酔眼独語 

時事問題を中心に、政治、経済、文化、スポーツ、環境問題など今日的なテーマについて語る。
 

NHK質問のとほほ

2016-06-02 08:54:36 | テレビ
 来年4月に予定されていた消費税引き上げを2年半先延ばしすると安倍首相が正式に表明した。理由は「世界経済のリスクを回避するため」だという。あれこれ並べ立てていたが、いずれも苦しい言い訳に聞こえた。

 《 安倍晋三首相は1日夕、第190通常国会の閉会を受けて官邸で記者会見し、2017年4月に予定していた消費税率10%への引き上げを19年10月まで2年半延期すると表明した。「危機に陥るリスクに手を打つべきだ。内需を腰折れさせかねない」などと理由を述べた。

 安倍首相は先月27日、主要国首脳会議(伊勢志摩サミット)閉幕にあたっての記者会見で、世界経済について「大きなリスクに直面している」との見方を示していた》=日経com=。

 二枚舌、三枚舌の安倍の言説についてはこの際置いておく。取り上げたいのは内閣記者会の面々による質問のくだらなさだ。ゆるゆるで話にならない。「参院選で信を問う」「勝利は改選議席の過半数」と述べた安倍に、なぜ「目標に達しなかったら辞任するのか」の質問を投げかけないのか。参院選敗北→下野という安倍のトラウマ、古傷を突く価値は大いにあると思うのだが…。

 最もひどかったのがNHK官邸キャップの原聖樹である。参院選の勝敗ライン、憲法改正などの質問が続いたあと「最後に」と指名されてやおらお伺いしたのがこれである。

 《(内閣広報官) 最後にもう一問だけいただきます。 では、原さん。

(記者)
 総理、伊勢志摩サミットでは、中間層が経済的な利益を得られるような財政出動ですとか投資を行うべきだという認識で共有されたわけなのですけれども、個人消費の伸びに力強さがないことに対して、中間層が細っているですとか、あるいは格差が拡大しているという批判がありますけれども、そういった御指摘に対して総理はどのように受け止められていますでしょうか。
 また、消費増税の延期と合わせて、中間層を分厚くするための経済対策を講じる考えはおありでしょうか 》=官邸HP=。

 原質問は官邸サイドと打ち合わせて行われた形跡が濃厚だ。質問に答える安倍はメモに目を落とし、細かい数字を上げてアベノミクスの成果を強調してみせた。「よくぞ聞いてくれました」というわけである。

 原は質問の冒頭名乗ることになっている所属を言わなかった。出来レースが見え見えの質問で「NHKの原です」と名乗るのが恥ずかしかったのだろう。岩田明子や原らは「官邸御用達記者」と呼ぶのがふさわしい。

 
コメント
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