酔眼独語 

時事問題を中心に、政治、経済、文化、スポーツ、環境問題など今日的なテーマについて語る。
 

「学習症」ってな~んだ?

2014-05-31 14:47:36 | ニュース
 日本精神神経学会なる組織が、いくつかの精神疾患の病名を変更した。「分かりやすい」「患者の不快感を減らす」が狙いというが、???である。

 《読み書きが困難な子どもの「学習障害」は「学習症」に――。日本精神神経学会は28日、精神疾患の病名を変更すると発表した。分かりやすい言葉を使うとともに、患者の不快感を減らすのが狙い。

 米国精神医学会が作る精神疾患の診断基準「DSM」が昨年5月に改定されたのを機に、関連学会で病名や用語の和訳を検討してきた。「障害」が付く子どもの病名の多くを「症」に変えた。親子がショックを受けたり、症状が改善しないと思われたりすることに配慮した。

 対人関係などに問題が生じるアスペルガー障害や、自閉性障害は、「自閉スペクトラム症」に統一。衝動的に行動しがちな「注意欠如・多動性障害」は「注意欠如・多動症」にする。

 大人に多い病気で、障害を症に変更した病名もある。動悸や身震いなどの発作を繰り返す「パニック障害」は「パニック症」に。体の性と自ら感じる性が一致しない「性同一性障害」は、より分かりやすい「性別違和」に変える。

 診療現場や一般社会で旧病名も引き続き使えるが、新病名は将来的に保険請求で使う病名になる見込みで、徐々に切り替えが進むとみられる》=29日・読売新聞=。

 「障害」を「症」と言い換えるなど馬鹿げている。摂食障害に拒食症や過食症があるごとく、そもそも別の概念だ。患者に寄り添ったふりをして変な病名を蔓延させるのはやめてもらいたい。自閉性障害→自閉スペクトラム症、どこが分かりやすくなったというのか。

 人間ドック学会の健康値見直しといい、お医者さんの場当たり策にはほとほと呆れる。言葉遊びや数字遊びをしている暇があるのなら、本業に精を出したらいかがか。
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スクランブルの危険性

2014-05-26 09:07:56 | ニュース
 中露海軍の合同演習を偵察・情報収集していた空自機が、中国軍機に異常接近されたとして大騒ぎになっている。

 《防衛省は24日、同日昼ごろの2回、東シナ海の公海上空を飛行していた自衛隊機2機に対し、中国軍の戦闘機が数十メートルの距離まで接近したと発表した。同省によると現場は、日本の防空識別圏と昨年11月に中国側が設定した防空識別圏が重なるエリア。中国側が識別圏を設定して以降、このような接近事案は初めてという。領空侵犯はなかった。

 発表によると、中国軍の戦闘機Su27が2機、午前11時ごろに海自の画像データ収集機OP3Cへ、正午ごろには空自の電子測定機YS11EBにそれぞれ接近。2機のうち1機は、海自機には約50メートル、空自機には約30メートルの距離まで、並走するように近づいてきたという。接触はなく、けが人もなかった。

 小野寺五典防衛相は「偶発的事故につながりかねない危険な行為だった」とするコメントを発表。日本政府は、在東京中国大使館を通じて、抗議した》=朝日digital=。


 小野寺が言うように「偶発的事故」につながりかねない行為であることは間違いない。ただ、スクランブルは「近づくな」と相手を威嚇するのが目的であり、ある程度の脅威を伴わなうのは常識だ(もっとも旧ソ連空軍と空自のように日常的なゲームと化したものもあるが…)。

 産経新聞が3月に報じたところによれば、空自は活発化する中国海空軍に対応するためスクランブルについてのマニュアル作成に着手したという。

 《航空自衛隊が外国航空機に領空侵犯された際の対応マニュアルの策定に着手したことが28日、分かった。マニュアルの策定は初めて。尖閣諸島(沖縄県石垣市)周辺の上空で領空侵犯や領空接近を繰り返す中国の戦闘機や情報収集機を念頭に置いている。マニュアルは強制着陸の実効性を高めることに重点を置いており、武器使用権限の見直しも喫緊の課題になる。

 マニュアルでは、侵犯機を国内に強制着陸させる方法や手順を規定。中国軍機の領空侵犯をにらみ、尖閣に近い石垣空港(同市)と宮古空港(同県宮古島市)に着陸させることをモデルケースとする。
 着陸させる際、空自戦闘機2機が相手機を挟み込む形で誘導する。領空の外側に設けられた防空識別圏に接近することの多い中国戦闘機J10の搭載燃料で石垣や宮古島まで飛行させられるか見積もりを立てる。
 J10とともに領空に接近してきている中国情報収集機Y8は速度が遅い。空自のF15戦闘機が横並びでY8と長時間飛行することは難しく、多数のF15でY8を追い越しては後方に戻ることを繰り返すような誘導計画を作成。中国機のパイロットが操縦席から脱出した場合の対応策も定める。
 着陸後はパイロットを沖縄県警に引き渡し、警備態勢の強化も要請する。
ただ、強制着陸を実行するには、相手機と同じ方向に横並びで飛行しながら前方に曳光(えいこう)弾を発射する警告射撃だけでは不十分との声が多い。空自OBは「相手に撃墜の危機感を与えることが不可欠だ。機体すれすれを狙う威嚇射撃を行えるよう武器使用権限を見直す必要がある」と指摘する》=3月23日=。

 このケースは領空侵犯であり、今回とは異なるが、識別圏から領空までは瞬時とも言える距離である。双方がどこまで近づけるかを競うチキンゲームなどを繰り返せば、米中機が衝突事態の再現もありうる。今の日中間には突発事態を穏便に処理する余裕がなさそうだ(とりわけ指導部に)。現場同士の対話を重ね、「偶発的事故」の回避に努めてもらいたい。
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