酔眼独語 

時事問題を中心に、政治、経済、文化、スポーツ、環境問題など今日的なテーマについて語る。
 

「石川遼記念館」だって

2009-07-30 06:25:41 | Weblog
 17歳、高校生のプロゴルファー石川遼の「記念館」が新潟県湯沢町にできるそうだ。人気で稼げるいまのうちに投資しておこう、ということなのだろうか。信金マンである父親のアイディアかな。


 《人気プロゴルファーの石川遼選手ゆかりの品を展示する「記念館」が、湯沢町土樽のペンションに8月にもオープンすることが29日、分かった。同施設は石川選手の冬場のトレーニング拠点としても利用され、町は新たな観光資源として期待している》=30日・新潟日報=

 よく読むと10室あるペンションの一部屋に記念の品を集めるだけだ。優勝トロフィーや使用したクラブ、写真などが展示される予定だという。記念館というより「思い出の部屋」ですね、これは。

 一般の客も泊める。つまりペンションの客寄せ施設と言うわけだ。その程度のものを「記念館」とは大げさではないか。湯沢町がまた大法螺を吹き、地元メディアがそれに乗っかったというところだろう。

 バブル時代、リゾートマンションブームの象徴的存在だった湯沢町は、その後空きマンションと滞納に泣いている。ペンションや旅館も売りに出されているものが多い。「遼クン記念館」について地元町長は「町にとってありがたい話。周りの宿泊施設にも恩恵があり、町民みんなが喜ぶはずだ」(同紙)と手放しの歓迎ぶりだ。

 「思い出の小部屋」にこれほど期待するとは、雪国の里の惨状がしのばれる。
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中田宏はなぜ辞めた

2009-07-29 06:23:07 | Weblog
 横浜市の中田宏市長が突如辞表を提出した。辞職の理由は「新しい政治活動に専念したい」からだという。大阪府の橋下知事らとはしゃぎ回っていた「東国原騒動」のころのタイミングなら分からないでもない。「次の衆院選に旗を立てます」と続くはずだ。ところが「次の衆院選には出る気はない」と言う。あれこれ言っているが、いかにも胡散臭い。


 《横浜市の中田宏市長(44)は28日午後、市議会議長に辞表を提出した。記者会見した中田市長は「2009年を一つの目安に期限を区切って諸改革をやってきた」と述べ、財政再建などに一定のめどがついたことを辞任の理由に挙げた。同市長は今秋設立予定の政治団体を核に、国政復帰を模索するが、8月30日投開票の衆院選には出馬しない。横浜市長選は衆院選と同日に投開票が行われる予定。
 中田市長は今秋、中村時広松山市長、山田宏東京都杉並区長らと、政治団体「『よい国つくろう!』日本国民会議」を結成する方針を明らかにし、内外の危機を乗り越えるため、「本物の政治」の実現を目指す、などとしていた》=時事com=。

 中田と言えば、数々の女性スキャンダルをはじめ、ごたごたの多い男として知られる。体と態度が大きいのもよく知られる。この辞職は本人が言うような奇麗事ではないだろう。そのあたりをきちんと書いてこそのメディアなのだが、朝日が社会面の関連記事で「開国博振るわず 女性問題未決着」の思わせぶりな見出しで「示唆」した程度だ。

 1時間半近くにわたった辞任会見では「女性問題」がかなりしつこく取り上げられたようだが、紙面では伝えていない。


 《横浜市の中田宏市長(44)の辞任表明会見は約1時間20分にも及んだ。「何でも聞いてください。お答えしますから」と中田市長。記者からの質問はなかなか途切れない。

 --(週刊誌の報道は)すべて間違いなのか

 「全く身に覚えない。(係争中の女性と)面識はあるが、交際は全くありえない。そういう話は裁判でやるしかない」》=産経jp=


 中田が何を言い募ろうが、この辞職は安倍や福田と同様の投げ出しである。「衆院選と一緒に市長選をやれば経費がうんと安くなる」だの「4月選挙では来年度予算は暫定を組むしかなく無駄が多い」などというに及んでは、この方が熱心に言っている「地方分権」とは何かを疑ってしまう。

 市長は2期までが持論だそうだが、その選挙が4月では都合が悪いと言うならもっと早い段階で「4月選挙を改めるべく、09年半ばに職を退くつもりです」と公表してしかるべきだ。レームダックになりたくないという言い訳はあるにせよ、今ごろ突如言い出すのは常識はずれだ。

 「国滅びて地方なし。国滅びて個人なし」と国士気取りの中田だが、近々ぼろが出るのではないか。
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監視カメラとカードで市民は丸裸

2009-07-28 05:10:29 | Weblog
 読売や朝日を追いかけるのが大好きな共同通信が、最近、興味深い記事を連発している。いずれも個人情報と捜査手法に絡むものだ。私たちの日常生活がさまざまな監視システムで捕捉され、カード情報は筒抜けになっていることがよく分かった。

 《殺人事件の証拠開示請求をめぐり、警察庁が自動車ナンバー自動読み取り装置(Nシステム)のデータ記録や解析報告書について「裁判所が開示命令を出す可能性は否定できない」として、全国の警察に秘密保持を厳守するよう指示していたことが18日、捜査関係者への取材で分かった。

 取り調べ対象の容疑者らにデータ記録を直接示すことなどを禁じており、最高検も「データの証拠化を警察に求めず、取り調べ対象者がデータの存在や内容に気付くような受け答えを禁止する」と全検察官に指導した》=18日共同=

 Nシステムの実態は不明だ。設置箇所も明らかではない。高速道路や高規格・幹線道路にはオービスとこれが置かれているのが普通らしい。高速の料金所にも別なナンバー記録装置がある。

 かつて新潟県警の幹部が勤務中と思われる時間帯に愛人とドライブしていてNシステムに引っかかった、などという笑えないケースもある。

 道路だけでなく港湾や空港施設、原発や石油備蓄基地の周辺にもセットされているという。街を歩けば監視カメラがにらんでいる。いははや大変な時代になったものだ。

 タスポのケースはさらに深刻だ。

《たばこ自動販売機の成人識別カード「タスポ」を発行する日本たばこ協会(東京)が、特定の個人が自販機を利用した日時や場所などの履歴情報を検察当局に任意で提供していたことが25日、関係者の話や内部資料で分かった。行方の分からなかった罰金未納者の所在地特定につながったケースもあった。

 クレジットカードや携帯電話の使用履歴はこれまでも捜査当局に使われてきたが、タスポ情報の利用が明らかになるのは初めてとみられる》=25日共同=。

 タスポがこんな使われ方をされるとは誰も思っていなかっただろう。カード嫌いの小生はタスポは持っていない。カードは本質的に胡散臭いと考えているからだ。クレジットカードでの買い物もしない。

 スーパーなどのPOSと同様、カードを精査すればその人の消費性向や行動が浮かび上がる。犯罪に絡まなければ捜査当局に利用されることはないだろうが、カード発行会社や小売にリスト化される恐れはある。

 アリコではカード情報が流出、これを使ってネットショッピングが行われる被害が出ている。三菱JFJ証券の社員が大量のカード情報を売りさばいていた例もある。毎月送られてくる使用明細をよくチェックし、覚えのないものはきちんと申し出る。こんな当たり前の防御策しかないところに、カードの決定的弱点がある。

 いつもニコニコ現金払い。金がなければ買い物はしない。貧乏な小生の時代遅れの「哲学」である。
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高速水着禁止の愚

2009-07-25 09:52:49 | Weblog
 国際水泳連盟が総会を開き、いわゆる高速水着問題について「ラバーやポリウレタンはダメ、織物だけ。体を覆う部分も限定する」方向で一致したという。

 《国際水泳連盟(FINA)は24日、当地で総会を開き、来年1月1日から導入する競泳水着の新規定案を固めた。北京五輪後から「高速化」が進む水着の開発競争に歯止めをかけるのが目的で、素材は織物素材に限定し、ラバー製やポリウレタン製の水着は禁止する。体を覆う範囲についても、これまでよりも狭くするという。織物の定義など、細部については28日のFINA理事会で決める。
 今年に入って、ラバー製水着による好記録が続出した。男子200メートル背泳ぎで入江陵介(近大)が世界記録を上回るタイムを出したのが代表例。水を通さず、浮力効果があるとされるラバー系水着は競技力を過剰に上げるとして、各国のコーチから批判が噴出していた。総会では米国が新規定案を出し、大半の加盟国が賛成した。
 FINAのマルクレスク事務局長は記者会見で「基本的に、織物以外の素材は認めない方向になる」と語った。北京五輪で世界新を連発させた英スピード社の「レーザー・レーサー」(LR)は締め付け効果を狙うパネル部分にポリウレタンが使われており、理事会の決定によってはLRも禁止される可能性がある。
 日本代表の平井伯昌ヘッドコーチは「本来の競泳のスタイルに戻る」と歓迎。ただし、今回の世界選手権ではラバー水着が使えるため、「永遠に破られない記録が出るかもしれない」と危惧(きぐ)した》=時事com=

 選手が水着に振り回される状況を改善し、力と技の戦いに戻したいという発想から、こうした方向が打ち出されたのだろう。一見まともな方針に見えるが、「今ごろ何を言ってんだ」である。

 新アイテムが出てきた時点で対応するのが原則だ。いったん革新的な素材や形状を認めてしまえば、それが普及するのは当然だ。記録はどんどん向上する。あらかたの世界記録が更新された後で、「もうこの水着はやめましょう」などというのは無責任だ。平井コーチが言うように「永遠に破られない記録」として残る可能性がある。

 以前にも書いたが、スポーツは記録である。不滅と思えた記録が超人たちによって塗り替えられていくところに、ドラマや夢が生まれる。FINAの方針に従えば、しばらく競泳の記録が低迷するのは避けられない。果たしてそれでいいのか。既に公認されているレーザー・レーサーなどを着用しての記録の扱いをどうするのか。

 水着の改良は浮力を高めることと水の抵抗を小さくすることがすべてだ。水着が直接推進力を生むわけではない。極度に体を締め付けて、血流を阻害するなど障害が懸念されるものは論外だが、それ以外は認めていくべきだ。

 進化した水着が広く行き渡らないことこそ問題なのだ。スポーツ(メーカー)大国の選手だけ、高速水着を着用できるなどというのでは問題にならない。
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やっと解散だ

2009-07-22 05:22:06 | Weblog
 ようやく衆議院が解散された。前回選挙から丸4年、任期満了と日程的にはほぼ同じで、麻生が惨敗を覚悟で解散を断行する意味はほとんど見当たらない。

 1週間の予告期間があったのに、未だうまいネーミングがないのもこの解散の無理筋振りをうかがわせる。「政権選択解散」? 総選挙は常に政権選択を賭けて戦われる。敢えてそう名付けるのは、政権交代が現実味を帯びてきたということだろうが、郵政解散同様にワンイシュー選挙に陥る危険をはらむ。「自爆解散」「やけくそ解散」あたりが妥当だろう。爺さまになぞらえた「バカタロウ解散」は、いくらなんでも可愛そうだ。

 自民党のダメぶりを象徴したのが解散に先立って開かれた両院議員懇談会とその後の代議士会の緊張感のなさだ。議員懇は一部から苦言が出たものの、西川京子や大村秀章らによる「一致結束」の絶叫でチョン。「総理のご決断で公開が実現した」懇談会そのものが、下手なパフォーマンスの場だったということだ。

 《自民党は21日午前、麻生首相(自民党総裁)も出席して、党本部で両院議員懇談会を開いた。

 首相は冒頭、自らのこれまでの失言や、政策立案などで指摘された「ぶれ」について「国民に政治に対する不安、不信を与え、党の支持率低下につながった。深く反省している」と述べた。さらに、東京都議選など一連の地方選での敗北に関して「多大な迷惑をおかけし、力不足を申し訳なく思っている」と陳謝し、その上で、衆院選への決意を表明した。

 これに対し、9人の議員が発言した。高市早苗氏(奈良2区)が「首相は『自民党株式会社』の経営に手を抜いていた。どういう商品を売るのか、マニフェスト(政権公約)を早く示してほしい」と苦言を呈したが、激しい首相批判は出なかった。

 一方で党内の「麻生降ろし」の動きに対し、西川京子氏(福岡10区)らから「相手を利することで、ナンセンス」との批判が相次いだ。古賀選挙対策委員長は「今の民主党が平和を約束する政党と言えるか。自民党しか平和を約束出来る党はない」と訴えた。

 首相は最後に、目に涙をためて「開かれた形で、ここに一致結束はできあがった」と締めくくった。

 自民党は21日になって、両院議員懇談会を報道陣に公開することを決めた》=読売ONLINE=。

 なぜ麻生は泣いたのか。「よくも解散できたなあ」だろう。「俺が意地を張ったおかげで、このうちの多くが討ち死にする。申し訳ない」かもしれない。でも、出陣前に大将が泣くようでは負け戦と決まっている。2000年の加藤の乱を思い浮かべればいい。

 代議士会はもっと醜かった。あの中川秀直が、鼻の下を伸ばして麻生に握手を求めた。信念も矜持もあったものではない。

 もう1つ、昨日のシーンで印象に残ったのは引退する小泉純一郎の去り際だ。「何か一言」とマイクを向けられたが、薄ら笑いを浮かべて無言。車に乗り込む直前、最後に何かと改めて問われて「お世話になりました」と頭を下げた。

 仮面の宰相が仮面を外すとこんなものなのか。4半世紀以上勤め上げた国会を去るに当たって何も言葉がないとは理解できない。小泉は首相を演じ、楽しんでいただけなのだ。お楽しみは終わった、後は野となれ、ということだろう。息子ともども芸能界こそ落ち着くにふさわしい場だ。

 投票日まで40日は長い。いまの民主党圧勝ムードがこのまま続くとは限らない。自民党逆転の秘策は、特大スキャンダルの暴露しかない。そうした意味では、検察、警察の動向からも目を離せない。外圧頼みの一発があるかもしれない。

 歴史の転換点での歴史的選挙だというのに、骨太の展望より足の引っ張り合いに終始しそうなのが残念だ。もっとも、日本の政治レベルはそんなものか。
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さあ解散だ

2009-07-21 05:30:33 | Weblog
 麻生太郎首相が意地と面子を賭けた衆院解散がきょう行われる。と、書きながら自民党の両院議員懇談会で麻生が立ち往生し、結局「解散はお流れ」なんて想像もしてみるが、さすがにそれはないだろう。与謝野馨ら一部閣僚が、総辞職の署名を拒む事態はあり得るだろうが…。

 日本一の楽観論者と言われる麻生は、「自民党が負けると決まったものではない」と心から思っているらしい。状況を読み取る能力に欠けているというしかない。側近らが正しい情報を伝えていないという側面もあるのだろう。

 都議選では街頭に、陣中見舞いにと大車輪だった麻生。街宣では行く先々で「生麻生」を見ようと?結構な人だかりだできた。これを見た太郎君「こいつはすげえや。勝てるぜ、おい」と上機嫌だったという。

 サミットに行く前に、都議選後の14日に解散すると腹を固めていたのは周知の事実だが、これは都議選は「辛勝。悪くても“惜敗”」で収まると踏んでいたためだ。例の「惜敗を期して」の演説は、頭の片隅に「惜敗なら解散できる」との考えがあったからだろう。

 今日の夜から、先生方は一斉に地元に帰り、40日もの長い長い選挙戦を戦わねばならない。猛暑が続く。高齢の候補者が倒れるのではないかと心配だ。

 結果は見えたような選挙だ。自民党は303の現有議席をほぼ半減させるだろう。民主党は単独過半数である241は超えるのではないか

 今回の選挙を「政権交代が懸かった歴史的な選挙」と指摘する声が大半だ。形の上ではそうだろうが、交代はすでに自明のことだ。ここをあまり強調しすぎると4年前の郵政選挙と同様、ワンイシュー選挙に堕してしまう恐れがある。

 政権交代に絡むどたばた劇を見るのも有権者の楽しみの一つだが、それだけではどうしようもない。交代かどうかより、交代して何をするかが問われなければならない。世界の枠組みが政治、経済、軍事の各面で大きく動いている中で、日本の立ち位置をどう定め、国民生活の安定を図っていくのか。

 薄っぺらなマニフェストごっこは願い下げだ。

 民主党は最悪期に政権を握ることになる。経済は好転せず、二番底に対処しようにも国庫は空っぽという状況だ。政権発足後、直ちに来年度予算の編成が始まるが、まともな予算が組めるのかどうか。

 冷戦が終わり、バブルが崩壊してほぼ20年、もう後10年は新たな秩序を模索するための混乱が続くのではないか。民主党にも自民党にも、芯のあるリーダーが見当たらない。ここが最大の不幸だ。「政治には頼らず、自分で何とかしろ」が小泉改改革の眼目だった。今回の選挙は6年余に及んだ小泉政治をどう総括するかが、隠れたテーマだ。候補者や政党だけでなく、前回総選挙で自民党を大勝させた有権者自身も答を求められている。

 
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ワトソン君を称える

2009-07-20 09:11:53 | Weblog
 朝4時までテレビを見ていると、さすがに眠い。さっさと寝ようと思ったのだがおなかが空いたのと興奮の余韻で目が冴えてしまってい難しい本でも広げてみようか。

 テレビはもちろん全英オープンゴルフ。最後の最後まで誰が勝つのか全く行方が分からない大接戦だった。優勝スコアが2アンダーというのも、日本のコースでは信じられない。

 《男子ゴルフの第138回全英オープン選手権は19日、当地のターンベリー・エイルサコース(パー70)で最終ラウンドがあり、スチュワート・シンク(米)がプレーオフの末にトム・ワトソン(米)を下してメジャー大会初優勝を果たした。

 大会史上、最年長優勝を狙った59歳のワトソンは単独首位で迎えた18番でボギーをたたき、通算2アンダーでシンクに並ばれて勝機を逃した》=朝日com=


 100何十年かぶりの最年長記録更新に王手をかけたトム・ワトソン。18番をパーオンしたときは「これで偉業達成」と思ったのだが、最後の2メートルを沈めることができず、シンクと並んでしまった。

 プレーオフは4ホールのトータルココア制、そこでも決まらなければ1ホールごとの勝負、という設定だ。これで59歳が36歳に勝ったら、それこそ奇跡だ。でも奇跡は起こらず、結局6打差が付いた。

 シンクは最終18番でバーディーをねじ込み、ワトソンはそこでパーを外した。この勢いの差がそのままプレーオフに持ち込まれた形だ。しかし、4日間を耐え抜いたワトソンのゴルフは見事だった。難コースで厳しい条件になればなるほど、技がモノを言う。日本人でも十分勝負できるということだろう。

 フィッシャーが4アンダーで首位に躍り出たと思ったら、ダブルパーの大叩きで貯金を吐き出したプレーが象徴するように、浮き沈みの激しさは見ごたえがあった。我慢すれば何とかなる、ことも教えてくれた。ナイスゲームだった。

 ワトソン君、ありがとう。おやすみなさい。

 
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ワトソン君が奇跡を演じる?!

2009-07-19 14:16:20 | Weblog
 ゴルフは戦略的な面白さを秘めたスポーツだと思うが、金と暇がないのでやったことがない。その昔、石原慎太郎が「ゴルフなんてスポーツじゃないと思っていたが、球を打ってみてその難しさにびっくりした」といったようなことを何かに書いていた。打ちっ放しでティーアップしたボーでもまっすぐには飛ばない。いわんや、である。奥が深いスポーツほどはまりやすい。手を出さないに限る?。

 石川遼とタイガー・ウッズが予選落ちした「ジ・オープン」は、3日目を終えてトム・ワトソンが首位。いやー、大変な事件が起きるかもしれない。

《男子ゴルフの全英オープン選手権は17日、当地のターンベリー・エイルサコース(7204ヤード、パー70)で第2ラウンドを行い、石川遼は1バーディー、7ボギー、1ダブルボギーの78と崩れ、通算6オーバー、146の85位で、予選通過ラインに2打及ばず、決勝ラウンド進出は成らなかった。

 59歳のトム・ワトソン(米国)が71で回り、通算4アンダー、206で単独首位。最終日に26年ぶり6度目の優勝とメジャー最年長制覇が懸かる》=18・19日時事com=

 トム・ワトソンは、もう2か月足らずで60歳を迎える。日本風に言えば還暦の爺さまだ。それが若い衆を従えるトーナメント・リーダー、しかも全英オープンという最高の舞台で。この結末は見逃せない。連休だし、ビールを飲みながらテレビを見よう。

 去年の3日目終了時点の首位は53歳グレグ・ノーマンで、「最年長記録更新か」と騒がれた。ここまでの記録は46歳。ワトソンはそれより一回り以上年上だ。ワトソンは全英5勝、これはピーター・トムソンと並ぶ最多勝記録だ。今回勝てば単独首位に躍り出る。59歳、6勝は空前にして、おそらく絶後の大記録となるだろう。現在3勝のタイガーは有力な挑戦者だが、4半世紀後にメジャートーナメントを戦っているかどうか。

 シャーロック・ホームズシリーズによれば、ワトソ(ス)ンが動くのは事件のときだ。ワトソンが語る言葉は物語になり、伝説となった。今回は、ワトソン自身が主人公である。用意はいいね、ワトソン君。
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田原提訴はゆき過ぎだ

2009-07-17 05:33:29 | Weblog
 拉致被害者・有本恵子さんの安否について、田原総一朗がテレビ番組で「外務省も生きていないことは分かっている」などと述べたことで精神的苦痛を受けたとして、有本さんの両親が田原を相手に慰謝料の支払いを求める裁判を起こした。


 《ジャーナリストの田原総一朗氏(75)が4月のテレビ番組で、拉致被害者の有本恵子さん(失跡当時23)らが「生きていない」と発言したことに精神的な苦痛を受けたとして、有本さんの父、明弘さん(81)と母、嘉代子さん(83)は16日、田原氏に慰謝料計1000万円を求める訴えを神戸地裁に起こした。

 訴状によると、田原氏は4月下旬放送のテレビ朝日の討論番組「朝まで生テレビ!」で、有本さんや横田めぐみさん(同13)について「外務省も生きていないことは分かっている」と発言。夫妻は「外務省高官から聞いたかのような虚偽をテレビで全国に伝えた違法性は高い」と主張している。

 提訴後の記者会見で嘉代子さんは慰謝料目的の提訴でないことを説明した上で「発言の真偽を裁判で明らかにしたい。救出への道筋が見えない中、外務省に(有本さんらが)死んでいると思っている人がいるのなら、北朝鮮としっかり交渉できない」と語気を強めた》=日経NET=

 鵺のような発言を繰り返す田原のいい加減さは目に余る。番組を私物化し、第4の権力の盟主然として振る舞う行為は、もはやジャーナリストなどとは呼べない。上記の「生きていない」発言も、自らの情報通ぶりや取材源の確かさを誇示するためのものだ。「だからどうする」と続けなければ、発言の意図が疑われても仕方がない。

 だが、慰謝料請求訴訟はゆき過ぎだ。言葉には言葉で対抗すべきであって、司法の介在を求めるのは邪道だ。田原と有本さん夫婦では発信力に差がありすぎると考える人もいるに違いない。イコールの立場とは言い切れないが、いまや拉致被害者家族の発言力は相当に高い。田原発言に夫妻が抗議して以来、提訴にいたるまでメディアがフォローしているのはその証左だ。


 「発言の真偽を確かめる」のが訴訟の真意だと有本さんはいう。法廷で真偽が明らかになるのだろうか。事実を把握しているのは北である。田原が情報を得たという外務省筋も「北からそういう話を聞いた」というに過ぎないだろう。

 裁判では「外務省の誰に聞いたのか」なども争点になる。田原もジャーナリストの端くれだから、そんなことをしゃべるはずがない。結局何も明らかにはならないのだ。

 裁判で発言の「真偽」をただすのではなく、直接田原に「真意」をただして追及すべきだ。「外務省も生きていないことは分かっている」…だとしたら、今後の交渉はどう進めるべきなのか。ここが核心だ。

 今回の提訴とは別だが、家族会の一部が右派勢力と関係を深めているのが気になる。蓮池らが離れたのはこうした傾向を嫌気したのではないか。衆院選間近だ。またぞろ被害者や家族会の利用を目論む輩が現れるに違いない。困ったことだ。
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粟生の敗北と日テレ中継の関連は?

2009-07-15 04:48:07 | Weblog
 ダブル世界戦と銘打って行われた14日に日テレ中継にはがっくりきた。神戸の長谷川穂積戦は、番組が始まる前に結果が分かってしまったからだ。スポーツ、とりわけボクシングのような競技は録画では興味半減どころか、98%減だ。

 気を取り直して粟生隆寛とロハスの一戦を見たが、これがよろしくなかった。戦っている二人ではなく、中継スタッフがひどい。

 1ラウンドから手数とヒットで完全にロハスが上回っていたが、リングサイドのアナと解説のセレス小林は「粟生の圧力でロハスが下がり続けています」「いいカウンターが入りました」ととんでもコメントを連発していた。的確にヒットしたカウンターなど、前半は皆無だろう。

 日本人選手を応援するのは結構なことだ。だが、目の前に映し出されている戦いとフィットしない言葉を並べ立てるアナウンサーと解説陣では困ってしまう。こういう放送をしているから、スポーツファンの目が曇るのだ。

 途中の採点公開でロハス圧倒的優位を知らされても、終盤までこの放送スタイルを変えることはなかった。多くの視聴者がしらけたのではないか。

 スピード(パンチ、足とも)とテクニックでロハスが上回っているのは素人にも一目瞭然だった。プロが逆な解説をしてどうする。手数が少なく、カウンター狙いだけのボクシングで世界に君臨できるほど甘い世界ではない。

 テレビをはじめとするメディアがヒーローをでっち上げようとすると亀田3兄弟のような騒ぎになる。民放がボクシングを中継するなら、せめてwowowレベルになってほしい。
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