酔眼独語 

時事問題を中心に、政治、経済、文化、スポーツ、環境問題など今日的なテーマについて語る。
 

羽生結弦、悪魔のささやき

2022-02-11 14:53:33 | スポーツ
なんだかんだ言っても始まってしまえばやはりオリンピックの威力は絶大だ。連日10万人近い感染者と150人前後の死者を数えるコロナ禍もものかは、新聞の一面には「○○が銀」などの大見出しが躍る。

 メディアが神のごとくあがめるのがフィギュアスケートの羽生結弦。メダルに届かなかったとはいえ、扱いの大きさや量では鍵山優真や宇野昌磨を圧倒している。11日発売の週刊文春や週刊新潮は「羽生特集」を組むほどだ。なかなか外に出かけられない今、家で歓声を上げガッツポーズを突き上げられる五輪観戦は、今まで以上に世間の関心が高いようだ。

 で、その羽生である。8日のショートプログラム、演技冒頭での4回転ジャンプがすっぽ抜けて1回転に終わるという致命的なミスを犯した。「ほかの選手が削った穴にはまった。氷に嫌われた」と羽生。本当にそうだろうか。多分そうなのだろう。が、ここでは羽生が悪魔のささやきにそそのかされてあえて失敗したという暴論を展開してみよう。

 今回の五輪を前に羽生は3連覇や金メダルについては口を閉ざしていた。呪文のように繰り返したのは「4A=クワッドアクセル=4回転半ジャンプを跳びたい」だった。4Aはまだ誰も成功したことがない技だ。しかし、勝つために必須の技というわけではない。成功の確率を考えればむしろ他の技を高水準で繰り出した方が勝利に近い。羽生が4Aにこだわったのは勝つためではなく、人類初の4A達成なのだ。4Aを最も劇的に演出する方法は? その時悪魔がささやいた。「ショートで失敗しなさい。フリーで奇跡が起きても届かないほどの失敗を!!」 エッジがくぼみにはまったと羽生は言うが、その後の演技はとてもそんなアクシデントに見舞われたとは思えない完璧さだった。こんなことがあり得るのか。

 10日のフリー。羽生は冒頭で4Aを跳んだ。が着地はできなかった。審判は「跳んだが失敗」とみなし、ジャンプそのものは4回転アクセルで、着氷もできた、と認定した。羽生にとってはめでたしめでたしの結末である。優勝したのは予想通りのネイサン・チェン。羽生がSPで失敗せず、4Aを成功させていても勝てたかどうかという圧巻の演技だった。

 羽生はフリー直前練習で左足首に触り故障しているという仕草を見せた。痛くなければ跳べたかも! と思わせる伏線とも考えられる。演技を終わりウイナーズ・シートに座った羽生のはしゃぎぶりも異様だった。悪魔のささやきが羽生を異常に高揚させたのか??

 事の真相は羽生以外には分からない。多分、全精力を出し切った結果というのが正解なのだろう。だが、SP大失敗の後の異様な落ち着きとフリー演技後の興奮ぶりは「何か」の存在を疑いたくなるに十分だ。裏を返せば羽生がそれだけのカリスマだということだろう。

 

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 今年の主役もコロナ(covid19... | トップ | 「国葬」って何? »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

スポーツ」カテゴリの最新記事