酔眼独語 

時事問題を中心に、政治、経済、文化、スポーツ、環境問題など今日的なテーマについて語る。
 

世論調査のいかがわしさ

2012-11-29 15:38:07 | Weblog
衆院選の公示まであと4日、「未来の党」が新しく参戦するなど、各党の舌戦はいよいよヒートアップしている。13もの政党が入り乱れ、選択の難しい選挙とあって各メディアは世論調査をフル活用してトレンドを読みたい意向だが、どうもこの世調そのものが胡散臭い。新聞各紙によって「投票したい政党」の数字が乱高下しているのだ。毎日(21日)と読売(27日)が「釈明記事」とも受け取れる世調解説記事を載せているのは、「このままでは調査の信頼度そのものが疑われる」と危機感を持ったためではないか。

 実際どれほど違うのか。比例の投票先で見てみると

 読売 自民25%   維新14%   民主10%
 朝日 自民23%   維新9%    民主13%
 共同 自民18.7%  維新10.3%  民主8.4%
 毎日 自民17%   維新13%   民主12%
 日経 自民23%   維新15%   民主12%


 自民党の数字では毎日と読売では8ポイントもの差がある。日ごろの報道を見ればうなずける数字ともいえるが、これでは調査の公平性が疑われる。

 毎日がいち早く「なぜ各紙で差があるのか」を報じたのは、予想外の接戦と出た結果に動揺した結果だろう。自民が最も強く出た読売は逆に、社の姿勢とぴったりの数字が出たのを取り繕うためだろう。

 各紙ともRDD方式で、2000前後のサンプルから60%程度の回答を得ている。ばらついた理由について両紙はともに「政党名を読み上げるかどうかで差が出た」などという大学教授の解説を載せている。本当だろうか。

 読売の回答率60%は制度が得られるとされる限界値である。40%もの人に袖にされる調査とはいったい何なのか。

 読売は社説だけでなく、報道・コラムも自民寄りが際立つ。それなら堂々と「読売新聞は自民党の政策を支持します」と宣言すべきだ。公正中立の仮面をかぶって、偏った情報を垂れ流すのはおかしい。この際、各紙も旗幟を鮮明にした方がいい。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

失態続く新潟県警

2012-11-22 20:08:54 | Weblog
 お巡りさんが事件を起こしても最近はべた記事扱いが普通だ。ストーカー事件の当事者に被害者情報を提供するなどのお粗末な対応も相次いでいる。

 それはそれで厳しく追及しなければならないが、最近、新潟県警ではもっと深刻な事態が相次いでいる。警察が逮捕した容疑者が次から次へと「嫌疑不十分」などで釈放されているのだ。無実の人をひっくって、「間違いでした」ではすむまい。大変な状況が起きているにもかかわらず、メディアの扱いは極めて地味である。信じられない。

 新潟県警では8月に三条署の刑事課長が容疑者の供述をでっち上げて事件の摘発件数を水増ししていたことが発覚、胎内署長が部下の警察手帳紛失を隠蔽していたことを苦にして自殺するなど、県警幹部の不祥事が相次いでいた。

 そこへ持ってきて、「連続冤罪未遂」である。

 最初の? 被害者は水泳バタフライの日本記録を何度も樹立している河本耕平である。資金的援助を受けていた女性のクレジットカードを勝手に使ったとして詐欺容疑で逮捕された。9月のことである。

 約2か月後の11月7日、河本は嫌疑不十分で釈放された。「女性の言い分だけを聞いて逮捕された」(新潟日報)と河本の弁護人は憤る。

 11月20日には殺人未遂で逮捕された女性が、同じく「嫌疑不十分」で不起訴処分となっている。新潟地検は「証拠を精査し、総合的に判断した結果」(新潟日報)の処分だと説明している。要は証拠がなかったのに逮捕したのだ。

 極めつけは風営法違反の容疑で逮捕された女性の釈放劇である。

 ≪新潟東署は21日、風営法違反(禁止場所営業)の疑いで、上越市の女性を誤認逮捕し、約4時間半後に釈放したと発表した。同署は女性に謝罪したという≫=22日付新潟日報=。

 女性のアリバイも調べず、この女性がマッサージ店で性的サービスをしていたとして逮捕したのである。

 「冤罪未遂」が3件も続くとは前代未聞だ。なのにメディアの反応は鈍い。河本のケースでは不起訴になって初めてやや大きく取り上げ、風営法違反事件は3段扱い。

 これだけ失態を続けている背景には何があるのか。組織的なところにメスを入れるのが彼らの商売だろう。

 政治と警察は信用できない―などということになったら、中国と同じレベルだ。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

壮大な茶番の幕開けだ

2012-11-17 09:50:13 | Weblog
 衆議院が解散された。12月16日の投票日目指して各党の血みどろの戦いが始まる。というと、一大政治決戦の趣だが実相はどうか。無責任、無節操、自分本位、時代錯誤の面々による壮大な茶番劇の幕開けと言った方がふさわしい。先生方もメディアも勝手に高揚している。困ったものだ。

 朝、犬の散歩の途中、NHKラジオを聞いていたら、元解説委員の川崎総一郎が「近代まれに見る大激戦」などとはやし立てていた。しかし、お話の内容は空疎そのもの。いうべき言葉を失っているのだ。民主党は国民の支持を失っている。第3極の伸張が焦点。野田首相をという声は安倍さんの半分―。何のことはない、先日の世論調査の数字をなぞってるだけでしかない。

 今の政治を「人気取り政治」と批判するメディアが、結局は世論調査に依拠してしかものが言えない。笑止千万とはこのことだ。

 川総さん、「国民が夢を持てる政治を」などともおっしゃっていた。これもおかしい。サッカー日本代表のゲームに「夢をありがとう」などと叫んでいる人々と同じ感覚である。夢は自分で見るもの、持つもの、つかむものだ。

 あおれもダメ、これもダメと切っておいて、自分の意見は隠したまま。「公正中立」を守っていると言いたいのだろうが、政治不信を煽っていることに変わりはない。自民党支持を鮮明にしている読売などはまだましな方だろう(しかし、読売も公明党・創価学会には口をつぐんだままである)。

 「石原、橋下連合」を「第3極」などと呼ぶのもおかしい。今の日本の政界は対立する2大勢力などない。仮にあったとしても政策的対立ではなく、人間関係の抗争でしかない。民主党と自民党の違いがどこにあるというのか。消費税上げ、一体改革、0増5減などをバタバタと決めた事実を見ても、彼らの考え方に大きな差はないことは明らかである。

 石原や橋下を極というなら、極右・極端の極だろう。安倍晋三など論外だ。体力も気力もなく首相の座を放り出した男が「教育改革」を言い立てるとは…。目指すところは教育への政治介入である(そういえば、首相在任時も教育基本法「改正」だけはやり抜いたっけ)。くわばらくわばら。

 
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

さて、解散はどうなる

2012-11-14 14:43:47 | Weblog
 野田佳彦首相が「近いうちの解散」へ腹を固めたと思ったら、民主党内から反対論が噴き出してきた。「政治空白を作ってはいけない」というのがその理由だ。

 ≪民主党の大畠章宏、海江田万里両元経済産業相、平岡秀夫元法相らは十四日午前、輿石東幹事長と国会内で会い、野田佳彦首相が選択肢としている年内の衆院解散に反対する申し入れ書を手渡した。

 十三日の党常任幹事会で「党の総意として早期解散に反対する」と一致したことを受けた対応。解散よりも二〇一三年度予算編成、衆院の「一票の格差」是正による違憲状態の解消を優先するよう求めた。輿石氏は「首相に伝える」と述べた。

 国民新党の自見庄三郎代表も十四日午前、首相と官邸で会談し「一二年度補正予算を編成すべきだ」と年内解散に反対する考えを伝えた≫=東京新聞web=。

 あれこれ言っているが、要は「今解散すれば民主党は壊滅状態になってしまう」ということに尽きる。こんなグズグズの党にもはや存在理由は見当たらない。別れる者は別れ、すっきり出直すに限る。自主憲法制定論者から旧社民党までが一つにくっついている方がおかしいのだ。

 「政治空白」も理由にならない。「近いうちの解散」をめぐって与野党が駆け引きを続けている今の状態は「空白」ではないのか。

 解散総選挙でよりましな政権ができる保証はないが(むしろ今より悪化する可能性大)、政治を動かすことに意味がある。総選挙の後、そう遠くない時期?!に安倍の無能ぶりが再び明らかとなり、橋下や石原のでたらめさもはっきりするだろう。まあそこからがスタートですね。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする