酔眼独語 

時事問題を中心に、政治、経済、文化、スポーツ、環境問題など今日的なテーマについて語る。
 

「パリ協定」日本抜きで発効!

2016-10-05 17:03:42 | 政治
2020年からの温暖化対策を定めた国際ルール「パリ協定」が11月初めに発効することが確実となった。米中2大排出国に加え、世界4位の温室効果ガス排出大国であるインドも批准を決定、近く批准手続きを終えるEUと合わせると発効の条件とされる排出量の55%を上回ることが確実になったためだ。批准国による締約国会議は11月7日にモロッコで開かれる。

 ところがである。5月の伊勢志摩サミットで「パリ協定の早期発効を目指す」との首脳宣言をまとめた日本は、この会合に参加できないというのだ。

 《山本公一環境相は5日の参院予算委員会で、2020年からの地球温暖化対策の国際ルールを定めた「パリ協定」について、日本は国会での承認手続きが間にあわず、11月7日にモロッコで始まる国連気候変動会議(COP22)での締約国会合に参加できないとの認識を示した。民進党の福山哲郎氏の質問に答えた》=朝日Web=。

 未だに批准案を国会に提出する準備が出来ていないとは驚きだ。各国での批准がこれほどサクサク進むとは読んでいなかったためなのか? 外務省の情報収集能力の低下を物語る出来事といえよう。

 この問題をめぐるメディアの対応も面白い。「政府機関紙」の感がある読売はほぼ一貫して無視を決め込んでいる。朝日は先月半ば頃から「日本が取り残される恐れ」との観測記事を書き、日経は「さっさと批准して温暖化対策を先導しろ」と政府の尻を叩く。ユニークなのは産経で「慌てて批准するな」と警鐘を鳴らす。①温室効果ガス削減余地の大きい米中と日本を一緒にはできない②原発のフル活用が見通せない状況で過度な約束をすべきではない-などがその理由だ。

 批准への地ならしがスピード感を欠いているのは、果たしていかなる事情によるのか。外務省の無能、批准への逡巡それとも安倍クンのリーダーシップの欠如か。もっとも安倍晋三にとってパリ協定などちっぽけな事柄かもしれない。今国会の所信表明でも触れていなかったもんね。


 
コメント
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