厳しい経営状況にある中で、58の加盟社からの分担金や契約社から­の契約料による収入も右肩上がりは続かない。

 文化通信によると『石川聰社長は①夕刊廃止、定価改定といった経営方針の変更に関して情報を共有、理解し、支援する­②システムの共有化を推進、互いのシステム開発費、保守管理費の大胆な軽減を図る③取材経費削減のため、地元紙の役割分担を明確化し、相互に提供しあい利用しあ­う④相互依存の推進で組織と活動のスリム化を図り、支出を抑制する⑤現場が集めた情報素材を紙面掲載以外にも活用、従来の規制の枠を取り払い思い切った新規収入­源の開発にあたる』と加盟社に対して5項目の具体策が示されたようだ》=新聞労連産業政策研究会web=。


 システムの共有や相互依存を強めた行き先に何が待っているのだろうか。すくなくとも日本のメディアが強化される方向ではない。


 それにしても、石川君はなぜ毎日新聞の買収を本気で考えないのだろう。いい物件だと思うが…。
コメント
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