酔眼独語 

時事問題を中心に、政治、経済、文化、スポーツ、環境問題など今日的なテーマについて語る。
 

08年10大ニュース考

2008-12-31 04:55:19 | Weblog
 今年もあと10数時間で暮れる。
 時間の流れが年々速くなっているように感じるが、今年は格別だった。世界も日本も、あれこれ大きな出来事が多すぎて整理がつかない。こうした激動こそ「2008年」を象徴するものだろう。

 かつて各新聞は、年末になると競って「10大ニュース」を掲げたのもだが、いまは読売の「読者が選んだ10大ニュース」と地方紙ぐらいしかない。10大ニュースにはその社の価値観やセンスが現れる。謹厳なるわがメディア各紙は、あまり自分をさらしたくないと考えているに違いない。大読売は、読者任せだから安心して掲載できるというわけだ。

 その読売読者が選んだ国内10大ニュースは次の通り。


1 中国製ギョーザで中毒、中国産食品のトラブル相次ぐ
2 福田首相が突然の退陣表明、後継は麻生首相
3 ノーベル物理学賞に南部、小林、益川氏、化学賞には下村氏
4 北京五輪で日本は「金」9個、競泳・北島選手ら連覇
5 東京・秋葉原で無差別7人殺害
6 後期高齢者医療制度スタート、保険料の年金天引きなどに批判
7 元厚生次官宅襲撃事件で3人死傷、出頭の無職男を逮捕
8 東京株、バブル後最安値を記録
9 岩手・宮城で震度6強、13人死亡
10 洞爺湖サミット、温室効果ガス排出量半減の長期目標


 ギョーザ・中国食品が1位ねえ。生活に密着している点ではうなずけなくもないが、国産食品のでたらめぶりも負けてはいない。「中国」を前面に出したところが読売らしいとい言えよう。誘導の上手さかな。ノーベル賞と五輪の金が上位にきているのことにも注目したい。明るい話題に飢えているということだろう。


 地方紙の10大ニュースは、共同通信と加盟社幹部の投票で決まる。あまりバイアスは掛らず、常識的なところに収まっているが、尖がってもいない。国内10大ニュースは以下の通り。

1 福田首相政権投げ出し。後継麻生も支持率低迷
2 景気後退、株価は急落
3 秋葉原などで「通り魔的」事件続発
4 冷凍ギョーザなど食の不信きわまる
5 ノーベル賞、日本人4氏に
6 後期高齢者制度スタート、悪評ふんぷん
7 ガソリン、暫定税率も絡み大混乱
8 元厚生次官ら連続殺傷
9 年金不信拡大
10 非正規雇用拡大、蟹工船がブームに

 1位と2位がこういう配置になったのは政治を経済の上に置きたがる古い体質の表れか。国際ニュースで「世界同時不況」を1位にしているから、という判断が働いたかもしれない。今後に与えるインパクトなどを考慮すれば、やはり大不況だ。


 業界紙である「新聞之新聞」は次のようにまとめた。

 《新聞之新聞社(東京都千代田区)主催の「社会部長が選ぶ今年の10大ニュース」の選考会が11日、都内で開かれ、毎日新聞など在京の新聞、通信8社の社会部長らがトップに「米国発の世界金融危機。日本でも経営・雇用の悪化が深刻に」を選んだ。2位以下は次の通り。

(2)秋葉原7人殺害など無差別殺傷事件相次ぐ
(3)福田首相突然の退陣と麻生政権の迷走
(4)中国産冷凍ギョーザ中毒事件など食の安全揺らぐ
(5)ノーベル物理学・化学賞を日本人4人が受賞
(6)イージス艦衝突事故や田母神論文問題など防衛省の不祥事続発
(7)宮崎勤死刑囚ら15人に刑執行
(8)妊婦死亡など医療崩壊が顕在化
(9)大分県教委で採用や昇進を巡る汚職事件
(10)角界や大学で大麻汚染広がる
(10)岩手・宮城内陸地震   》=毎日web=

 選考委員が社会部長連中だということを反映したラインナップだ。2位と6位以下にその傾向は顕著に表れている。「死刑執行15人」は前法相鳩山による「自動化」に警鐘を鳴らした? 裁判員裁判をにらんだ? よく分からない。番外で「誤報や虚報、今年もやまず」を入れてほしかった。


 09年は一段と混迷の年になる。そう断言しておこう。総選挙で政権交代も起きる。首相は岡田かなあ。
 裁判員制度が始まり、合議の内容をべらべらしゃべるなど、想定外の事態が続出する。株価は一進一退を繰り返しながら上向き傾向を示すが、首切りは止まらない。あちこちで食い詰め者たちが騒動を引き起こす。ようやく日本の若者も怒り出した。ざっとこんな具合で推移するかと思われる。何の裏づけもないですが…。
コメント
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