酔眼独語 

時事問題を中心に、政治、経済、文化、スポーツ、環境問題など今日的なテーマについて語る。
 

判決文偽造だって?!

2008-12-09 20:29:32 | Weblog
 京都家庭裁判所の書記官が有印私文書偽造行使の疑いで埼玉県警に逮捕された。裁判所の権威と振り込め詐欺の被害者救済システムを悪用した前代未聞の犯行だ。



 《虚偽の判決文に基づき凍結解除された銀行口座から現金を不正に引き出すため、偽名の振り込み依頼書を使ったとして、埼玉県警捜査2課と熊谷署は7日、京都市伏見区伯耆町(ほうきちょう)、京都家裁書記官、広田照彦容疑者(35)を偽造有印私文書行使容疑で逮捕し、京都家裁などを家宅捜索した。県警によると、口座は振り込め詐欺に使われた疑いがあるとして一時凍結されたが、広田容疑者が民事判決文を偽造し、解除した疑いもあるという》=毎日web=



 埼玉県警が内偵に乗り出したのは10月中旬である。これまでに明らかになっているだけでも、広田容疑者は東京や札幌など4カ所以上の地方裁判所に偽造判決文を送りつけて凍結口座の解除を企んだとされる。警察と裁判所の連携も今後問題となろう。



 メディアはそれなりに報じてはいるものの、あまり危機感が感じられない。もっと深刻に受け止めるべきではないか。


 裁判所からの公文書は、通常「特別送達郵便」で届く。各種の宣告がこれによって告げられるケースは多い。それの真贋が問われているのだ。司法制度の根幹を揺るがす事態といっていい。逮捕状や家宅捜索令状を突きつけても「これは本物ですか」と言われかねないのだ。



 広田容疑者が偽造した判決文は、形の上では「正本」である。これが通用しないという意味を深く考えるべきだ。



 埼玉県警は単独犯と見ているらしい。おそらくそうなのだろう。だが、その筋のものに脅されたか、結託していた可能性は否定しきれない。目端の利く連中は「この手があったか」と作戦を練っているかもしれない。


 いずれにせよ、日本社会がグチャグチャになりかけている一つの証であるのは間違いない。

 
コメント
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