酔眼独語 

時事問題を中心に、政治、経済、文化、スポーツ、環境問題など今日的なテーマについて語る。
 

運転再開が廃炉の近道だ

2011-06-30 05:54:58 | Weblog
 定期検査で止まっている九州電力玄海原発2、3号機が動き出すことになりそうだ。佐賀県の古川知事と玄海町の岸本町長が「安全性は確認された」との認識を示したためだ、

 《九州電力玄海原子力発電所(佐賀県玄海町)2、3号機の運転再開問題について、海江田万里経済産業相が29日、佐賀県庁内で古川康知事と会談し、再開への理解を求めた。古川知事は国の原発安全対策に理解を示し、「安全性の問題はクリアされたと考える」と述べ、再稼働を容認する意向を示した。県議会での議論を踏まえ最終判断する。運転再開すれば、東京電力福島第1原発事故後、定期検査で止まった原発では初めて。

 7月1日に県議会原子力安全対策等特別委員会、同8日には県主催の住民説明会が控えており、古川知事はその後に正式表明する見通し。古川知事は運転再開の条件として▽安全性の確保▽玄海町の容認▽県議会の容認--の3点を提示し、対応を求めていた。

 29日に佐賀県入りした海江田経産相は玄海町を訪れ、岸本英雄・玄海町長と会談。この席で岸本町長は「安全は確認された」として運転再開を容認した。

 残る2条件のうち、安全性の確保については、海江田経産相が古川知事との会談で言及。福島第1原発事故について「原因は地震の揺れではなく津波。3号機のプルサーマル発電で使うMOX(ウランとプルトニウムの混合酸化物)燃料に由来する影響もない」と明言した》=毎日jp=。

 東電福島原発の事故を見れば、「脱原発」は自明のことだ。だが、菅政権はそれを言い出せない。だから議論が混乱する。

 「原発は新設しない。完成まであと1年の島根3号機の工事も打ち切る。耐用年数を60年とした通知は撤回し、40年に戻す。よって北電泊原発3号機が寿命を迎える2049年12月をもって、わが国から原発はなくなる」。政府がこう宣言すればいいのだ。そこをあいまいにしているから、性急な議論になり、動いている原発まですべてを今すぐ止めるというような話になる。

 国内に54基ある原発は、立地条件やタイプなどが異なり、それぞれ違った対応が求められる。危険性も個々に違うだろう。もっと冷静に議論が進められないものか。

 停止中といっても柏崎刈羽のように地震の影響で止まったものから、定検まである。定検で止めた炉については、粛々と再開するのが筋だろう。ただし、日本の原発はすべて臨海部にあるため、津波対策は不可欠だ。近くに活断層などがないことも確認する必要がある。


 今ある原発は、さっさと稼動させたほうが被災地の復興にも役立つ。大阪府の橋下が喝破したように、電事連は「原発のない生活の大変さ」を現出させようと画策している。その手に乗らず、逆をいけばいい。 
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溶融する記者規範

2011-06-24 05:58:16 | Weblog
 報道するために撮影した写真を捜査資料として警察に提供していたのは、朝日だけではなかった。京都新聞の記者も「はいどうぞ」と差し出していた。滋賀県警と記者クラブの「良好な関係」が目に浮かぶが、記者の倫理溶融は見過ごすことができない。

 《大津市で今月起きた女性殺害事件で、京都新聞社は22日、同社滋賀本社の記者が容疑者(47)の逃走写真を滋賀県警に提供していたと発表した。

 同社によると、記者は自宅を出る容疑者の写真を撮影し、データをメモリーカードに入れて14日に県警側に渡したという。同社の記者行動規範では「職務上知りえた情報は、報道とそれに付随する活動にのみ使用する」と定めている。同社の寺升弘則総合管理室長は「報道機関としてはあってはならないことであり極めて遺憾なことです。事実関係をさらに調査し、関係者に対しては厳正に対処します」とする談話を発表した。

 この事件では、県警が容疑者を指名手配する際に、報道各社に情報提供を要請。朝日新聞記者が提供した写真が県警が逮捕協力を呼びかけるチラシに掲載されている。京都新聞社によると、提供写真はチラシには掲載されなかったという》=毎日jp=。

 滋賀県警の刑事課か広報が、クラブに「○○が写った写真あらへんか。1カットでいいから頼むわ」。こんなふうに持ちかけたのだろうか。それとも、個別に当たったか。いずれにしてもなめられた話だ。「頼めばもらえる」と思われていたとは情けない。

 写真ですらこれである。取材の内容となると、もっとじゃじゃ漏れになっている可能性が高い。こんなことでは記者に本当のことなど話せなくなる。件の記者らは、こういった感覚がまったくなかったとしか思えない。

 滋賀県で起きた小さな出来事と片付けるわけにはいかない。全国のどこでも、全国紙であろうが地方紙であろうが、はたまたテレビであろうが、メディアと警察の癒着が進行しているということだ。原発報道では、東電と政府情報の垂れ流しが続いている。いやー、あちこちメルトダウンですな。
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善良な?朝日記者

2011-06-21 06:27:35 | Weblog
 いやー、朝日新聞にもこんなに善良で素直な記者がいたのかと、思わずうなった。取材で撮影した写真を捜査資料として警察に差し出した大津支局?の記者のことだ。

 《大津市で今月起きた女性殺害事件で、滋賀県警が作成した逮捕協力を呼びかけるチラシに朝日新聞記者が撮影した容疑者(47)の逃走写真が使われた。県警は逃走時の服装が分からず、殺人容疑で指名手配の際に情報の提供を報道各社に要請、記者が写真を提供した。チラシには「犯人が実際にバイクに乗車している画像」という説明書きで2枚の提供写真が掲載されており、そのうちの1枚。

 この写真は、容疑者が13日早朝に自宅からバイクで逃走したところを、取材中だった記者が撮影した。チラシはホテルや旅館などに配られたという。朝日新聞は16日付の滋賀版で、容疑者が逃走する同様の写真を掲載し、情報提供を呼びかけた。

 朝日新聞の規定では、「取材結果を報道目的以外に使わない」と定めており、写真提供はこれに触れる恐れがある。

 容疑者は17日未明、岐阜市内で逮捕された。逮捕時、容疑者は逃走時の服装だったという。

 県警は「本件は凶悪事件であり、被疑者に関する情報を早急に公開し、その情報を幅広く求めるために(チラシに)使用した」というコメントを出した。

 渡辺雅隆・大阪本社編集局長の話 殺人事件への捜査協力のためとはいえ、取材で撮った写真を提供し、結果として報道目的以外の使用となりました。関係者に対しては厳正に対処します》=朝日com=。

 地方の総局や支局で事件を担当しているとすると、件の記者は入社5年未満の若手と推察できる。「取材で得られた情報は報道目的以外には利用しない」という鉄則を忘れるには若すぎる年齢だ。それとも、朝日はその種の教育はしていないのだろうか。

 おそらく、この記者に悪気はない。捜査に協力するのは国民としての義務だと思っているかもしれない。社としては「厳正に対処」する方針らしいが、さてどんな処分になるのやら。

 当該の記者より、支局長やこの子を教育した部門の責任が問われる。もっと言えば、朝日新聞のいまの体質が問題とされるべきだろう。ストレートニュースを投げ捨て、社説を埋没させる新聞とは何か。ジリ貧朝日の正念場が続く。
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関電「節電」の意図

2011-06-11 06:47:22 | Weblog
 この夏の電力不足は、東日本にとどまらず関西にも波及することが必至となった。美浜原発などの再稼動が難しい状況から、関西電力が「15%の節電が必要」と需要家に呼びかけている。

《関西電力は10日、管内の企業、家庭などに対し、電力需要が増える7月1日から9月22日まで、昨夏のピーク時に比べて15%程度の自主的な節電を要請すると発表した。停止中の原発の再稼働が遅れ、夏場に電力不足に陥る恐れがあるため。関電が節電を要請するのは第1次石油危機の1973~74年以来。節電の時間帯は平日の午前9時~午後8時で、企業や一般家庭などすべての利用者が対象。お盆の8月12~16日は除く。東日本中心だった節電の動きが関西にも波及した形で、企業の操業計画見直しは避けられず、西への生産シフトの動きにも影響しそうだ。記者会見した八木誠社長は「停電を回避するための苦渋の決断だ」と説明。東京電力に実施している電力融通を7月以降は中止し、中国電力に関電への融通を求めたことも明らかにした》=共同=。

 関電の説明はかなり胡散臭い。原発の再稼動が難しい状況なら、まずこれを動かす方策を考えるべきだろう。そうしないで、停止を前提とした節約に訴える。大阪府の橋下知事が言うように、「原発がないと大変だ」とアピールするための戦術に思える。

 《関西電力の節電要請について、大阪府の橋下徹知事は10日、報道陣に、関西広域連合が夏季の5~10%の節電方針をすでに決めていることに触れ「この期に及んで15%カットはありえない。お願いするなら好きなようにやってほしい。大阪府は協力しない」と述べた。「15%カットしなければ停電するのか、関電は何も根拠を示していない。(節電を強調して)原発の必要性を訴えようという意図を感じる」と不快感を示した》=毎日jp=。

 国内の原発は現在35基が定期検査などで停止中だ。現在動いている炉も順次、定検入りしていくので、再稼動がない限り来年の夏までにはすべての炉が止まってしまう。こうなると、経済や家庭生活の大きな影響が出るのは避けられない。

 電事連が目論んでいるのは、この夏、電力不足がいかに大変かを味わわせ、「やっぱ原発いるよね」の世論を喚起することではないか。再稼動への動きの鈍さは、こうした事情によるとも考えられる。

 それもこれも、政府が機能していないからだ。

 菅がいま打ち出すべきは「30年後(15年後でも20年後でもいいが)には原発を全廃する。再生可能エネルギーの創出に総力を上げる。そのためには、今ある原発のうち、立地条件や老朽度に問題のない炉については、安全性を確立した後フル稼働させる」という大方針だろう。

 全廃までの筋道をはっきりさせることが肝心だ。

 政界の菅降ろしの動きには、エネルギー政策を含め大きな国家戦略上の思惑が絡んでいそうだ。その意味で、橋下の嗅覚はなかなか鋭い。これで政治センスがあればいいんだが…。

  
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米中サイバー戦争勃発か

2011-06-07 06:07:30 | Weblog
 米グーグルは今月1日、同社のメールサービス「Gメール」を利用している数百人が中国を発信源とするサイバー攻撃を受け、パスワードを盗まれるなどの被害を受けたと公表した。

 中国や北朝鮮は以前から、米国などに対してハッキングや破壊工作などのサイバー攻撃を行っていると指摘されている。グーグルが中国から撤退した要因の一つは、こうした中国の「いやがらせ」に対する抗議とも見られていた。

 ここにきて米国は、「サイバー攻撃は戦争行為」と宣言、武力による報復もちらつかせるなど強硬な姿勢を見せている。さまざまな警告を行っても中国には「蛙の面にションベン」と感じたからだろう。

 《米連邦捜査局(FBI)は、米インターネット検索大手グーグルが提供する電子メールサービス「Gメール」がサイバー攻撃を受けた問題で本格的な捜査に乗り出す。中国政府は二日、「中国山東省済南市が攻撃の起点」とするグーグルの申し立てを強く否定したが、米国では中国の関与を疑う声が広がっている。

 クリントン国務長官は同日、事件についてグーグル社から発表前に報告を受けていたとした上で、「非常に深刻な問題と受け止めている」と強調。FBIが近く捜査に着手することを明らかにした》=3日・東京新聞=。

 先月末、米国防総省は「サイバー戦略」を初めて公表し、「外国からのサイバー攻撃は、各種の紛争関連の法規に照らし、通常の戦争行為と同様に対処できる」との見解を明らかにした。サイバー攻撃を行う可能性のある「仮想敵」は明示していないが、中国を念頭に置いたものであることは疑いない。

 2年前、米議会の検討委員会が「中国(政府)は米政府・企業の機密情報を盗み出すため、米国のコンピューター網への侵入を組織的に展開している可能性が高い」と指摘している。

 今回のグーグルへの攻撃に対して中国政府は「中国のせいにすることは受け入れられない」と反発。「法に基づいてインターネットを管理しており、むしろ中国はハッカーの被害者だ」と述べている。

 《中国の梁光烈国防相は5日、当地での講演後の質疑で、米国などを狙ったサイバー攻撃で中国政府の関与が疑われている問題について、「中国でもサイバー攻撃が頻繁にある。

 発信源は分からない」と述べ、自らも被害者だとする立場を強調した。

 講演でも「中国はネットの安全を重視している。あらゆるサイバー犯罪に断固として反対し、法律に基づき取り締まっている」と主張した=読売online》>

 サイバー攻撃に対する米国の反撃がどのような態様になるかは不明だが、双方が国政や軍事の中枢にサイバー攻撃を掛けるような事態となれば、何が起きるか分からない。恐ろしい話である。

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韓国もなかなか大変らしい

2011-06-04 06:35:32 | Weblog
 わが国政界のバカ騒ぎにはほとほとあきれる。民主党の面々は、はっきり言って子どもだ。とりわけ鳩山。「ペテン師」「うそつき」と繰り返すぶざまさに気が付かないのだろうか。何億もの子ども手当てを知らなかった? 御仁だから鈍いのは間違いないのだろうがそれにしても…。国会審議の場で辞任の「じ」も吐かない菅の神経も人間のものとは思えない。民主党も魑魅魍魎の巣窟だったか。

 で、隣の韓国である。こっちもいろいろ大変らしい。でもなんとなく政治をやっている雰囲気は伝わる。対北交渉といい、口パク禁止といい、稚拙で直情的に見える。これが韓国のいいところかもしれない。

 《北朝鮮の国防委員会報道官は1日、5月9日に北京で秘密接触した韓国側が来年3月までに計3回の南北首脳会談開催を提案したと明らかにした。朝鮮中央通信が伝えた。韓国側は軍哨戒艦沈没と延坪島(ヨンピョンド)砲撃の両事件の謝罪を玉虫色にしてもいいと表明したが、北朝鮮側は首脳会談を拒否したという。

 北朝鮮が南北秘密接触の内容を暴露するのは異例。韓国統一省報道官は1日「われわれの真意を歪曲(わいきょく)した一方的な主張で、対応する必要はない」と否定したが、韓国で波紋が広がるのは必至。北朝鮮政策をめぐる韓国内の対立をあおり、李明博(イミョンバク)政権をゆさぶる狙いとみられる。

 国防委報道官によると、韓国側は秘密接触で5月下旬ごろ、首脳会談準備のための南北閣僚級会談を開き、南北首脳会談初回を6月下旬に板門店で、2回目はその2カ月後に平壌で、3回目は来年3月にソウルで予定されている第2回核安全保障サミット期間中に開くよう提案したという。

 昨年起きた軍哨戒艦沈没などで韓国は北朝鮮の謝罪を求めてきたが、秘密接触では「北側からは謝罪に見えず、南側では謝罪と受け取れる折衷案をつくろう」と提起した。北朝鮮側が「謝罪を前提とした」首脳会談を論議する必要はないと拒否すると、韓国側は「せめて遺憾の意を表明してほしい」と迫り、金が入った封筒まで差し出したと国防委報道官は指摘した》=中日新聞=。

 韓国の当局者が暴露に憤慨していたとの報道があるから、秘密接触や金銭入り封筒の提示は事実なのだろう。こうしたやり方は今回が初めてではないと思われる。前例がないのに、「賄賂外交」に踏み切ったとなれば、青瓦台が直接指示したという筋が浮かぶ。いったいいくら入っていたのだろう。交渉者への金ではなく金正日宛てと考えれば、それなりの金額になるはずだ。

 かと思えばこんなユニークな法律案が、マジで提案されている。整形大国である韓国では「見た目文化」が爛熟期を迎えているということか。

《韓国国会で、歌手がコンサートなどで録音を流して実際には歌わない「口パク」を禁止し、違反者には罰金を科す法案が提出され、話題になっている。

 法案を提出したのは野党、自由先進党の李明洙議員。李議員は、最近の芸能界が「歌唱力よりビジュアル重視の歌手を養成している」とし、実際には公演で歌わないケースが横行していると批判。歌手が口パクをした場合には1年以下の懲役または1千万ウォン(約75万円)以下の罰金を科すとする公演法の改正案を、5月13日に提出した。

 韓国では、少女時代やKARAなど日本でも人気のガールズグループを中心に、激しいダンスを披露する歌手ユニットが次々とデビュー。一方で、口パクが頻繁に行われているとの指摘が数多く出されていた》=共同=。

 かつての日本も口パク天国だった。NHKの紅白歌合戦だけは口パクを許さず、紅白出場が決まってから歌の特訓をしたなどという笑い話もある。

 口パクの横行は韓国芸能界の進化を物語る現象だろう。こんな法案が通るとは思えないが、どんな議論をするのかについては興味がある。メディアのフォローを期待したい。

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