酔眼独語 

時事問題を中心に、政治、経済、文化、スポーツ、環境問題など今日的なテーマについて語る。
 

ビッグ3 破綻もありだろう

2008-12-13 09:32:13 | Weblog
 GMなど米ビッグ3につなぎの公的資金注入を可能にする救済法案が廃案になった。中南部出身の共和党議員が反対に回ったためという。


 《米自動車大手3社(ビッグ3)の救済法案が廃案となり、米政府は金融安定化法に基づく公的資金7000億ドル(約63兆円)の活用による支援の検討に入った。ゼネラル・モーターズ(GM)などが経営破綻(はたん)した場合、影響が大きいためだ。ビッグ3は、米国で20万人以上を雇用し、周辺産業を含め大量失業は免れそうにない。ビッグ3に投融資する金融機関の経営不安にも波及し、金融危機がいっそう深刻化することも予想された。


 救済法案のつなぎ融資は最大140億ドル(約1兆3000億円)で、GMとクライスラーが来年3月までの運転資金として求めた額。法案が成立すれば、両社は当面、破綻を回避できるとみられていた。既にGMはスズキ株を売却するなど「換金しやすいものは売り尽くした」(業界関係者)とされ、すぐにでも手元資金が底をつく可能性が高い》=毎日web=


 ブッシュ政権は、民主党が中心になってまとめた救済策にはあまり乗り気でなかったらしい。20億円前後の資金を動かすのにさえ、監督官の許可がいるなどの厳しい内容は「自由な経営を損なう」というのだ。


 加えてオバマ民主党の支持母体であるUAW(全米自動車労組)が法案に反対した。待遇の切り下げは認められないというのだ。


 ブッシュは自分の政権でビッグ3を破綻させたくはないので、金融安定化法の70兆円枠を割いて救済に乗り出すだろう。とりあえず年を越して、後はオバマに任せるのではないか。


 金融安定化法は文字通り金融機関の目詰まりを解消するための法律である。メーカーにまで対象を広げるのは趣旨が違う。ただ、GMなど3社が抱える負債は計30兆円を超えており、これが回収不能となると銀行にも打撃が及ぶ。それを回避するために公的資金を注入する--という理屈が立たないわけでもなさそうだ。


 朝日など日本のメディアは「破綻回避」を求める声が強い。かつての日本の金融危機の際、国内メディアの多くは公的資金注入に疑問を投げかけた。ところが、今回は金融だけでなく、メーカーにも公的資金を入れろという。筋が通らないのではないか。


 3社すべてを丸ごと救済するのは間違っている。連邦破産法11条による破たん処理の方がスピード感が出るかもしれない。単に「破綻させるかさせないか」の議論にはあまり意味がないと思われる。
コメント
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