酔眼独語 

時事問題を中心に、政治、経済、文化、スポーツ、環境問題など今日的なテーマについて語る。
 

さすが「産経」!!!

2010-07-29 05:46:55 | Weblog
 28日付けの産経新聞社会面を見てびっくりした。日本相撲協会理事長代行を務める村山弘義元東京高検検事長が、暴力団とかかわりが深い2企業の役員をしていたと報じているのだ。

 《大相撲の野球賭博事件を受けて日本相撲協会の理事長代行を務めている、元東京高検検事長の村山弘義氏(73)が、代行就任以前に、暴力団との関係が疑われる2企業の監査役などを歴任していたことが27日、分かった。2企業はいずれも暴力団との親交があった元経営者や取引先が警視庁に摘発され、破(は)綻(たん)や上場廃止となっている。村山氏は事件と直接的なかかわりはないが、角界の暴力団排除を担う理事長代行職を務めることについては疑問視する指摘も出ている。

 村山氏が監査役などを務めていたのは、東証マザーズに上場していたインターネット音楽配信会社「リキッドオーディオ・ジャパン」(現ニューディール、上場廃止)と、東証2部に上場していた不動産会社「スルガコーポレーション」(横浜市、民事再生中)。

 リ社は平成10年7月に設立、11年12月に東証マザーズへの上場第1号を果たしたことで注目された。しかし、暴力団との関係が指摘されたことなどで株価が急落。12年9月に引責辞任した社長が、同僚のリ社幹部(当時)を監禁、暴行していたとして同年10月に逮捕された。

 村山氏は同社の招(しょう)聘(へい)で、事件発覚前の12年6月にリ社顧問に就任。同年9月から13年10月まで監査役を務めていた》=28日・産経=。

 この疑惑は、村山氏の代行就任が報じられた時点で浮上していた。政財界の裏情報に詳しいネット紙「アクセス ジャーナル」が数度にわたって指摘しているのだ。

 《賭博問題で大揺れの日本相撲協会の理事長代行に、元東京高検検事長の村山弘義氏の就任が有力視されている。
 だが、上場企業などで不祥事が起きるとよくやるパターンと同じく、検察や警察のそれなりのポストにいたOBを就けることに、果たしてどれだけの意味があるのか?
 本紙では、村山氏が相撲協会の外部理事に就いた一昨年9月30日の直後、その“天下り”自体、問題との記事を書いていた。
 何しろ、村山氏といえば、マザーズ上場第1号で、上場廃止になったあの「リキッドオーディオ・ジャパン」の監査役に天下ったこともある御仁なのだ》=アクセス ジャーナル6月29日=。

 しかし、大手メディアはなぜか黙殺してきた。大物検察OB相手では分が悪いと判断したのだろう。「弱きをたたき、強きを助ける」日本メディアの面目躍如である。

 そこを産経がつついた。これは素直に評価したい。タブーを排して何にでも挑みかかっていく態度は潔ささえ感じさせる(もっとも、政治記事は思惑が鼻につきすぎて感心しないが…)。

 他の大手紙やテレビが追随するかどうかに注目したいが、おそらく後は追わないだろう。「産経が取り上げても事は大きくならない」と踏んでいるからだ。寄ってたかってでなければ、権威に向かっていけないとは、情けない限りである。
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長妻昭の限界?

2010-07-27 05:47:17 | Weblog
 昨年の政権交代で登場した閣僚の中でも、長妻昭は最も期待された1人と言っていいだろう。「消えた年金」について厳しく突っ込み、ミスター年金の異名をとったのは記憶に新しい。

 その長妻が、さっぱりである。就任当初から「細かすぎる」「年金しか知らない」と官僚に馬鹿にされ、ノイローゼ状態になったなどと伝えられていた。最近髪を染めたらしく、前髪には赤みが目立つ。悩みすぎて白髪になってしまったのだろうか。

 今度は人事で不興を買っている。

 《23日に発表された厚生労働省人事で、子ども手当の制度設計を担当した伊岐典子雇用均等・児童家庭局長が、独立行政法人「労働政策研究・研修機構」に統括研究員として出向することになり、省内で「事実上の更迭では」との観測が広がっている。

 このポストはこれまで、退職した課長級職員の出向先だったためだ。

 子ども手当を巡っては、外国人への支給などに関して野党から制度設計に不備があると攻められ、伊岐氏が長妻厚労相の不興を買ったとの見方がある。「理念や制度設計をあいまいにしたまま走り出した責任を官僚に押しつけている」といった不満も漏れる。

 こうした見方に対し、厚労相は23日の記者会見で「(伊岐氏は)降格ではない。適材適所の人事」と強く反論した》=読売ONLINE=。

 朝日や共同も同様の記事を流しているので、ほぼそういうことなのだろう。

 しかし、一つ疑問がある。政治主導とは名ばかりで、浮いているはずの長妻に、そんな強引な人事をする力があるかという点だ。中央官庁の幹部人事は、大臣が行うというより、その役所独自の慣行やの不文律、権力争いなどが複雑に絡み合った結果と見た方がいい。

 厚労省内部で伊岐某を快く思わない連中が、長妻をそそのかして左遷した。こんな筋書きが浮かび上がる。もとより、長妻にこれを拒む力はない。なんとも惨めな政治主導である。

 
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米韓軍事演習

2010-07-23 05:05:41 | Weblog
 25日から日本海で大規模な米韓合同軍事演習が始まる。横須賀に配備されている空母ジョージ・ワシントンや嘉手納基地のF22も出撃する。

 《訪韓中のゲーツ米国防長官と韓国の金泰栄国防相は20日、ソウルで会談し、韓国海軍哨戒艦沈没事件後、初の米韓合同軍事演習を25~28日に日本海で実施すると発表した。

 米韓両国の結束を示し、北朝鮮の新たな挑発を抑止する狙いがある。

 演習には両軍の8000人が参加する。両国は過去に数万人規模の演習を行っているが、今回は米空母「ジョージ・ワシントン」など艦艇約20隻、米最新鋭ステルス戦闘機F22など航空機約200機を投入する計画で、韓国国防省は両国の演習としては「最大級の規模」としている。

 両国防相は会談後、共同声明を発表し、演習目的は「北朝鮮に対し、米韓が朝鮮半島の平和と安定のため、合同防衛能力を強化する明確なメッセージを伝えることにある」と強調。この演習を始めとして今後数か月間、日本海と黄海で複数の合同演習を継続して実施するとした。

 米韓両軍によると、25日からの演習名は「不屈の意志」。北朝鮮による潜水艦攻撃を想定し、潜水艦の捜索、探知、攻撃訓練や、航空機の作戦遂行能力を確認する大編隊飛行訓練などを実施する》=読売ONLINE=。

 演習のコードネーム「不屈の意思」に米軍の思いが表れている。本来、この演習は中国向けを兼ねて黄海で行われるはずだった。しかし、「俺の庭先を荒らすな」という中国の反発を受け、日本海に転進した。

 北朝鮮に対しては制裁と圧力で臨んできた。でも効果がない。「不屈の意思」を示すには、圧倒的な軍事力を見せ付けるしかない。で、この作戦名である?。

 空母やステルス戦闘機の威容を見せれば、北朝鮮がびびる、などと米国は本気で考えているわけではないだろう。金正日・北朝鮮は旧日本軍、あるいは毛沢東指揮下の中国人民解放軍と同様、他国の脅威を認識する能力がない。何を見せても「張子の虎」扱いなのだ。こんな国を相手に大軍事演習など、時間と金と労力の無駄遣いである。

 もっとも、米軍には「北は演習に対応して態勢を取る。貴重な燃料を消費させればダメージになる」と姑息な考えもあるらしいが…。

 威圧によって方針転換させようなどという考え方自体が古い。とはいえ、アメリカの真骨頂は「力」にある。これからもならず者たちをボコボコにする構えは崩さないのだろう。

 それにしても日本のメディアは軍事演習礼賛一辺倒だ。毎日まで行け行けドンドンになってきた。朝日はだんまりを決め込んだままだ。「米韓軍事演習を嗤う」ぐらいのことを書けないのかねえ。

 
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「そのまんま東」の限界

2010-07-15 06:37:12 | Weblog
 口蹄疫で揺れる宮崎県で、新たな騒動が持ち上がった。感染していない民間の種牛を殺処分するかどうかで東国原知事と農水省が激しく対立しているのだ。

 《宮崎県の口蹄疫問題で、山田正彦農相は13日、東国原英夫知事と農林水産省で会談し、殺処分対象となっている民間種牛を県の当初の勧告通り処分するよう強く要求。これに対し東国原知事は農相の要求に応じず、特例救済をあらためて要望したため、話し合いは平行線のまま終わった。

 会談後、記者会見した東国原知事は「種牛の所有者は殺処分されたら死ぬと言っている。彼は本気だ。命に手をかけるような行政判断はできない」と強調した。

 農水省は、これまで殺処分に応じた畜産農家との公平性などを重視し、特例を認めないとしている。民間種牛が殺処分されない場合、感染地域の清浄化が確認できないとしており、16日に予定されている被害集中地域の移動・搬出制限の解除は先送りされる可能性がある。

 東国原知事は先月29日、種牛の所有者に対し、口蹄疫対策特別措置法に基づく殺処分を勧告。しかしその後、民間種牛も畜産の復興に役立つとの判断に傾き、種牛6頭を県有化した上で救済すると表明し、国に特例救済を認めるよう求めていた》=共同=。

 農家の心情を慮るのは当たり前のことだ。こうした優しさが欠けては政治とはいえない。だが、優しさだけでは物事が進まないのも確かだ。熱い心で冷徹な判断を下すという、一見矛盾した行動が取れなければ知事など務めてはいけない。

 思い出すのは1年前だ。自民党からの衆院選出馬要請を受けて東国原は「私を総裁にして選挙を戦う覚悟はあるのか」と見得を切った。いまは何と言っているのか。

 《大臣の話によると、今後、国は地方自治法を適用し、県に殺処分を勧告するらしい。特措法の方が優先されるし、実質的に代執行するなら、特措法の適用で十分事足りるし、煩雑な手続きも必要ないし、スピード感をもって執行できるのに、どうして敢えて地方自治法なのか? 分からない》=13日・そのまんま日記=。

 分かりにくい表現だが、「自治法では一度県に判断が委ねられる。それは嫌だから特措法に基づいてさっさと始末してほしい」ということなのだ。自分の手は汚したくないと言っているに等しい。

 東国原のごり押しで、16日の移動制限解除は遅れることは必至だが、賢明な知事はそれも国のせいにするだろう。いやー、こんな男が国会に出ていなくて良かった。
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NHKの相撲中継中止は八百長?

2010-07-08 05:44:04 | Weblog
 《親方衆がNHKの中継辞退で意見を1つにした。この日、評議員会に出席するため午後1時過ぎから親方88人が名古屋市内のホテルに集結。全員が集まったところで一連の賭博問題への対応を考える緊急の年寄り総会が始まった。

 約1時間ほどの会合である親方から「こうした状況でNHKに中継してもらうのは良くない」との意見を提案。これを受け挙手による決議で8割が賛成した。テレビ放映権は25億円~30億円で年間契約されている。1場所は4~5億円の計算だ。NHKは名古屋場所を中継するかどうかの判断を6日に発表する。放映権はNHKが自主的に中継をやめた場合など、支払われるケースもあるが「反省する意味を込めて慈善団体などに寄付すべき」との意見が出たという。

 全親方が決めたNHKへの中継の辞退は、午後4時20分から始まった臨時の評議委員会でも提出された。親方を代表して大山親方(元幕内・大飛)が武蔵川理事長(元横綱・三重ノ海)、この日の臨時理事会で理事長代行に正式決定した村山弘義氏ら全幹部に辞退を求めた。 
 
 年寄総会は、理事会に出席する理事、副理事、役員待遇の幹部を除くすべての親方が参加する会合。いわば全親方の総意ともいえる決議は協会の運営に大きな影響力を持ち無視はできない。こうした背景から幹部は「検討する」と返答。ある関係者は中継辞退を「今後検討することになる」と明かす。

 6日には村山理事長代行、武蔵川理事長らが都内のNHKを訪問するが、年寄総会の決議を受け入れれば席上で辞退を申し入れるものと見られる。すでにNHK内部調査で視聴者の7割以上が中継に反対している。一方で賛成する根強いファンがいることは事実。協会から辞退の申し入れがあれば、NHKにとってもすべての視聴者に対し、中止への大義名分が成り立つだけに渡りに船になる》

 引用した記事は5日付けの報知新聞である。信用度はやや乏しいが、さもありなんという内容だ。

 6日のNHKの「中継中止」を受けたメディアは揃って1面トップに据える大報道、基調は「NHK苦渋の決断」である。しかし、報知の記事を念頭に考えると、この中継中止劇は限りなくできレースに近い。

 相撲協会とNHKの間で何らかの取引があったのではないか。NHKとしては相撲協会の辞退申し入れに応ずる格好より、「決然と中止を決めた」形にした方がはるかに立派に映る。

 報道では村山代行が「中継をお願いしたい」と頼み込んだのを受けてNHK側が協議、福地会長が最終的に「中継はできない」の決断を下したとされる。形の上ではそうかもしれないが、筋書きは既に出来上がっていたと見るべきだ。

 共同も「中継辞退」までは踏み込んでいないが、放映権料の寄付や力士全員による謝罪--などが評議委員会で決まったと報じている。

 その後の流れを見れば、一段と八百長の疑いが強まる。7日、協会は天皇杯や総理大臣杯などの表彰を辞退すると発表した。すべてのものを辞退して、反省と世論への恭順ぶりを示す。これが協会の作戦?だろう。NHK中継辞退も当然その一環だ。

 NHKと相撲協会は持ちつ持たれつの仲である。協会がつけあがっているのはNHKが甘やかしたせいでもある。なにしろ年30億円もくれてやっているのだから。

 話はそれるが、NHKは相撲放送の放映権料などを公表していない。受信料で経営しているNHKが公益法人に支払っている金を公表できないとは、変な話だ。

 9月場所、相撲協会とNHKは何事もなかったかのように国技館に帰ってくるに違いない。

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世論調査政治の害

2010-07-06 05:55:13 | Weblog
 朝日新聞が毎週世論調査を行うという異様な挙に出ている。菅内閣発足の6月8日から始まった。1回当たり数百万円は掛かる調査を、毎週行うとは豪勢なものだ。腐っても朝日、の貫禄か。

 でも、この調査の狙いが分からない。ほぼ毎月実施されている調査でさえ、「世調が政治を振り回す」傾向がうかがえる。麻生、鳩山、菅らの発言がぶれるのは、彼らの定見のなさもさることながら、発言に対する反応を受けて軌道修正を図っているからだ。世論調査が「ぶれ」を誘発しているとも言える。

 世論調査の弊害については、すでにさまざまに指摘されている。5日付け毎日の「風知草」からひく。

 《政治も、報道も、世論調査に振り回されている。個々の調査は客観的なのだけれども、近年、回数が飛躍的に増えた結果、データを利用する側に中毒症状が広がっている。

 この病に「ファスト(fast=速い)政治」と名を付けてみせた社会学者・佐藤卓己(49)=京都大准教授、メディア論=の文章(東京新聞6月15日夕刊)を面白く読んだ。

 ファストは、ファストフードのファストである。ハンバーガーの「マクドナルド」の創業が1940年。有名なギャラップが初めて世論調査機関をつくったのがその5年前。当時の米大統領F・ルーズベルトは、世論調査に表れた民意を盾に議会の抵抗を退けた……。

 佐藤に聞いてみると、「ファスト政治」について考えるきっかけになった本の一つは「高速社会と人間」(辻村明著、80年かんき出版)であるという。この本は谷川俊太郎の「急ぐ」という詩の引用から始まる。以下に全文を引く。

 

 こんなに急いでいいのだろうか/田植えする人々の上を/時速二百キロで通りすぎ/私には彼らの手が見えない/心を思いやる暇がない/(だから手にも心にも形容詞はつかない)/この速度は速すぎて間が抜けている/苦しみも怒りも不公平も絶望も/すべては流れてゆく風景/こんなに急いでいいのだろうか/私の体は速達小包/私の心は消印された切手/しかもなお間にあわない/急いでも急いでも間にあわない

 

 60年代、開業して間もない東海道新幹線に乗った詩人の観察と感想である。当時の「ファスト文化」の象徴は新幹線や高速道路だった。いまならインターネットだろう。

 この10年、世論調査が激増したのは、調査手法が、面接から手軽な電話方式に変わったからだ。絶えずデータが提示され、政治家は、議事堂に代わって主戦場となったテレビスタジオで声をからす。メルマガやツイッターの発信にも忙しい》

 金がなくてなかなか世論調査ができない毎日だから書けた、などとうがったことは言うまい。山田孝男が述べていることは正論である。

 共同も国政選挙になると「トレンド予測」なる連続調査を仕掛けて記事にしている。証券会社じゃあるまいし、グラフの線の上がり下がりで政治を論じる愚かしさにそろそろ気付いていいころだ。

 もっとも、大新聞には政治を正そうなどという気はないのかもしれない。撹乱して動揺させ、大見出しが躍る局面を演出。かくて紙面は活況を呈する。めでたし?!めでたし!?
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「サムライ・ブルー 世界が称賛」!ってか

2010-07-03 10:13:02 | Weblog
 W杯サッカーはベスト8の激闘が始まって、いよいよ佳境。圧倒的にゲームを支配していたブラジルが、オウンゴール1つでリズムをリズムを崩してガタガタになるのだから、サッカーは分からない。

 さて、わが日本である。関空への出迎えが4200人、手に手に携帯を持って叫びまくるシーンはいささか異様だ。まあ、ほかに熱狂するものがないから仕方ないか。

 日本のメディアは「勇気をもらった」「素晴らしい団結力」「岡田監督の決断光る」と褒めちぎり、大会前に酷評したことなどすっかり忘れたようである。健忘症と二枚舌も毎度のことだから仕方がない。

 しかし、日本チームを海外がどう見たかについては正しく伝えてもらわないと困る。

 1日の読売は「『サムライ・ブルー』世界が称賛」の見出しで、韓国や南アフリカ、イギリスなどの報道を紹介している。

 規律正しく、必死にやったことは確かだ。海外もその点は認めている。でも、「ただそれだけ」という辛らつな批評が多かったことについても触れるべきだろう。琉球新報など地方紙の一部は共同電を使って2、3紹介しているが、大手メディアは掲載を避けたようだ。

 こうした態度は日本人の国際感覚を狂わせてしまうのではないか。いろんな見方があると伝えるのがメディアの役割だろう。

 以下に日本VSパラグアイ戦についての海外メディア評の一部を紹介する。

 フランス・レキップ 試合は両チームの厳格な規律に支配され、守
           備的で時につまらないミスが目についた。日
           本とパラグアイの力は互角だった
 
 ドイツ公共放送解説 どちらも攻撃で決定的局面をつくれなかった。
           その意味ではつまらない試合だった。

 イギリスITV   日本は野心が足りなかった。両チームとも
           試合を落とすことへの恐怖心がゲームを支配
           していたように見えた

 ブラジル・UOL  どちらも技術的には低レベル。日本はスピー
           ドはあったが、攻撃に創造性がない

 南アフリカ通信   どちらも攻撃をリードする役者が不在。今大
           会、ここまでで最も退屈な試合の1つ

 うがった見方もあろうが、こういうふうに見られていると知ることは大切だろう。

 
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「銃規制は違憲」をスルーとは

2010-07-01 05:59:25 | Weblog
 米国最高裁が6月28日、自宅での銃所持を禁じているシカゴ市などの地方法令は違憲だという判決を下した。今後の展開も含め、極めて重要な判決だと思うが、日経とNHKが報じたぐらいで他のメディアは取り上げていないか、ごく小さく触れたかという程度だったようだ。W杯サッカーに紙面を占領されたからなのだろうか。

 《米最高裁は28日、自宅での銃所持を事実上禁じたシカゴ市などの法令は違憲だとする判決を下した。武器携帯の権利を認めた米憲法修正2条は、州や市の法令よりも優先するとの判断。銃の所有を制限する州や市の法令撤廃を求める訴訟が全米に広がりそうだ。

 銃規制は米世論を二分する問題。今後は訴訟を通じた判例の積み重ねで、憲法上認められる銃規制の方策が定まるとみられている。

 最高裁は2008年6月、連邦政府直轄の首都ワシントン特別区で同様の銃規制を違憲と判断した。州や市の法令との関係については、今回の判断で初めて憲法の優位性を認めた。

 シカゴ市の住民らが、自宅での銃所持が禁じられ安全を確保できないと提訴。判決では9人の最高裁判事の意見が5対4に割れた。スティーブンズ判事は反対意見で、判決は「国家や社会に破壊的な影響を与える」と述べた。

 ワシントンは08年の最高裁判決後、銃所有者に安全講習を義務付ける新たな法令を制定した》=共同=。

 合衆国憲法修正第2条は、「政教分離、信教及び表現の自由、請願の権利」を規定した修正1条など他9条とともに憲法成立の3年後に付け加えられた「由緒ある」条項だ。

 「よく規律された民兵は、自由の国家にとって必要であるから、人民が武器を保有し携帯する権利は、これを侵してはならない」。いたって簡単な条文だ。

 200年以上も前、独立後間もないころに制定された条項だ。当時の気分としてはよく分かる。本来、国防とはかくあるべし、とも考えさせられる。しかし、今のアメリカに照らすとどうなのか。

 米国には州兵はいても、民兵などいない。勝手に民兵を組織すればたちどころにテログループとして摘発されるだろう。ないものに依拠した憲法が有効なのか、と素朴な疑問がわく。

 オバマと大統領を争った共和党のマケインは判決について「修正2条は合衆国精神の核心」と語り、全面的な賛意を示している。

 アメリカのかなりの部分が、正義は力と考えているらしい。こうした人たちと「同盟関係を深化」させていくのは難儀なことだ。
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