酔眼独語 

時事問題を中心に、政治、経済、文化、スポーツ、環境問題など今日的なテーマについて語る。
 

ゾンビ化する宮崎駿!

2017-05-20 08:53:37 | 話題
 2013年に何度目かの引退を宣言、今度こそ引っ込むかと思われていたアニメ監督の宮崎駿がまたまた現場復帰するという。これまで何度となく「やりたいことはやった」「もうアニメはおしまい」などと引退をにおわせ、舌の根も乾かないうちに復帰するということを繰り返していた宮崎。いかにも、という話ではあるが、そもそも芸術家?が「引退」などと口走ること自体がおかしい。逆に言うと宮崎は芸術家ではなく職人、手が利かなくなったら退くというぐらいの意味で「引退」「引退」と言っていたのではないか。

 宮崎が初めて引退を口にしたのは「天空の城ラピュタ」が公開された1986年。「人生で最高に引退したい気分」だったらしい。1992年に「紅の豚」を制作した時にも「もうアニメはやめ」などとのたまい、その後も一作創る度に「これが最後」を繰り返してきた。本当に懲りないお方、狼老人ですね。
 映画監督で「引退」などと公言する人は少ない。創れなくなれば消えていくのみであり、意欲がある限り新たな作品作りと格闘する。100歳近くになって新作に挑んだ新藤兼人をはじめ高齢監督は数知れない。宮崎の思考法は彼らとは違う。アニメと実写の違いなのだろうか。スタジオジブリは今回の「復活宣言」について「作るに値する題材を見出したから」と述べている。宮崎が作るに値する題材を探していたということである。つまり「引退」は見せかけなのだ。

 《長編制作からの引退を表明していたアニメーション映画監督の宮崎駿はやおさん(76)が、「引退撤回」を決断したことが19日明らかになった。スタジオジブリの公式ホームページは同日、新作長編の制作スタッフの募集告知を掲載。「ここに至り、宮崎監督は『引退撤回』を決断し、長編アニメーション映画の制作を決めました。作るに値する題材を見出みいだしたからにほかなりません。年齢的には、今度こそ、本当に最後の監督作品になるでしょう」などと記した。同スタジオによれば、今年秋からの制作を目指している。公開時期などは未定だという。

 宮崎監督は2013年9月、体力の衰えなどを理由に「風立ちぬ」を最後に長編制作からの引退を発表したが、今年2月、同スタジオの鈴木敏夫プロデューサー(68)が米アカデミー賞関連イベントで新作長編の準備を進めていると明らかにしていた。また、短編については、新作「毛虫のボロ」を既に完成させたという》=読売online=。

 宮崎の頭には「現役監督なら次々と作品を生み出さねば」という強迫観念がある。だから数年に一度「引退」を口に出すことで作品の構想作りから逃れる必要があるのだ。悲しい性というほかない。鈴木敏夫ら制作側にとっても引退―復帰は最高の話題づくりになる。ファンは宮崎作品にお目にかかれて大喜び―三方得のお芝居でした!!

 宮崎はまだ76歳、あと何度引退、復活を繰り返してくれるか。ゾンビ宮崎頑張れ~。
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稀勢の里に休場を勧める

2017-05-10 15:27:48 | スポーツ
 14日初日を迎える大相撲夏場所が空前の人気だという。前売り券は全て完売、当日券も手に入れるのは難しそうだ。それもこれも稀勢の里人気である。19年ぶりとなる日本人横綱、加えて春場所でげがを抱えながら奇跡の逆転優勝。初めて東の正横綱に座る夏場所が盛り上がらないわけがない。だが、肝心の稀勢の里、果たして相撲を取れる状態なのだろうか。本人は「まあ、しっかりやるだけ」と出場か休場かについてはぼかしているが、とても「休みます」と言い出せる雰囲気ではない。

 土俵に降りて稽古を始めたのは今月に入ってから。関取衆と胸を合わせたのは初日1週間前でしかない。9日には役力士とも申し合いをしたようだが、映像を見る限り負傷した左の使い方はぎこちない。強く左をおっつけられると力を抜いてしまうシーンも見受けられた。「場所には間に合う」(二所ノ関親方)の見方もあるが、北の富士勝昭さんは「左が使えてない。万全には程遠い」と不安視している。

 いうまでもなく大相撲は世界でも最も激しい格闘技の一つだ。しかも今日の相撲はガチンコ、手抜きがない。だから怪我も多い。照ノ富士、遠藤らが低迷しているのも怪我を押して本場所に出続けているせいだろう。稀勢の里の故障部位は幸いにして?上腕部である。これが下半身ならとても相撲は取れない。

 力士として本場所で取りたいのは当たり前だ。しかも全力士のトップに君臨する横綱、意地でも出るという気持ちかもしれない。だが、稀勢の里は角界の至宝、無理をさせてはいけない。左腕は稀勢の里の生命線、万一怪我を悪化させれば力士生命に関わる。左をかばって変な相撲を取れば、別の箇所を故障する恐れもある。

 稽古場と本場所が違うくらい親方も横綱も熟知しているはずだ。周りの熱気に煽られて強行出場するのは考えものだ。白鵬に衰えが見え、日馬富士、鶴竜は「10勝横綱」である。これからしばらく大相撲を背負っていくのは稀勢の里を置いてない。だからこそ、ここは自重すべきだ。
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