酔眼独語 

時事問題を中心に、政治、経済、文化、スポーツ、環境問題など今日的なテーマについて語る。
 

数億億で「相場操縦」ができるの?

2009-09-30 05:49:50 | Weblog
 たかがデイトレーダー、されどデイトレーダーということか。早稲田OBの投資家連中が東京地検特捜部にひっくくられた。株価操縦が逮捕容疑である。

 《早稲田大の投資サークルOBらで構成するデイトレーダー(短期取引を繰り返す個人投資家)のグループが、インターネットを通じた株取引で東証1部上場株の株価を意図的につり上げたとして、東京地検特捜部は29日、証券取引法(現・金融商品取引法)違反(相場操縦)の疑いで、リーダーの無職松村直亮容疑者(27)ら3人を逮捕、関係先を家宅捜索した》=共同=。

 仕手筋による株価のつり上げなどは日常茶飯事だと思っていた。証券規制が強化された結果だろうが、今回の手口と同様のケースはまだ無数に存在するのではないか。「見せ玉」を使ったのが犯罪に当たるということらしいが、素人にはよく分からない。
 
 《発表などによると、3人は06年6月19日、東証1部の日立造船株と三井鉱山(現・日本コークス工業)株について、実際は買う意思がないのに大量の買い注文を出す「見せ玉(ぎょく)」と呼ばれる行為で、日立造船株を7円、三井鉱山株を12円つり上げた後、事前に購入した両社株計240万株を売り抜けた疑い。
 捜査関係者によると、3人は値動きの少ない銘柄を狙って大量の資金を投入。数分から十数分単位で株価を小幅につり上げ、確実に利益を上げていたという。特捜部は、今回の事件でも、3人が数億円を投じていたとみている。
 証券取引等監視委員会は29日、3人を同法違反容疑で同地検に刑事告発した。》=読売ONLINE=。

 それにしても驚くのは、数億から10億円程度の資金で株価が10数円も上がることである。機関投資家や外人買いはこの数倍だろう。市場がいかに危うい存在かがよく分かる。アメリカでは「高周波取引」などと称される超高速取引があって、証券会社は顧客の注文を受け、それを市場に伝える間の100分の1秒を利用して儲けているという(最近禁止されたとの報もある)。

 金に目をくらませた若者を摘発して正気に戻すのもいいが、証券会社やファンドの取引に違法性はないのか。厳しく取り締まるべきはこっちだろう。たたきやすいのを挙げて「一罰百戒」では困ります。
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谷垣では変われない

2009-09-29 06:22:15 | Weblog
 政権党から転がり落ちた野党自民党の新総裁に谷垣禎一が就任した。93年の細川政権樹立で下野したときは河野洋平が総裁だ。野党になると「ハト派」を選ぶ。これは自民党の修正能力、本能なのか。

 《自民党は28日、党本部で麻生太郎前首相の後継を決める総裁選挙を実施した。谷垣禎一元財務相(64)が党所属国会議員票120票、党員投票に基づく地方票180票の計300票を獲得し、両院議員総会を経て第24代総裁に選出された。「野党自民党総裁」は1993年の河野洋平氏(前衆院議長)以来2人目。谷垣氏は会見で、「影の内閣」や総裁直轄の「政権構想会議」(仮称)を設け、政権奪還を目指す考えを鮮明にした》=毎日jp=。

 総裁選の論戦が「派閥解消」「世代交代」などの内向きのテーマに終始したため、谷垣が何をやりたいかはさっぱりわからない。持論の「絆」は鳩山の「友愛」と区別がつかない。

 昨夜の「NHKニュースW9」にナマ出演した谷垣にキャスターの田口五朗が「温室効果ガス25%削減」「八ツ場ダム中止」「国営メディアセンター」についての考え方を聞いていた。こんな質問を選ぶNHKディレクターのセンスもどうかと思うが、谷垣の答えっぷりも情けない。

 民主党政権が示した方針は基本的に理解できる。ただ、やり方がどうも…。谷垣の話を要約すればこうなる。それはそれで一つの見識という見方もあるだろう。だが、野党自民党の首領がこんなに物分りが良くて、鳩山・一郎と戦えるのか。

 考えてみれば、谷垣は戦うイメージとは遠い。繰り返し映像などで流される9年前の「加藤の乱」の愁嘆場が印象に残っているせいかもしれない。谷垣は加藤紘一の秘蔵っ子だ。その加藤は、例の乱のとき「菅さん鳩山さんとも連絡を取り合っている」と語っていた。

 鳩山由紀夫は小泉純一郎が首相に就任した際の国会代表質問で「自民党があなたの改革に反対するのであれば、私たちが後押しする」とエールを送っている。政策の違いなどもともとないに等しいのだ。

 自民党の当面の元凶は森喜朗である。「派閥は議員教育のために重要だ」という。こんな人物に指導されて、どんな議員が育つというのか。谷垣が森の影響力を排除できるかどうか。加藤の乱は森への不信任決議をめぐっての事件だ。森はいわば仇敵である。さわやか谷垣などとよいしょされてニコニコしていてはいけない。自民党の大掃除に乗り出すべきだ。
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土井正三氏を悼む

2009-09-26 09:09:49 | Weblog
 巨人V9時代の二塁手、2番打者としていぶし銀の活躍を見せた土井正三氏が死去した。まだ67歳の若さだった。ご冥福をお祈りする。

 《巨人V9時代の二塁手として活躍し、オリックスの監督も務めた土井正三氏が25日午後零時24分、膵臓(すいぞう)がんのため都内の病院で死去した。67歳。兵庫県神戸市出身。通夜は28日午後6時から、葬儀・告別式は29日午前10時30分から、いずれも東京・大田区の池上本門寺で行われる。喪主は長男・健一氏》=デーリースポーツオンライン=。

 立教で巧打堅守のショートとして鳴らした土井は1965年に巨人に入団、同じポジションを争うことになる広岡達郎に強烈な一撃を食らった。自慢の守備をけちょんけちょんにけなされたのだ。

 捕球する際のボールの殺し方がなっていないという。「ヘイ、坊や。グラブの中で球を殺しているのがスタンドからでも見えるぜ。そんなのプロじゃない」。

 生来負けん気の強い土井はこれで発奮したらしい。広岡のボール処理を徹底的に盗んだという。打撃もカッコいいとは言いがたい。最短距離でバットをボールにぶつけていくようなスタイルだった。つなぎに徹する2番打者、バントは名人級だった。

 巨人V9を語るには欠かせない一人であるのは間違いない。

 あらためてV9メンバーを思い浮かべて、その個性派ぶりに驚く。野球の技量はもちろん、「俺が大将」の自負がそこにはあったと感じる。黄金期のスタメン野手のうち実に6人までがその後監督に就任している(黒江は代行)。投手の堀内も入れれば8人になる。

 しっかりした野球観を持った選手が集まると強いということだろう。逆に言えば技と力が優れていても、「勝利の方程式」が頭に入っていない選手だけではチームとしての力が出ないということだ。長島監督以降の強引な補強が必ずしも戦績に結びつかなかったのはその証左だ。

 個性派揃いというと、V9の前、黄金期の西鉄を思い出す。野武士軍団と呼ばれたチームである。二日酔い、朝帰りなんでもありの豪傑球団だったらしい。でも、このチームからも監督が輩出している。大下、中西、稲尾、仰木、関口、川崎…。いま日経で健筆を振るう豊田や名投手コーチ、解説者だった河村もいる。

 強いチームとはV9の巨人やこの西鉄のようなチームを言うのだろう。

 翻っていまの各球団はどうだろう。スマートでハンサムな好青年と外国人が目立つ。反面、たくましさには乏しい。怪我や故障も多い。ガラス細工と感じてしまうのは、当方が古い人間のせいだからか。

 
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「非核」決議と核の傘

2009-09-25 05:57:16 | Weblog
 国連安保理の首脳特別会合が「核兵器なき世界」の条件づくりを目指す決議を全会一致で採択した。米国のオバマ大統領が議長を務める異例の会合での、画期的な決議である。だが、次の展開は? となると途端に先が見えなくなる。

 《国連安全保障理事会は24日午前(日本時間同日夜)、核不拡散・核軍縮に関する初の首脳会合を開き、米国提案の「核兵器のない世界」を目指す決議を全会一致で採択した。議長のオバマ大統領は「この歴史的な決議は、核兵器のない世界を目標にした我々の共通の誓いだ」と述べ、核軍縮の理念を各国が共有し取り組むと宣言した。非常任理事国の日本の鳩山由紀夫首相も出席、「唯一の被爆国として果たすべき道義的責任」を掲げ、非核三原則を堅持し、世界の先頭に立って核廃絶に取り組む決意を表明した。

 米大統領が安保理首脳会合を主宰したのは初。同首脳会合は92年からこれまでに計5回開催されたが、核不拡散と核軍縮に特化したものは前例がない》=毎日jp。

 この決議で注目されるのは、非核地帯条約を設けることに賛成、と表明していることだ。アメリカはこれまで非核地帯構想や条約に反対の立場だった。米軍の核戦略と絡むからだ。これを一変させた。東欧MDを中止したことなどと同一線上にあると考えられる。オバマはかなり本気で「核廃絶」を考えているのではないか。

 そうはいっても、列強の安全保障戦略が核兵器を前提に組み立てられていることも事実だ。廃絶までの長い長い道のりが続くことになる。アメリカの核の傘に依っている日本の立場も問われそうだ。

 だいたい、「核の傘」などという言い方がおかしい。「核の傘」と聞けば防御的なイメージが沸くが、軍事の世界では防御と攻撃は等価だ。核先制使用の放棄に関して、自民党政府が「米国にそのようなことを求めることはあり得ない」と述べていたのは記憶に新しい。

 核の傘は敵国への威嚇でもある。「わが国の核兵器開発は“抑止力の強化”のためだ」という北朝鮮の主張も、全く的外れとはいえまい。

 鳩山政権が「核の傘はいりません」などと口に出すことは100%ないだろう。それを前提に、唯一の被爆国としての断固たる決意を打ち出す。かなりアクロバット的な論理と決断が求められそうだ。
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巨人V3は当然だ

2009-09-24 06:04:22 | Weblog
 プロ野球セ・リーグは巨人が早々と3連覇を決めた。勝率.669、2位中日に11ゲーム差を付けての圧勝だった。

 でも、これでクライマックスシリーズや日本シリーズも勝ち抜けるかとなると、また別問題だ。

 巨人の強さの源は層の厚さにある。各チームとも一線級の戦力は拮抗している。しかし、長いシーズンには故障や不調がつき物だ。ここで戦力の分厚さがモノを言う。この布陣を支えるのが人気と金の力による引き抜きにあることは、今も昔も変わらない。

 グライシンガー、クルーンらの投手陣、小笠原、ラミレス、谷…。この戦力で勝てない方がおかしい。

 亀井や坂本らの新戦力が本物になるかどうか。3年続けて好成績を残して初めて一流の仲間入りをしたといえるだろう。

 原を評価する声があるが、大いに疑問だ。長島亜流の感覚野球の域を出ない。

 部数で伸び悩み、押し紙裁判に苦しむ読売新聞の広告塔になっているうちは本当のプロ球団にはなれない。サッカーのヴェルディ同様、巨人も読売グループから離れた方がいい?!

 これだけ強い勝ち方をして、クライマックスで負けたらナベツネが何と言うか。ちょっと楽しみだ。
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閣僚会見は楽しめました

2009-09-17 20:33:56 | Weblog
 第93代の首相に鳩山由紀夫が就任した(古い!)。

 小泉純一郎から数えて5人連続の2、3、4世政治家が首相に就いたことにあらためて驚く。しかも。安倍以降は父親や爺様が首相を務めた家系だ。日本の政界は根の張り方が極めて狭い。これでは強風が吹けばひとたまりもない。

 昨夜は鳩山政権発足を祝って?! かなりいただいたのだが、認証式後の閣僚会見はテレビで見ることができた。「政治主導」とかで会見時間がずれ込んだお陰である。

 いまの民主党が並べられるほぼベストの顔ぶれが出揃った感がある。ほかにと問われれば、当ブログ一押しの枝野幸男と野田佳彦がいるぐらいだろう。そのせいか、会見はなかなか見ごたえがあった。官僚のペーパーがなかったのも良かった。

 出色は閣内最高齢の藤井裕久だ。「これが終わってからだな」。会見台の前でICレコーダーを並べたり取ったりする記者団を眺めながらぽつり。この程度の子どもたちと付き合うのかという思いがにじみ出ていた。

 「昔の先輩からは『行政官は政治に関与してはいけない』と習いました。その基準が破れたため、霞が関(の力)がだんだんと増強した。行政官が省を代表する会見をすることを許してはいけない」。新内閣が次官会見を廃止するとしたことへの意見を求められての答えだ。一面の真理ではある。

 情けないのは記者団だ。質問に内容が乏しい。仙石由人に「まず何からやりますか」と尋ねた某紙女性記者がその際たるものだ。その前の仙石の発言を聴いていなかったと見える。でもさすがは大人の仙石、もう一度繰り返して説明していた。

 メディアの政治部では自民党担当の平河クラブをはじめ、政府与党取材が花形だった。エース級はすべてここに投入されてきたといってもいいだろう。それが機能しなくなった。衆院選での政権交代を見越して徐々に人の配置をしているのだろうが、手薄間は否めない。無様な会見となった一因だ。

 新内閣の支持率はかなり高い。

 《毎日新聞は16、17日、鳩山内閣の発足を受け緊急の全国世論調査を実施した。内閣支持率は77%に上り、発足後最初の調査では小泉内閣の85%(01年4月)に次ぎ歴代2位の高水準となった。非自民勢力が結集して誕生した細川内閣発足時(93年8月)の75%も上回った。政党支持率でも民主党が過去最高の45%(衆院選投票前の8月26、27日に実施した前回調査比6ポイント増)となり、逆に自民党は過去最低の12%(同8ポイント減)まで落ち込んだ》

 共同も74%と速報している。思い切ったことをやるなら、いまのうちだ。小沢との二重権力とかさまざまな懸念があるが、すべては鳩山の決断力に懸かっている。「未知との遭遇」と鳩山は表現したが、宇宙人と遭遇しているのは我々である。宇宙人なら多少、あるいは大いにとっぴなことを言っても許される。ぶら下がり取材を縮小するなどとケチなことは言わず、大いに電波を発してほしい。
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9年連続200安打

2009-09-15 05:19:17 | Weblog
 イチローが9シーズン連続200安打の大リーグ記録を打ち立てた。108年ぶりのことだという。

 メジャー通産2000本安打を達成したときイチローは「試合数が多いので云々」と言っていた。94年には日本でも200本を打っている。162試合で打つことはさほど難しいことではないだろう。だが、9年続けるとなると誰もができることではない。

 何より、ほぼすべての試合で出て、打席に立たなければ記録は覚束ない。ここがすごいところだ。怪我をしない。というより、使ってもらわなければ話にならない。欠くべからざる選手であり続けるということだ。

 でも、天邪鬼の当方としては、記録は記録として認めつつ注文も大いにある。いまのイチローは打撃の真髄とは程遠いと思っているからだ。

 記録達成の一打はショートへの内野安打だった。バットの根元に当たった打ち損じである。前田智徳ならセーフになった後、悔しがってスパイクでベースを蹴り上げていたかもしれない。

 ここからはそれこそ「酔眼独語」である。

 イチローはどこまで意識して内野安打を打っているのか傍目には分からない。彼自身も解説はしない。当たり損ねと狙い打ちは明らかに違う。その意識がイチローの中にあるのだろうか。結果オーライではつまらない。

 かつてイチローは「意識して空振りする」と言ったことがある。打ってもヒットになりそうもない球にバットが出たとき、一瞬の判断で当てずに空振りできれば次にまた打ち直すことができる、という趣旨だ。

 これは内野安打の思想ではない。完璧の打撃を求めているから言えることだろう。その考えがズレてきている。そう思うのは当ブログだけだろうか。

 究極の打法とは何か。自分が完璧に打てる球を待って、完璧に打ち返すことに尽きる。狙った球以外はカットする。イチローはどんな球にでもバットを出す。いいところに転がれば安打になると思っているのだろう。

 これは野球や打撃に対しての哲学の問題だから、周りがとやかく言うことではない。でも、天才的なバットコントロールと並外れた動体視力を誇るイチローなら、打率・350は物足りない。4割超えと連続安打記録の更新を期待したい。

 162試合連続安打、10打席連続安打、しびれるねえ。

 会心の当たりが正面を突くことがあるのも野球だ。当たり損ねの安打より会心の凡打に快感を感じるイチローがいてもいい。足、肩、打撃三拍子そろってこそのイチローだから、どれか一つが欠けてもバットを置き、スパイクを脱ぐだろう。でもあの節制ぶりだ。あと10年ぐらいはプレーできる。昨日のNHKラジオで山田久志は「45までやるといっていた」と話した。ワカマツ監督は「50歳」という。あと10年今の状態でプレーできれば、ピート・ローズの4256安打を抜くことは不可能ではない。

 それも見たがテッド・ウィリアムズ以来60年以上も生まれていない4割打者の出現も見たい。ローズの年間200安打10年を超えた後は、四球を選んで夢の4割に挑戦してほしい。
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世襲というより「七光り」

2009-09-14 06:17:36 | Weblog
 いまごろこんな記事を配信してという感があるが、確かに「日本異質論」が際立つ事態ではある。

 《16日召集の特別国会で民主党の鳩山由紀夫代表が第93代首相に選出されると、首相経験者を祖父や父に持つ“世襲首相”が4代続くという珍記録が生まれる。民主主義が定着した先進国では世襲のリーダー自体が珍しく、海外でも話題を呼びそうだ。

 90代首相の安倍晋三氏は、母方の祖父が日米安保条約改定で知られる岸信介氏。91代首相の福田康夫氏は親子2代で首相になった初のケースで、父赳夫氏が現職時代は秘書官を務めた。92代の麻生太郎首相は戦後復興に尽力した吉田茂氏の孫。

 鳩山氏の父方の祖父は、その吉田氏と激しい権力闘争を繰り広げた一郎氏で、日ソ国交回復を成し遂げ、自民党の初代総裁も務めた》=共同=

 麻生や鳩山は親の地盤を継いでいるわけではない。民主党の定義にも当てはまらない。だから“世襲”などと苦しい表現をしたのだろうが、ここは素直に「七光り政治家」と言うべきだ。鳩山自身「わたしは七光どころか二十一光」と公言している。

 国会議員の3分の1近くが世襲や七光り族だ。その中から選ばれる首相が同じような境遇になるのは当然だろう。それもこれも、選挙のなせる業だ。

 今回の衆院選では、民主党の有象無象が沸いて出て週刊誌をにぎわせている。これも極端だが、悪い傾向ではない。前歴、出自は問わずである。しかし、能力や人間性は厳しく問われなければならない。ここのチェックだできていない。風任せの選挙の弊害である。

 小選挙区制の下では人よりも党を選ぶことになる。政界から人物がいなくなったのは選挙制度の影響もありそうだ。博打やドミノ倒しのような制度はそろそろ見直すべきではないか。

 話は世襲、七光りだった。

 欧米の支配層=世襲・一族の類=は表に出ないで政治を操る。麻生や鳩山が「支配層」かどうかは論があろうが、権力の所在が分かりやすいという点では「日本に分がある」ともいえるのではないか。
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セメンヤ選手騒動

2009-09-12 09:00:33 | Weblog
 どうして世界選手権レベルでこんな問題が持ち上がるのか不思議だ。セックス・チェックはどうなっていたのか。

 《8月にベルリンで行われた陸上の世界選手権女子800メートルで優勝した南アフリカのキャスター・セメンヤ選手(18)について国際陸連が性別を調査している問題で、オーストラリア紙シドニー・モーニング・ヘラルド(電子版)は11日、セメンヤ選手が医学検査の結果、男女両方の生殖器を持つ両性具有だと判明したと伝えた。

 同紙によると、血液や染色体、婦人科の検査を行った結果判明したもので、セメンヤ選手には卵巣がなく、男性ホルモンのテストステロンを大量分泌する精巣が体内にあることが分かったという。セメンヤ選手は出生証明書では女性ながら、幼少時から男性的な身体能力があると指摘されてきた》=読売ONLINE=

 日本でも中学、高校の大会でとんでもない記録を出す女子が現れることがある。「声が低いよね」などと噂になり、いつの間にか競技の世界から姿を消す。半陰陽を疑われてのことだ。

 これは身体的障害の1つであり、本人には何の責任もない。早く見つけてきちんとした医学的対処をするしかない。ところが、指導者の中には、いい素材が見つかったとばかり、これを鍛えて記録を狙う者もいる。気づくのが遅れれば遅れるほど、傷が大きくなる。

 セメンヤ選手は女になりすましていたわけではない。普通に走って優勝しただけだ。両性具有だったなどと暴き立てることが許されるのだろうか。

 問われるべきは南アフリカの指導者連中だ。おかしいと気づいた段階で医学的な検査を受けさせ、アフターケアを始めるべきだった。

 彼女が陸上の才能に恵まれていなければ、こんな騒動には巻き込まれなかったに違いない。幸運と不運は紙一重だ。イタリアのトスカーナで200億円の宝くじを当てた人は、一体今ごろ何をしているのだろうか。
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クロマグロと王室の近似性

2009-09-10 20:56:28 | Weblog
 地中海と西大西洋のクロマグロ(本マグロ)が禁輸の対象になりそうだ。漁業規制ではなくワシントン条約に基づく種の保存がその根拠らしい。


 《欧州連合(EU)の欧州委員会は9日、大西洋・地中海のクロマグロ(本マグロ)の輸出入禁止を提案する方針を発表した。「絶滅の恐れがある動植物」としてワシントン条約の対象として定め、水産資源の回復が不可欠と判断した。欧州勢が輸出入禁止で足並みをそろえることで、最大の輸入国日本は厳しい対応を迫られそうだ。

 クロマグロはすしや刺し身に使われる高級マグロ。輸出入禁止はモナコが提案、EUは共同提案者となる。ディマス欧州委員(環境担当)は「大西洋を象徴する生き物の将来を守るため、緊急の行動が必要だ」と指摘した》=日経NET=

 当ブログでは、以前にも大西洋まぐろ類保存国際委員会(ICCAT)が漁獲規制案を公表した際「トロよりもヒカリモノを?」のタイトルで、外国からクロマグロを持ってこなくてもいいのではないか--と書いたことがある。

 この考えはいまも変わらないが、今回、EUがワシントン条約を持ち出してきたことには強い違和感を感じる。

 クロマグロが絶滅危惧種に当たると強く主張しているのはWWF(世界生物保護基金)である。今回の提案はモナコが主導したとメディアが報じている。なんでモナコなの? 人口3万人余、バチカンに次ぐ世界2番目の小国がなんで?

 モナコはアルベール2世が君臨する立憲君主国だ。世界の金持ちがすんでいる国でもある。この国がクロマグロ禁輸に積極的になる理由は見当たらない。

 ここからは(というより全編そうなのだが…)独断と偏見である。

 WWFは英国王室のエジンバラ公(エリザベスの亭主)が初代総裁で現在も名誉総裁を務める「英国王室御用達」の機関だ。アメリカ大金持ちもスポンサーとして名を連ねる。モナコはこのラインで口説かれたのではないか。

 自然保護や慈善運動は、その人物のいかがわしさをカモフラージュする絶好の隠れ蓑だ。日本の捕鯨を妨害するシーシェパードなどはその代表格だろう。

 イギリス王室や日本の皇室をはじめ、世界の「王様」たちはいつまでこの地位が安泰なのかと戦々恐々だ。どうすれば王室の権威を高め、世論の支持を取り付けられるか、日々知恵を絞っているのは間違いない。そこで「環境」「自然保護」が出てくる。昭和天皇、現天皇、秋篠宮、黒田さんに嫁いだ清子、いずれも生物学が趣味というのは偶然だろうか。

 クロマグロも王室も「絶滅危惧種」という点では共通している。やはり保護すべきなんだろうな?
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