酔眼独語 

時事問題を中心に、政治、経済、文化、スポーツ、環境問題など今日的なテーマについて語る。
 

「大学新テスト」腰砕けは必至か

2014-12-24 16:40:12 | 社会
 中央教育審議会が大学入試改革に動き出したらしい。

《中教審(安西祐一郎会長)は22日、大学入試センター試験を衣替えし、知識の活用力をみる「大学入学希望者学力評価テスト」を導入する大学入試改革案を下村博文文部科学相に答申した。各大学の個別試験はペーパーテストの点数だけでなく、小論文や面接などを活用して多面的に選抜するよう求めた。

 知識偏重の入試から、思考力や主体的に学習に取り組む姿勢を評価する入試への転換を図るとともに、高校生の学力到達度をみる「高校基礎学力テスト」も新たに導入し、大学入試の抜本改革を打ち出した。実現すれば1979年に共通1次試験が導入されて以来の大改革となる》=共同=。

 教育改革といえば安倍首相肝いりの教育再生会議が思い浮かぶが、中教審の今回の答申には改革の主導権を取り戻したいとの中教審(文科省)の思惑も透けて見える。答申は現行の入試を「知識偏重」と決め付けているが、学力とは「知識の総和」ではないか。「知識の活用力をみる」などとうたっているが、もともとの知識がなければ活用などありえない。

 活用力をみる試験問題を誰がどうつくるのか。相次ぐ大学の不祥事を見れば、大学そのものが知的後退に陥り、無責任化しているのは疑いない。こんな連中が活用力を見定めるなど笑止である。

 数万人が受験する大規模大学がきめ細かな面接を行えるわけもない。小論文にしても正確に読み取り評価するとなると、実施できるのは小規模大だけではないだろうか。

 おそらく中教審は答申通りに事が運ぶなどとは考えていまい。これから再生会議と中教審の綱引きが始まるだろう。行き着く先は…。政治に弄ばれる受験生こそいい迷惑だ。小学生を持つ教育ママたちの中には、傾向と対策に乗り出す人もいるに違いない。
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「史上最低」の衆院選

2014-12-15 09:50:56 | 政治
 今朝の朝刊各紙には「自民圧勝」の見出しが躍っている。第47回衆院選の結果は確かにその通りなのだが、実は公示前の勢力を維持しただけ。いかにつまらない選挙だったかを如実に示す結果といえよう。史上最低の投票率52%となったのも必然だ。

 安倍晋三及びその指南役らが「今なら負けを最小化できる」として踏み切ったのが今回の総選挙である。安倍が勝敗ラインについて「与党で過半数」と言い続けたのも、圧勝の確信がなかったからにほかならない。

 選挙を民主主義の道具と位置づけるか、戦争の一手段と捉えるかで解散の打ち方も変わる。国士を自任しているらしい安倍は後者であろう。解散に大義など不要、最も勝ちやすい=負けにくい時期にやることだ-これが安倍らの考え方である。覇道ではあるが、戦略として間違ってはいない。これに対して「大義がない」などと歯向かっても意味はない。もともと大義など求めていないのだ。

 自民党は解散前より4議席減らし、公明党は現状維持、民主党は11議席増で維新は1議席減。定数減を考慮すれば各党とも横ばいといったところ。目立つのは3倍近く議席を増やした共産党ぐらいのものである。

 巨大与党にもアキレス腱はある。全滅した沖縄はその象徴だろう。普天間移設は挫折を強いられよう。景気もピークを打ってこれからは円安のマイナス面が目立ってくる。「圧勝」から「政権放り投げ」への道は意外に近そうだ。
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