酔眼独語 

時事問題を中心に、政治、経済、文化、スポーツ、環境問題など今日的なテーマについて語る。
 

今年の主役もコロナ(covid19)?

2022-01-10 15:16:37 | 話題
 早いもので今年、2022年が明けてもう10日なる。昨年の秋の一時期には「コロナもようやく先が見えたか」と希望的観測も浮かんだのだが、そうは問屋が卸さなかったようだ。それどころか変異株・オミクロンの出現で世界の感染は急拡大、全く先が見通せない状況だ。オミクロン株は非常に感染力が強い一方、病状的な脅威は少ないとされる。これが評価を難しくさせている。ワクチン絡みの騒動も各地で頻発、テニスのジョコビッチの「入国拒否」はオーストラリアとセルビアの外交問題にもなっている。

 ジョコビッチの豪入国問題については分からないことが多い。全豪オープンの主催者とビクトリア州政府は同選手に対して新型コロナウイルスワクチンの接種免除を与えている。これに中央政府が待ったをかけ、裁判所によるビザの有効性確認訴訟が始まるという段階だ。州政府などが与えた接種免除とは何か。9日の共同の記事によれば「ジョコビッチは年末に新型コロナに感染していた」という。現在も症状があるかどうかや他人に影響を与える可能性などについては不明である。感染して完全に回復していればワクチンを打ったと同じようなものーとの意見がある。新型コロナに限らず感染症では常識的な考え方ともいえる。

 ただ、厳しい規制に耐えてきた豪国民にしてみれば、テニスのトッププレーヤーを特別扱いしているように映るのは無理もない。ジョコビッチ側が入国に際してもっと丁寧な説明と免除の理由を明らかにしていればここまでの騒動にはならなかったのではないか。また、ジョコはワクチン接種を否定するような言動を繰り返しているという。ワクチンを打つかどうかは個人の判断だ。打たない自由は当然ある。だが、ジョコのような影響力がある人物が「ワクチンは良くない」など言い募るのはいかがなものか。今回のワクチンは急造であり、何十年というスパンで考えると人体に何らかの影響与えるかもしれないとの危惧はある。当初、若年者への接種が控えられたのもそうした理由ではないだろうか。

 オミクロン株は重症者の割合が少ないことから今回のコロナ禍を終息させる救世主とも期待されている。「みんなでかかって集団免疫!!」というわけだ。日本でも保守系政治家の一部から「新型コロナを感染症法の2類相当からインフルエンザ並みの5類に指定替えしては」の声が上がっている。しかし、ことはそう簡単ではないだろう。新型コロナの「日本上陸」から丸二年、これまでに強い規制をかけられて商売あがったりになった業種から見れば「いままでの損害をどうしてくれる」ということになる。

 世界ではワクチン接種が国民の5割にも達しない国が大半だ。新型コロナが世界と人々の間に大きな亀裂をもたらしたことだけは間違いない。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

五輪開幕まで一か月

2021-06-23 16:13:20 | 話題
 東京五輪の開幕まであと1か月、ほんの少し前までは「ひょっとすると中止もあるかな」という観測もあったが、事ここに至ればやるしかないのだろう。とはいえ、菅義偉首相が言う「安全で安心な五輪」をどう実現するか、ハードルは低くない。一連の流れを見ていると「中止」の選択肢はもともとなかったのだ。それは菅が言うように「(政府は)開催の可否を判断する立場にない」からではなく、「中止となれば巨額の違約金が発生する」からでもない。「私を首相にしてくれた安倍(晋三)さんの顔はつぶせない」「中止なら政権が吹っ飛ぶ」ーあたりが本音に違いない。

 菅は最近の会見でコロナ禍での五輪開催について問われるたびに「国民の命と健康を守り、安心安全な大会を実現することは可能だ」と繰り返し述べている。連日50人規模の死者が発生し、累積の死者数は1万5千人にも達しようとしている。既に命と健康が大きく毀損されている現状を菅はどう見ているのだろう。

 東京五輪の米国向け放映権を持つNBCユニバーサルのジェフ・シェルCEOは「開会式が始まればみんな(コロナのことなど)悪れて楽しむだろう」「五輪に勝る番組はない。17日間、毎晩(関心を)独占できるからね」と述べている。おそらく菅も同じようなことを考えているに違いない。「五輪が始まって日本選手が大活躍すればみんな吹っ飛ぶ」。昨年春の「国民にマスクが行き渡れば一発ですよ」のアベノマスクを思い出す。

 菅が期待を寄せる日本選手団、メダルラッシュとなる可能性が高い。何せ圧倒的に有利なのだ。外国選手は直前の来日が多いと推定されるうえ、バブルに包み込まれ練習も思うに任せない。ストレスは日本選手よりはるかに高いはずだ。しかも、母国の応援団は皆無。菅がG7の会合で各国首脳に「最高の選手の派遣をお願いしたい」と要請したのは「最高の選手」が来日しない事態を危惧してのことだ。

 ここ一両日、五輪を巡るメディアの伝えっぷりに変化がみられる。五輪の観客数についての5者会談で定員の50%、上限1万人と決まったことについての報道で「首相 緊急事態なら無観客も」とも伝えている。開催強行、専門家の提言を振り切っての「観客あり」…。菅の「緊急事態ならー」発言はこれらの強行策をカムフラージュするための巧みな仕掛けだ。五輪会場での酒販売も同じ仕掛けだ。丸川珠代あたりを使って酒類販売を匂わせ、世論の強い反発に配慮する格好で一転禁止にー。誰のシナリオか分からないが、見え見えだ。

 来月に入り、五輪カウントダウンが始まるとメディアは一斉に五輪シフトに入るはずだ。どこがどんな伝え方をするのか? しっかりと見ていきたい。

 
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「新語大賞」中間発表??!!

2020-07-01 10:12:03 | 話題
 あっという間に今年も半年が終わった。72年ほど人間をやっているが、これほど《ひどい》年は初めてだ。ほんと、世の中何があるか分からない。
 
 分からない源がこの記事。1月10日付けである。湖北省武漢の謎の肺炎について中国衛生当局が「新型ウイルスによるものと確認した」という報道だ。5日後にはWHOも新型ウイルスと認定した。後の展開はご承知の通り。今や感染者1000万人、死者50万人。世界は新型コロナウイルスに振り回されっぱなしだ。
 というわけで? 2020年の流行語大賞は新型コロナウイルス絡みで占められるのはほぼ間違いない。半年という時点ではあるが候補を挙げてみた😎
 
 まずは「新型コロナウイルス」。これがなければ何も始まらなかったのだから別格として奉っておく。欧米などのメディアでは新型コロナウイルスについては「COVID 19」という正式名称を使っているところが大半だが、わが国の一般ニュースではまず使われない。サーズ、マーズと呼んできたのに今回だけなぜ、という疑問もわくが…。
 
 「ロックダウン」と「自粛」。都市封鎖を強行した欧米で感染爆発が起き、自粛の日本は「感染爆発の重大局面(小池百合子)」で踏みとどまった。この経過に某大臣は「民度が違う」などとだみ声を張り上げたが、果たしてどうなのか。百合子さんが「重大局面」とのたまった3月25日の東京都の新規感染発表は41人。このところ50人以上が続いているが「夜の街」は別扱いなのか。それとも「集団免疫」でもいいとのお考えか。政治屋の考えることはよく分からない。カイロ大を首席で終えられたという百合子さんはなかなか造語がうまく「ステイホーム」「東京アラート」などを連発、「三密」回避の呼びかけにも一役買った(晋三さんは「アベノマスク」を全国にばらまき失笑を買った)。

 ステイホームに飽きた年寄り?は「昼カラ」に興じて新たな「クラスター」づくりに貢献、「ソーシャルディスタンス」を無視して車を近づける短気な御仁はあおり運転で厳罰を食らう。立っても座っても車でも「濃厚接触」はいけません!! 濃厚接触というともう少し別な発想をしてしまうのは年のせいか、品性のなさゆえか。

 3~4月ごろは今にも「医療崩壊」が起きそうだとの悲鳴が飛び交い、実際、現場の状況は悲惨だったらしい。多くの公立病院は赤字が続きのスタッフ不足、コロナがなくても医療崩壊の瀬戸際にある。待合室があれだけ混雑しているのに儲からないのはどういうわけか?

 職場ではテレワーク(リモートワーク)が推奨された。リモートで働くことができる人は一部に限られる。それ以外の現業労働者は「エッセンシャルワーカー」と称えられる。拍手だけでなく、待遇で応えてほしいと切に思う。

 「ウイズコロナ」だの「ポストコロナ」だのかまびすしいが、コロナウイルスは昔からいた。くしゃみ三回、罹ったかな、あなたの風邪はどこから…ウイズコロナは日本のお家芸なのです。「巣ごもり」が長すぎたせいか頭がよく回らない。疲れてきたので、♪ここらでやめてもいいコロナ~(古いなあ)。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「皇室に人権はあるか」だって?

2019-05-04 08:44:28 | 話題
 憲法記念日の昨日、某地方紙の社会面に「皇室に人権はあるか」との見出しの記事が載っていた。見出しはほかに二本「結婚や『引退』多い制約」「自由な意見表明も難しく」。続く記事はこうである。

 ≪天皇の代替りという歴史的節目に当たり、皇室と憲法の関係に目を向けると、多くの人権が制約されていることが分かる(後略)≫。

 記事を書いていいるお方も編集者も「皇室(族)にも人権はある」との前提に立っているとみられる。しかし、天皇、皇后、皇太子はもとより、皇族に人権などないと考えるのが素直ではないか。皇族は国民の権利・義務とはほとんど無縁だからだ。天皇家には戸籍がない。苗字もない。選挙権ももちろんない。相続税や勤務した際の所得税はお払いになっているようだが、詳しいことは分からない。

 「朕ト爾等国民トノ間ノ紐帯ハ、終始相互ノ信頼ト敬愛トニ依リテ結バレ、単ナル神話ト伝説トニ依リテ生ゼルモノニ非ズ。天皇ヲ以テ現御神トシ、且日本国民ヲ以テ他ノ民族ニ優越セル民族ニシテ、延テ世界ヲ支配スベキ運命ヲ有ストノ架空ナル観念ニ基クモノニモ非ズ」。1946年1月1日、昭和天皇から発せられたこの行は「天皇の人間宣言」として知られるが、「朕は人間だ」などとは言っていない。また、「爾等国民」との言葉からは国民の中に天皇は含まれないとみることができる。

 天皇は日本国民ではなく、したがって日本国民が享受している人権もない。普通に考えるとそうなる。記事の結びにはこうある。

 ≪天皇、皇后を支える宮内庁幹部は「皇室と人権の話は、結局は国民がどう考えるかの問題だ。ゴシップとしてではない形で関心を持ってもらえるとありがたい」≫。天皇(家)の人権を尊重するということは、天皇制の否定にもつながりかねない。「私は皇位に就きたくない」との自由も認めることになるからだ。「国民がどう考えるか」と投げかけられれば、考えますけどね…。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

中西先生のお言葉

2019-04-15 10:27:56 | 話題
 新元号「令和」が公表されて以降、皇室報道がにわかに活気づき、連日「種もみをまいた」だの「旧正田邸跡地の公園を訪れただのとにぎやかである。のんきに浮かれている場合かよ、って言いたくもなるが、まあ初体験のことなので無理もないのか。

 ところで「令和」である。すっかり「いい元号」としての地位を得たようだが、ちょっとなあーの気分もある。たとえば、考案者とされる中西進先生の発言などには首をかしげたくなることが多い。中西氏はこんなふうに言っている。

 ≪新元号「令和」の考案者との見方が出ている中西進氏(89)が14日、館長を務める富山市の「高志の国文学館」で新元号に関する企画展の解説会を開き、「(令和の考案者は)私ではないのですよ」と述べた。「(元号を)つくるのは神や天」とも語った。

 中西氏は企画展の展示資料を説明した後、自ら元号に言及。「誰かが考えたとしても、粘土細工の粘土を出しただけ」と話し、考案者について明言を避けた≫=2019.4.14=産経com。

 粘土細工の粘土を出しただけ、という後段はその通りだ。「令和」は古典(万葉集)にあった漢字をくっつけただけともいえる。だが、「元号をつくるのは神や天」というのはどうだろう。どこのどういう神様がおつくりになったのか? 天とは何か? かつて森喜郎が「日本は神の国」とのたもうて失笑を買ったが、中西先生の言い方だとまさしくこの国は「神の国」と言うことになる。

 また、中西氏は「令和」が和を命じる―とも解されるとする批判について次のように述べる。

≪新元号「令和」の考案者との見方が浮上している中西進大阪女子大元学長(89)=日本古典=は12日、万葉集の講座を東京都内で開いた。令和の「令」は発音が美しいと評価し、「命令」の「令」との指摘は当たらないと説明した。自身が考案者かどうかについては「中西進という人が考案者と言われているが、ここにいるのは違う人間だ」と明言を避けた。

 令和の典拠である万葉集に先行する漢籍「文選」に類似の文章があるとの指摘には「並ぶべくもない。冷静に見ると、万葉集が出典というのはいいと思う」と解説した≫=2019.4.12 産経com=。

 「レイ」音が美しいかどうかは個人の好み、当方は「リョウ」と発音した方が言いやすく響きもいいと感じるが…。「命令の令との指摘は当たらない」という説明はおかしい。漢和辞典を引いてみると「いいつける」「おつげ」「いましめ」などの義が上位で「よい」ただしい」「めでたい」などは下位である。ここは「指摘は当たらない」などと言うのではなく、別の説明が必要だろう。もともと「令」の字はひざまづいて神意を聴く人の形を現した象形文字だ。神のお告げには「よい」ものもあるし「不吉なもの」もある。中西さんは89歳とその道の大先達ななおだから、もう少し謙虚に世間の声に耳を傾けてほしかった。



 
コメント (1)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「令和」ねえ…

2019-04-01 16:15:24 | 話題
 天皇退位に伴う改元について、政府は「令和」に決まったと発表した。当方が推した「永安」は残念ながら不採用(w)だった。

 ≪ 菅義偉官房長官は1日午前11時40分ごろ、首相官邸で記者会見し、新しい元号は「令和(れいわ)」と発表した。典拠は奈良時代に完成した日本に現存する最古の歌集「万葉集」。日本で記された国書に由来する元号は確認できる限り初めてとなる。元号を改める政令は即日公布され、皇太子さまが新天皇に即位する5月1日に施行される。

天皇退位に伴う改元は憲政史上初めて。1989年1月に始まった「平成」は、残り1カ月で幕を閉じる。

 万葉集にある歌の序文「初春(しょしゅん)の令月(れいげつ)にして、気淑(きよ)く風和(やわら)ぎ、梅は鏡前(きょうぜん)の粉を披(ひら)き、蘭は珮後(はいご)の香(こう)を薫(かお)らす」(書き下し文)から二文字をとった。

 新元号は645年の「大化」から数えて、248番目。「大化」から「平成」までは、確認されている限り中国の儒教の経典「四書五経」など漢籍を典拠としており、安倍政権の支持基盤である保守派の間には国書由来の元号を期待する声があった。安倍晋三首相は記者会見して典拠を万葉集とした理由について「我が国の豊かな国民文化と長い伝統を象徴する国書だ」と説明した

≫=朝日com=。

 テレビなどのメディアでは触れていないが、発表が当初の11時30分より10分も遅れたのは不思議だ。官房長官会見は4月1日午前11時半、政府は3月中にそう公表していた。なぜ遅れたのか。NHKの特番で解説をしていた岩田明子は11時半が近づくにつれ「間もなくですね」などと言っていたが、3分遅れ、5分遅れても何の言及もなし。安倍御用達の岩田も手続きの詳細は知らされていなかったらしい。新元号を天皇や皇太子に伝えるための車が官邸を出たのは、発表時間とされた11時半、どうしてこんなことになったのか。今日の手続きは政府が新元号を公表したというだけで、法的意味はない。政令公布となれば御名御璽が必要だが、それも不要。そんなこんなで政府に気の緩みがあったのか? 何とも締まらない話だ。

 さて、肝心の「令和」。万葉集から採ったのがミソらしいが、あらかじめ選定者の数人には「漢籍ではなく国書から」と要請していた可能性が高い。漢学者や漢字学者はアリバイ的に呼ばれていたのではないか。それにしてもreiwaとは発音しにくい言葉を選んだものだ。舌や口に力を込めないときちんと発音できない。ま、慣れればそれなりになるんだろうが…。

 令は命と同様、神意にかかわる文字である。神の国、美しい日本にふさわしい、のかな?

 
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「有識者懇談会」って何するの?

2019-03-06 16:47:54 | 話題
 天皇の代替わりに伴い元号も改められるが、その新元号案について意見を述べる「有識者懇談会」のメンバーが固まったらしい。ips細胞の山中教授、作家の林真理子、NHKのキャスターを務めたこともある宮崎緑千葉商大教授ら9人が選ばれ、既に本人には打診済みという。前回は8人で女性は一人だけ。今回は女性を二人にした関係で一人増員となる模様だ。それにしても、なぜこのメンバーなのかはさっぱりわからない。


 ≪政府は新元号の原案に対する意見を聞く有識者懇談会のメンバーとして、ノーベル医学生理学賞受賞者の山中伸弥京都大教授(56)を起用する方向で検討に入った。前回一人だった女性からは直木賞作家の林真理子さん(64)、宮崎緑千葉商科大教授(61)の二人を選ぶ見通しだ。各界から幅広く人選し、法曹界から寺田逸郎前最高裁長官(71)、経済界から榊原定征前経団連会長(75)が入るとみられる。関係者が四日、明らかにした。

 政府は既に候補者本人へ起用を打診し、新元号選定の流れや懇談会の役割について説明しているもようだ。本人の意向などを慎重に確認した上で、今月中に元号選定手続きに関する検討会議を開き、正式決定する。

 教育界からは鎌田薫前早稲田大総長(71)、マスコミ界から日本新聞協会会長の白石興二郎読売新聞グループ本社会長(72)、上田良一NHK会長(69)、民放連会長の大久保好男日本テレビ社長(68)の三人が参加する見込みだ。

 有識者懇談会は、政府の元号選定手続きに規定された選考過程の一つで、「平成」に改元した一九八九年一月にも開かれた。当時のメンバー八人の内訳は、マスコミ界三人、教育界二人、学識経験者(文化勲章受章者)二人、女性評論家一人で構成されていた≫=中日web=。

 そもそも「有識者懇」って何をする組織なのか。3月4日付けの「NHK政治マガジン」に前回有識者懇メンバーだった西原春夫元早大総長の「改元30年へて新証言」なる記事が載っている。あれこれ語っているが、秘密厳守ということでメモなどは残していないという。メンバーが誰かも天皇が亡くなって懇談会が招集され、顔を合わせるまで知らなかったそうだ。それに引き替え、今回はかなりオープンな印象だ。「メンバー固まる」を各メディアが伝えていることから推して、「関係者」によるリークとみて間違いあるまい。人気取りが得意の安倍政権のこと、「意外とくだけたメンバーで面白そうじゃん」-みたいな反応を期待しているのではないか。

 先の西原は懇談会の役割について≪(記者)懇談会は、元号を選ぶ、という会議だったのか。(西原)そうです。決定して下さいという会議。事務局からそういうことで、この中で、1つを決めてほしいと、こういう感じだった。ですから、懇談会でまさに決める。その後どういう手続きなのかは、おそらく説明があったかもしれませんけども。とにかくこの懇談会で1つにして、1つを決定してほしいという要請がありました≫=NHK政治マガジン=。

 西原は決定機関と受け取っているようだが、多分違う。わずか2項の元号法には「1 元号は、政令で定める。 2 元号は、皇位の継承があつた場合に限り改める。」とあるだけ。実際の元号選びの手順は次のようになる。以下2月8日持ち回り閣議による。

 「元号法(昭和54年法律第43号)に定める元号の選定については、次の要領によるものとする。
 
1 候補名の考案
 (1) 内閣総理大臣は、高い識見を有する者を選び、これらの者に次の元号
 とするのにふさわしい候補名(以下「候補名」という。)の考案を委嘱する。
 
 (2) 候補名の考案を委嘱される者(以下「考案者」という。)の数は、若干 名とする。

 (3) 内閣総理大臣は、各考案者に対し、おおよそ2ないし5の候補名の提出を求めるものとする。

 (4) 考案者は、候補名の提出に当たり、各候補名の意味、典拠等の説明を付するものとする。

 2 候補名の整理
 (1) 内閣官房長官は、考案者から提出された候補名について、検討し、及び整理し、その結果を内閣総理大臣に報告する。

 (2)略

 ここまでは歴史学者や国漢学者らの仕事で、誰がメンバーかは明らかにされていない。西原の証言によると懇談会に提出された三案のうち「平成」が最初に記されていて、メンバーらは「これが第一候補なんだな」と受け止めたという。有識者とはいえ、古典籍などについては素人同然、響きや字面についての発言が多かったという。もっともなことだ。

 考案者グループ?からの案の提出を受けて有識者懇の出番となる。

 3 原案の選定等
 (1) 内閣総理大臣の指示により、内閣官房長官は、内閣法制局長官の意見を聴いて、新元号の原案として数個の案を選定する。

 (2) 内閣官房長官は、各界の有識者の参集を得て、元号に関する懇談会(以下、「懇談会」という。)を開催し、新元号の原案につき意見を求め、その結果を内閣総理大臣に報告するものとする。懇談会のメンバーは若干名とし、内閣官房長官が選考する。

 (3) 内閣総理大臣は、新元号の原案について衆議院及び参議院の議長及び副議長である者に連絡し、意見を伺う。

 (4) 全閣僚会議において、新元号の原案について協議する。

 4 新元号の決定
 閣議において、改元の政令を決定する

 要するに有識者懇は順位を付けて(黙示的と思われる)出された案について意見を述べるだけ。なんとなくその場の雰囲気でまとまるということのようだ。それにしても、である。今回のメンバーはあまりにも???だ。山中先生はどういう知見に基づいて意見を述べるのか。権威が大好きな林真理子は「もっと華やかでセンスがいいのはないの?」などとおっしゃるのだろうか。榊原は…。せっかく立派な方々を選んだのだから、後日、議論の様子を公開してはいかがか。

 当ブログは昨年9月、次の元号について「安永」を推したが、これは過去使われたことがあるので、安と永をひっくり返して「永安」。ええ案だなあ(w)

コメント (1)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「霊長類最強の候補」に転身?

2019-01-10 16:17:27 | 話題
 レスリングの吉田沙保里が現役を引退する。8日にネットで表明し本日10日、記者会見で正式に発表した。

 ≪レスリング女子で五輪と世界選手権を合わせた世界大会16連覇の記録を持つ吉田沙保里(36)=至学館大職=が10日、東京都内のホテルで記者会見を開き、現役引退を発表した。吉田は「このたび、33年間のレスリング選手生活に区切りをつけることを決断しました。自分自身と向き合ったとき、レスリングは全てやり尽くしたという思いが強く、引退することにした」と、すっきりした表情を見せた。今後は日本女子代表コーチとして、2020年東京五輪に向けて後進をサポートするという。吉田は8日に自身のSNSで引退を表明。会見場には大勢の報道陣が詰めかけ、反響の大きさをうかがわせた。

 吉田は黒のワンピースの上に白いジャケットを着て現われ、報道陣を前に深々と一礼。マイクを手に「自国で開催される東京五輪に出場したい思いとリオ五輪で銀に終わってしまい、日々迷いながらここまできた。若い選手に女子レスリングを引っ張ってもらいたいという思いにもなった」と語った。

 津市出身の吉田は3歳のとき、父でレスリング元日本代表の栄勝さん(故人)が自宅で開く道場で競技を始めた。中学時代から頭角を現わし、女子種目が採用された04年アテネ五輪で55キロ級の金メダルを獲得。08年北京大会、12年ロンドン大会と3連覇し、同年11月にはレスリング界初の国民栄誉賞を受賞した。

 世界選手権は02年から15年にかけて13連覇。五輪を合わせた16大会連続世界一に輝き、「霊長類最強女子」の異名も取った≫=sankei com=。

 まずはご苦労さまでした。今後の身の振り方については「東京五輪に向けて若い選手をサポートする」としただけにとどまった。バラエティー番組にも頻繁に顔を出し、芸能界入りもうわさされたが、とりあえずそれはなさそうだ。だが、あくまでとりあえずだ。そう遠くない時期に仰天の転身が明かされるのではないかとひそかに期待している。

 夏の参院選に自民党公認で立候補するというのがそれだ。この参院選、自民党はどうやっても議席を減らす運命にある。6年前、安倍晋三が首相に復帰して初めての参院選では空前の議席を得ている。民主党のダメさの裏返しであった。その民主党は四分五裂、ひどい状況だがそれでも自民党が現有議席を維持するのは至難の業だ。統一地方選と重なる「亥年選挙」も自民党の足かせとなる。少しでも負けを小さくしようと画策されているのが衆院解散と抱き合わせのダブル選挙。公明党がしきりに諌めているが、火種は消えない。

 安倍は先日、郷里山口県で「平成最後の年であると同時に新しい時代の幕開け。憲法改正を含め、新たな国造りに挑戦していく」と今年の決意を語っている。今年中の改憲発議は無理、というのが世間の相場だが、安倍はあきらめていないらしい。とすれば、参院選では「衆参三分の二」の維持が至上命題であり、勝てる候補はどんなことをしても立てたいと考えるのではないか。で、吉田沙保里という訳だ。元貴乃花親方なども考えられる。

 新春の大ぼら占い、当たる確率は宝くじよりはかなり高いと思うが…(w)。

 
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

カミングアウトねえ?

2018-05-30 08:35:21 | 話題
経済評論家?の勝間和代が同性と交際しているとブログで公表した。

 ≪ 働く女性らに人気の経済評論家、勝間和代さん(49)が29日までに、女性と交際していることを自身のブログで公表した。同性を好きになっても人に言えないことに悩んでいたと明かし、同じ悩みを持つ人の「ヒントになる可能性があると思った」と公表の理由を記している。相手は性的少数者(LGBT)への理解を促す活動をする増原裕子さん(40)。知人の紹介で知り合ったという。

 増原さんは2015年、同性カップルを結婚に相当する関係と認定する制度を全国に先駆けて始めた東京都渋谷区で、別の女性と第1号カップルになり、その後、関係を解消していた。〔共同〕=日経com≫

 ああそうですか。2度の離婚歴があり3児の母だった方がねえ。まあ、へえーっという気はするがそれだけのこと。なんでこんなことを敢えて「公表」するのか、また、メディアが取り上げるのか、それが分からない。勝間自身、「公表するのは変」と綴っている。

 ≪カミングアウト「心の氷が溶けた」 私は同性を好きだって、わざわざ公表をしないといけないって、本当は変ですよね。私は左利きですって、いちいち公表しないのと一緒で。

でも、LGBTのカミングアウトには勇気がいる。それこそが、偏見や差別が残っている証です。

私も同性を好きになる気持ちに蓋をしてきました。自分の中の無意識の規範概念があったと思います。それを超えると、何が起きるのかわからなかった。

でも、今は規範概念にとらわれて自分らしさを出せていない人に言いたい。同性を好きになってもいいんだよ。そのことに罪悪感を感じる必要はないんだよ。

LGBT当事者に対する反応でよくあるのが「普通じゃなくてもいいじゃない」。だけど、同性愛は異常でもない。普通という概念を広げよう、と言いたいです。

こういう風に思えるようになったのは、裕子さんだけじゃなくて、自分らしく生きているLGBTの人たちに会って、すごく素敵だったから。

私は裕子さんがいてくれたから、こうやってみんなに公表しようという気持ちになれた。でも、多くの人はそうではないでしょう。その人にも伝えたい。仲間はたくさんいるんだよ、ということを。

すぐに何かが変わるのは難しい。私も裕子さんに出会って、数年かけて、心の氷が溶けてきました。このインタビュー記事が、誰かを元気づけて、何かのきっかけになればいいなと思います。≫=オフィシャルブログ。


 「LGBTのカミングアウトには勇気がいる。それこそが、偏見や差別が残っている証です」。言いたいことは分かる。隠していて(公表せずにいる)あとでばれた際のバッシング=反響の大きさを考えての公表なのだろう。だが、自分の性向などを公表すること自体おかしい。誰しも人に言いたくない面はある。当たり前のことだ。人は人、自分は自分なのだ。勝間が同性愛者、あっそう。それだけのこと。勇気などを振り絞って! 他人に告げる必要はさらさらないように思えるが…。それを言わないといけないのが「有名税」ってことですかね。
 
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

カジノ規制!?マジですか!!

2018-02-16 10:46:11 | 話題
 東京23区内での大学定員増は今後10年間禁止する―という「地域大学振興法」案にも驚いたが、こんなことでびっくりしていてはいけないらしい。政府は日本人や在留外国人がカジノに入場するのを「週3回」などとする方向で検討に入ったという。馬鹿か。依存症対策だというが、カジノを設置しなければそれでいいだけの話だ。ここから見えてくるのは、何が何でもカジノをつくる―というご立派な意気込みである。

≪政府は15日、カジノを含む統合型リゾート(IR)の規制について、日本人や日本在住の外国人の入場を「7日間に3回」かつ「28日間で10回」までに制限する原案を自民、公明両党に示した。ギャンブル依存症への懸念は依然根強く、慎重派から原案の規制ではまだ不足していると批判が出る一方、カジノ推進派からは規制が厳しすぎると苦言も続出。今国会で成立を目指すIR実施法案の調整は難航する可能性もある。

 「今国会に法案を提出し、成立を期していきたい。議論をしっかり始める」。自民党の岸田文雄政調会長は15日、党の検討プロジェクトチーム(PT)でカジノを解禁するIR実施法案の成立を急ぐ考えを示した。政府・自民党は昨秋の臨時国会への法案提出を目指したが、衆院解散の影響で法案策定が遅れており、与党は今後議論を本格化させる。

 政府はこの日示した規制原案で、入場回数制限のほか、本人確認にマイナンバーカードを活用すると規定。営業面積も1万5000平方メートル以下などと上限を設けた。内閣官房幹部は「国際的にも異例の厳しい規制だ」と話す。外国人観光客などは入場規制の対象から除外するとした。

 厳しい規制案はギャンブル依存症への懸念に応えるためだ。国会には与党だけでなく、立憲民主党など野党も独自に依存症対策基本法案を提出。カジノ解禁のためには厳しい規制が避けて通れないのが実情だ。立憲の枝野幸男代表は14日、記者団に「(政府法案と野党案を一本化するなら)カジノをやめるのが大前提だ」とけん制した。

 さらに15日の公明党の検討PTでは、政府の規制原案に厳しい指摘が続出。入場回数規制の効果については、「利用者本人に依存症の自覚症状がなく、家族も気づかなければ意味がない」と疑問視する意見も出た≫=毎日jp=。

 来日外国人を増やすことと地域振興がカジノ設置の狙いらしいが、クールジャパンとは真逆ではないか。カジノなどを「統合型リゾート」などと言い換えても本質が変わる訳ではない。「日本にはカジノがないから行ってもつまらない」などという御仁は来ていただかなくても結構ではないか。どこでどんな金がうごめいているのか知らないが、こんなことに血道を上げる議員っていったい何を考えているんだろう。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする