酔眼独語 

時事問題を中心に、政治、経済、文化、スポーツ、環境問題など今日的なテーマについて語る。
 

この大事故がなぜか「ボツ」?

2013-03-21 09:00:50 | 外交
 米ネバダ州の陸軍基地で爆発事故があり、海兵隊員7人が死亡、7人がけがをする大事故があった。昨20日午後のNHKラジオで知ったが、その後続報はなし。夜のテレビニュースでも報じられず、今朝の朝刊にも見当たらない。


 ≪【3月20日 AFP】米ネバダ(Nevada)州にある米陸軍施設で18日夜、海兵隊の訓練中に60ミリ迫撃砲の砲弾が砲身内で爆発し、海兵隊員7人が死亡、さらに7人が負傷する事故があった。米軍が19日、発表した。

 米軍の発表によると、事故が起きたのは同州西部ホーソン(Hawthorne)にある弾薬などの保管施設。海兵隊は、爆発したものと同ロットの迫撃弾の使用を事故調査が終わるまで中止すると発表した。

 事故があった施設では、2000を超える掩蔽(えんぺい)壕と荒涼とした地形を利用してアフガニスタンに派遣される兵士の訓練なども行われている≫=AFP=。


 各紙の国際面を見てもそう重大なことが載っているわけではない。迫撃砲の砲弾が砲身内で爆発した単純事故とみなして扱わなかったのだろうか。

 単純な事故であればあるほど、再発の懸念がある。国内に多くの米軍基地を抱える日本のメディアがこれを伝えないのは理解できない。海兵隊の訓練中に起きた事故ということで、米側が沖縄への影響など憂慮したということは考えられる。だが、日本のメディアに報道自粛を求めることなどないはずだ。日本政府筋からも「なるべく穏便に」などという要請はなかっただろう。

 米軍基地内で日常的に行われている訓練で、7人もが死亡する事故が起きた。ここに目が向かないメディアは、いったい何を見ているのか。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

被害220兆円!!

2013-03-19 08:58:07 | 外交
 中央防災会議の作業部会が東海~四国にかけて起きるとされる巨大地震の被害想定を公表した。被害額は東日本大震災の約10倍に上る220兆円、避難者は1000万人近くになるという。

 ≪国の中央防災会議の作業部会「南海トラフ巨大地震対策検討ワーキンググループ」(WG)は18日、南海トラフ巨大地震に伴う経済やライフライン、交通など第2次の被害想定を公表した。被害額は計220兆円で従来想定の約3倍、国家予算の2倍超。ピーク時の断水被害人口3440万人▽停電2710万件(契約数)▽避難者950万人−−と推計された。被災する可能性のある人口は国民の過半数の6800万人に上り、中・西日本の太平洋側の住民が深刻な被害を受ける。

 報告は、耐震化率を現在の79%から100%にするなど対策を進めると被害額は半減するとして、防災対策の重要さを強調している。

 被害額はフィリピン海プレートと陸側プレートの境界のより陸側で地震が起き、東海地方が津波の大きな被害を受けるケースで推計。揺れや津波、火災による直接的な被害は東日本大震災の約10倍の169.5兆円となる。生産の低下やサプライチェーンの断絶などによる間接的被害の50.8兆円と合わせて220.3兆円に上る≫=毎日jp=。

 国家予算の2倍強というとんでもない被害である。実際にこんな巨大地震と津波に見舞われれば、まさに「日本沈没」である。被害軽減に全力を傾けることは言うまでもない。だが、「国土強靭化」が叫ばれる一方で見逃されていることがあるような気がしてならない。それは、太平洋ベルト地帯集中化の是正である。

 首都直下地震も必至とされる。国家機能の中枢を大きな地震が襲うのが確実という情勢下で、首都機能や経済中枢の移転が進まないのは理解できない。過密化し災害に対する防御力が低下している首都圏・中京圏から東北や日本海側にシフトすることが急務だ。東北の復興・振興や国土の有効利用にもつながる。

 どんなに地震・津波対策を施したところで一定の被害は避けられない。そうであれば別の場所への移転の方が得策ではないか。現にいくつかの事業所では移転計画の前倒しを進めているという。

 コンクリートと鉄で固める「強靭化」一辺倒では土建屋が喜ぶだけだ。政治家は申し越し大きな構想を描いてもらいたい。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

吹雪での惨事を考える

2013-03-04 09:40:48 | 外交
 2日から3日にかけて北海道で荒れ狂った吹雪のため8人もの人が命を失った。車のエンジンをかけっぱなしにしていたための一酸化炭素中毒死や凍死である。亡くなられた方々のご冥福をお祈りすると同時に、なぜこのような事故が続発したのかを考えてみたい。


 ≪北海道は2日から3日にかけて発達した低気圧による暴風雪に見舞われ、中標津(なかしべつ)町で雪に埋もれた車内で母子4人が一酸化炭素中毒になるなど、計8人が死亡した。道東を中心に幹線道路の多くが通行止めとなり、14市町で約千人が公共施設などに一時避難。各地で車が立ち往生する間に、地吹雪で車が埋まるなどして、被害が拡大したとみられる。

 中標津町俣落(またおち)の幹線道路で2日午後6時半ごろ、近くの宮下加津世さん(40)と長女で高校2年生の未彩(みさ)さん(17)、次女で中学2年生の紗世(さよ)さん(14)、長男で小学5年生の大輝(だいき)さん(11)が、約2メートルの雪に埋もれた車内から見つかった。中標津署によると、4人は死亡しており、死因は一酸化炭素中毒だった。署は車の排気管が雪で塞がり、車内に排ガスが流入したとみて調べている。

 同町俵中(ひょうちゅう)では、車で帰宅途中だった近くのアルバイト従業員北川陽菜(はるな)さん(23)も、車から離れた場所で死亡していた。

 湧別(ゆうべつ)町では3日午前7時すぎ、同町東の漁師岡田幹男さん(53)と長女で小学3年生の夏音(なつね)さん(9)が、乗っていた軽トラックから約300メートル離れた牧場の倉庫前で雪に埋もれているのが見つかった。岡田さんは、夏音さんに覆いかぶさって凍死していた。夏音さんは軽いけがをしたものの、命に別条はないという。

 このほか、吹雪に見舞われた網走市と富良野市でも男性2人が亡くなった。網走市では勤務先から歩いて帰宅中の酪農ヘルパー、今井教(さとし)さん(54)が道路脇で倒れ、富良野市では不動産会社社長、佐々木亨さん(76)が雪に埋もれた車の近くに倒れていた≫=朝日degital=。

 車が雪に埋まったらエンジンを止めるのは雪国の常識である。とはいえ、実際に自分で体験しないと、地吹雪の恐ろしさは分からないことも確かだ。猛烈な地吹雪の際には20分と掛からずに車がすっぽり雪に覆われてしまう。筆者は20年ほど前、新潟市郊外の農道で地吹雪に見舞われ、アッというまに埋もれた経験がある。道路わきの雪壁の高さと同じになるまで、吹雪はひたすら道路を埋めまくるのだ。消防を呼び、牽引されて何とか何とか難を逃れたのだが、近くに人家がなかったらどうなっていたことやら。

 地吹雪で車が埋まるケースは、両側ないし片側に壁がある場合が多い。風を避けようとしてこのような場所に車を止めると、大変なことになる。万一埋まってしまったら、エンジンは切ることだ。

 子供を抱えながらこと切れた父親の姿を想像すると胸が詰まる。

 亡くなった方々はどのような服装をしていたのか。ここがポイントだ。軽トラ事故の報道で、娘の服装を尋ねられた父親が「フードつきのスキーウエアを着ているから大丈夫」といった趣旨の発言が伝えられているぐらいで、詳細は不明である。現地の風速は数十㍍に達していたと想像される。気温は氷点下、体感温度はマイナス30度前後だったのではないか。スキーウエアで耐えられる寒さではない。

 雪国や北国でも、車で外出する際は意外と軽装が多い。途中でのトラブルを想定していないのだ。厳冬期のドライブでは何が起きるか分からない。ダウンジャケット、厚手の手袋、防寒靴は必携だ。筆者はスコップや脱出用の古毛布も携行している。

 一連の事故を一つ一つ検証し、悲劇を繰り返さないよう注意を喚起してほしい。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする