酔眼独語 

時事問題を中心に、政治、経済、文化、スポーツ、環境問題など今日的なテーマについて語る。
 

プーチンの野望

2011-09-28 04:48:54 | Weblog
 来年行われるロシア大統領選挙は、早くも結果が出たようだ。首相と大統領が入れ替わることで決着がついたというのだ。なんとも不思議で恐ろしい国だ。

 《ロシアのプーチン首相(58)は24日、政権与党「統一ロシア」の党大会で、メドベージェフ大統領(46)から来年3月の大統領選の党候補として推薦され、これを受けて、出馬の意向を表明した。有力な野党候補がいないことから、プーチン首相の08年以来の大統領復帰が事実上決まった》=25日・毎日jp=。

 プーチンの力の源泉はどこにあるのか。出身母体であるKGBの流れを汲む連中や軍、公安機関など陰謀と暴力のにおいが漂う。ポリトコフスカヤ事件をはじめ、プーチン近辺を探っていて「始末」されたジャーナリストは何人に上るのか。獄にぶちこまれた政敵も多い。とても民主国家と呼べる政体でないのは明らかだ。

 プーチンが大統領に復帰することで、強権支配はさらに加速しそうだ。アメリカの凋落をいいことに、軍事面でも手を広げてくると予測される。原油価格が高騰し、ガスの生産能力向上が「強いロシア」を後押ししている。

 以前ロシアの知人に「プーチンは何になりたいのか」と尋ねたことがある。即座に「ダントツのオルガリヒさ」との答えが返ってきた。オルガリヒとは新興財閥のことである。プーチンは単なるオルガリヒではなく、権力も名誉も金も手に入れたい。早い話が皇帝になりたいのだという。

 プーチンの支持母体である「統一ロシア」は下院の7割を占める。年末の選挙でも大きく議席を減らすことはないだろう。一党支配と独裁的な指導者。ロシアはいつか来た道をたどろうとしているように見える。
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日米首脳会談

2011-09-25 09:30:01 | Weblog
 野田首相の外交デビューとなった日米首脳会談と国連演説が終わった。首脳会談はわずか30分、国連演説は国連加盟を訴えたアッバスの直後、いずれもさえない結果に終わったようだ。

 ただ、各メディアは「オバマは野田を評価した」と口をそろえる。米国の大統領から認められれば、日米関係が良好になるという論法で、思わず笑ってしまう。

 《オバマ米大統領が野田佳彦首相との初の首脳会談後、「I can do business with him.(野田首相となら仕事ができる)」と語っていたことが、大統領周辺から日本側に伝わった。首相の同行筋が22日、明らかにした。

 大統領は「実務的」(外務省幹部)と言われ、同様に実務的な首相に対して好感を抱いたようだ。ただ、会談では米軍普天間飛行場の移設問題で、大統領が「結果を求める時期が近い」と迫るなど、早速難問が突きつけられた。首相に具体的な成果を求める米側の圧力が今後強まりそうだ》=毎日jp=。

 外務省の役人?が、こんなくだらないことを得意げに記者団に語る神経が分からない。「彼となら」って、ではオバマが付き合った過去の3人はどうなのか。国務省に文句の一つも言ってしかるべき発言だろう。

 オバマは昨年、「パレスチナの領土は1976年当時に戻すのがベスト」「パレスチナは国連加盟すべきだ」などと述べていたが、大統領選を控え発言を大きく後退させている。「こういう大統領と一緒に仕事するのは難しい」。そう言える勇気ある首相は出ないんだろうなあ。

 それにしても野田と夫人がよく似ているのには驚いた。夫婦というよりきょうだいに見えた。
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国際大会と国籍

2011-09-20 05:26:41 | Weblog
 ラグビーW杯で2勝を目指す日本代表が「外国人だらけ」と批判されている。確かに、FWとHBを除けば要所は外国人という布陣で、日本人選手は「縁の下の力持ち」といった役どころだ。IRBの規約では3年暮らすと、その国の代表になれるらしい。ラグビーの本場、EU内の移動が自由な欧州では、「外国人」など問題にもならないのかもしれない。

 話は変わって体操の塚原直也がオーストラリア国籍を取得しての五輪出場を目指しているという。日本で勝てなくなったら外国で、というわけでもないだろうが、釈然としない。下記の読売報道などによれば、その可能性は遠のいているとか…。

 《体操の豪州代表としてロンドン五輪出場を目指しているアテネ五輪団体金メダリストの塚原直也(34)(朝日生命)の東京世界選手権(10月7日開幕)出場が17日難しくなった。

 同日、豪州代表選考会が当地で行われ、塚原は1位になったが、この日までに豪州国籍を取得できず、代表入りに至らなかった。

 ただ、大会前に国籍を取得し、国際体操連盟に豪州選手として登録できれば、試合直前の選手入れ替えは可能で、読売新聞の電話取材に対し、塚原は「まだ出場がダメと決まったわけじゃない。とにかく体調を整えたい」と話した。

 出場できなくても、豪州が団体総合で8位入賞するなどの条件をクリアできれば、塚原の4度目となる五輪出場の可能性は残る。

 塚原は昨年4月に豪州の永住権を取得し、今年8月に国籍取得を申請。7月には全豪選手権個人総合で優勝するなど実績も残してきたが、取得要件となる滞在日数(2年)に達していないため、早期に交付されるか微妙な情勢となっている》=2011年9月18日付読売新聞=。

 国籍を変えて五輪に出たケースとしてはバンククーバー五輪フィギュアスケート・ペアの川口悠子(ロシア)、トリノの同種目井上玲奈(米国)などが知られる。

 フィギュア・ペアと体操では事情がまったく異なる。ロシアや米国はペアスケートの強豪国だ。国内予選を勝ち抜くのは容易ではない。強い国に移って、そこから五輪に出たいと考えるのは、スポーツマンとしてあり得ることだろう。

 体操はどうか。オーストラリアは団体で五輪に出られるランキング8位には入れない弱小国だ。塚原は「俺の力で」と考えているようだが、本音はどうなのか。その国が好きで、そこから出たいと真に願っているなら、お好きにどうぞである。

 要は国籍を変えてまで五輪に出ようとする意図である。本来の出身国では出られそうもない。より弱く、可能性の高い国から。そういう不埒なことを思いつく輩がでてくる(金持ちがアフリカのどこかの国のスキー選手になるようなケースは考えうる)。あれやこれやを考え合わせると、五輪出場を目的とした国籍移動は制限した方がいい。日本の女子も、困難を克服して日本ペアで出ることを目指してもらいたい。

 それにしても、五輪は肥大化しすぎた。競技数がやたらと増えるから、標準記録や出場枠が出てくる。個人競技を中心にして「参加することに意義がある」大会に戻すことを真剣に考えたほうがいい。
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「鉢呂発言」の虚実

2011-09-12 05:27:48 | Weblog
 鉢呂経産相が辞任した。福島県視察の印象について「死の町のよう」と表現したことに加え、その後記者に防災服をこすりつけるようなしぐさをして「放射能をうつした」という発言をしたことの責任を取ったものだ。後任には枝野前官房長官が就任した。


 元社会党員で農協職員上がりの鉢呂が鉢呂は、TPPなどを抱えた経産相は無理だと思っていたが、こんな失言で交代するとは…。

 どちらの発言も読売の編集手帳子が書いているように、辞任するほどのこととは思えない。(もっとも編集手帳は、鉢呂が辞職なら一川防衛相らも辞めなくちゃ、といったニュアンスで書いており、本音がどこにあるかは分かりにくい)。

 問題は直接の引き金になったと見られる「放射能うつす」発言の本当の中身である。各メディアがばらばらに伝えていることに危機感を抱いた? 朝日は13日付け第3社会面で「検証記事」を掲載、一応の体裁を繕っている。

 朝日が伝える各社の鉢呂発言は以下の通りだ。

 朝日 記者団に「放射能をつけちゃうぞ」と発言。記者の一人に防災服をなすりつ
    けるようなしぐさもした

 読売 防災服の袖を記者にくっつけるしぐさをし、「ほら、放射能」と語りかけた

 毎日 毎日新聞の記者に近寄り、防災服をすりつけるしぐさをして「放射能をつ
    けたぞ」という趣旨の発言をした

 日経 報道陣の一人に袖をすりつけて「放射能をつけてやろうか」と冗談まじり
    に述べた

 東京 報道陣の一人に防災服をすりつけるしぐさをし、「放射能をうつして
    やる」という趣旨の発言をした

 産経 記者に防災服の袖をすりつけるしぐさをし、「放射能をうつしてやる」な
    どと発言

 共同 報道陣の一人に防災服をすりつけるしぐさをし、「放射能をうつして
    やる」という趣旨の発言をした

 時事 記者のうちの一人に防災服の腕の部分などを近づけ、「放射能を付けたぞ」
    との趣旨の発言をした 

 東京と共同が同じ表現(共同配信)ほかは、各社微妙に違う。(産経は共同をリライトしているかもしれない)。朝日によれば、議員宿舎の玄関辺りで鉢呂を囲んだのは5~6社。いずれも経産省担当という。朝日とNHKは政治部記者が後から加わった。毎日と共同の記者が輪の中にいたことは記事になっている。

 近寄って袖を擦り付けられたという当の毎日が、なぜ「放射能をつけたぞ」という趣旨の発言をした」などと回りくどい書き方をするのか。共同などが書いた「放射能をうつしてやる」という趣旨、は何をどう解釈して出てきた表現なのか。

 日経の「冗談まじり」からは鉢呂が飲酒していた可能性も感じる。

 ぶら下がりや囲みで得た片言隻区を意図も確認しないまま垂れ流すのは感心しない。まして、今回は実際の発言はどうだったのかがまるで分からない。

 民主党の輿石幹事長が、最初に報じたフジを事情聴取!したらしいが、そういう話ではない。報道への圧力とも思える手法は、傷口を広げるだけだろう。メディアがメディアなら民主党も民主党だ。あ~あ。

 
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読売と原発

2011-09-09 06:03:50 | Weblog
 朝日新聞と毎日新聞が「脱原発」にシフトする中で、巨人・読売新聞は果敢に!原発必要論を掲げて奮闘している。ご苦労さまです。

 朝日に「日本の原子力政策を推進した大正力」などと書かれ、奮起した側面があるかもしれない。社説や編集委員らが主張する分には、どんどんやってくださいというしかない。しかし、9日付け1面トップのような記事はどうだろう。

 《米ソ冷戦時代の1946~58年、米国は中部太平洋、マーシャル諸島共和国のビキニ環礁とエニウェトク環礁で計67回の核実験を行った。8月末、最後の実験から半世紀以上を経た同国を訪ねた。

 核爆発の破壊力は苛烈で、原子力発電所事故とは影響や性質は異なる。だが除染を経て人々が帰った島や帰島準備が進む島もあり、「福島再生」への示唆に富んでいた》。

 社会部の女性記者が書いた原稿だが、なかなか意味が深い。見出しは横カットで「核実験の地 除洗進む 表土削り地下埋設」である。これをアタマに掲げた意図は明白だ。「67回も核実験を行った土地でさえ除染ができている。いわんや福島においておや」ということである。

 しかし、福島の「除洗」や「再生」はまだずっと先の話と示唆しているようにも読める。福島から放出されたセシウム量は広島原爆の130倍ともいわれている。読売の同記事では「核爆発の破壊力は苛烈で、原子力発電所事故とは影響や性質は異なり…」などと述べている。破壊力と汚染量に何の関係があるのか意味不明の表現だ。
でも、全体を通して読むと、「いまも被爆に苦しんでいる」のがよく分かる。こういう原稿に「除洗進む」などと大見出しをつけてはいけない。

 脱原発の流れが急で焦っているのかなあ。
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スポーツ留学生

2011-09-07 05:51:05 | Weblog
 昨日のブログで「金欠で自前の調査ができない?産経は」などと失礼なことを書いてしまった。FNNと共同でやっていたんだね。それにしても、なぜ掲載が他紙より1日遅れなのか。調査会社への委託料をけちって処理に時間が掛かる、なんてことはないんでしょうね。前日載せた「新報道2001」の数字と6日付け世論調査とでは15%もの差がある。産経は共同の調査も載せているんで、いやもう大変。いっそ全部の新聞、テレビの世論調査数字を並べて見せたらいかがか。

 突然話は変わって、04年インタハイ男子バスケで優勝した福岡第1高校が年長の外国人留学生を起用していたとして、優勝を取り消された。前代未聞の珍事である。 
 
 《全国高校体育連盟は3日、04年の全国高校総体バスケットボール男子で優勝した福岡第一高(福岡市)のセネガル人留学生が、年齢を4歳9カ月も若く偽って出場したとして、同校の優勝を抹消し優勝旗を返還させると発表した。この選手が出場した05年総体の3位も取り消す。これに対し福岡第一高は、年齢は虚偽ではなく成績の抹消は不当であると反論している。

 この留学生は03年に入学したディアン・ティエルノ・セイドゥ・ヌロ選手。2年生で優勝の原動力となった後、体格などに疑念を持った他校などから、大会出場資格の「年度末で19歳以下」を超えているとの疑義が示された。当初はパスポートの生年月日から問題ないとされた。しかし、全国高体連が08年にセネガル外務省に照会したところ、ディアン選手は実際には82年1月4日生まれで、名前のつづりを変え、生年月日も86年10月4日と偽ってパスポートを取得していたとの回答があり、入学時に21歳だった可能性が浮上した》=毎日jp=。

 まったくの推測だが、高校側はこの選手の年齢が22歳になっているのを知らなかった可能性が高い。セネガルはアフリカでも貧しいほうの国で、戸籍などでたらめだからだ。ガーナからサッカー選手を連れてきた某大学の指導者が「連中、歳分かんねえんだよな。自分の誕生日もよく知らないし…」とこぼしていたのを思い出す。

 この件で高校の外国人留学生に対する風当たりが強くなりそうなのが気がかりだ。
いわく「勝利至上主義との決別を」「スポーツはあくまでも教育の一環」。耳たこの正論が聞こえてくる。

 コメなどの農作物さえ自由化の時代に人材の鎖国などありえない。いい選手を連れてきて日本人選手と競わせる。そうやって国内選手のレベルも上がっていくのだ。日本の男子マラソンが何とか世界選手権で入賞ラインを維持しているのは社会人駅伝などで活躍するアフリカ勢の影響が大きい。

 とんと五輪に出場できない男子バスケットも日本リーグなどではなく高校あたりから外国人を入れていったらいい。

 セネガルなど最貧レベルの国では、小学校に通える児童も限られる。この子らのうち身体能力が高い子を日本などに呼んで、教育と一緒に競技力も付けさせることは意味がある。スポーツ留学は国外、国内を問わず、フリーにしておくべきだろう。
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野田内閣の支持率

2011-09-06 05:56:49 | Weblog
 2日発足した野田内閣に対する世論調査の結果が出そろった。70%超から50台%と分かれたが、菅政権の10%台からはいずれも急上昇している。

 面白いのは民主党と距離を置くメディアほど高支持率となっていることだ。金欠で自前の調査ができない?産経はフジテレビの「新報道2001」を借りて紙面化したが何と70・8%。以下、日経の67%、読売65%、共同62%と続く。毎日は56%、最も低いのが朝日で53%である。

 野田内閣を支持しますか。支持しませんか。という単純な質問でこれほどの開きが出た。世調を信用すれば、この結果から各紙の購読者の傾向がうかがえる。政権交代歓迎派、ないしは民主党に多少のシンパシーを感じている向きは、野田に自民党回帰のにおいを感じている。「何か怪しい」で半分しか支持がないのだ。

 自民党回帰派、ないし原発維持派は「野田なら手荒なことはやらない」と安心感を表明したことになる。

 もっとも、内閣の顔触れが決まって発足しただけで「支持しますか、しませんか」などと聞くのは馬鹿げている。この時期聞くならせいぜい「この内閣は期待できそうですか」だろう。「支持する」とした理由も泣かせる。「首相が野田さんだから」「首相は信頼できる」。どじょう宰相、雨の日も風の日も駅前演説24年…。39年前の角栄首相誕生を思い出させる「いい話」が満載だった。

 政治もしょせんは人情話、と考えれば世論調査がこうした数字をたたき出すのは当然かもしれない。

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