酔眼独語 

時事問題を中心に、政治、経済、文化、スポーツ、環境問題など今日的なテーマについて語る。
 

厚底規制だって??

2020-01-16 15:15:48 | スポーツ
 五輪イヤーが明けてほぼ2週間、正月のスポーツシーンも終わりになりかけたところへ衝撃的?!なニュースが飛び込んできた。ニューイヤー駅伝や箱根駅伝で選手の足元を征服しつくした感のあるナイキの「ヴェイパーフライネクスト%」が使用禁止になるかもしれないというのだ。

《陸上長距離で最近数シーズン、好記録を連発しているナイキ製の厚底シューズが世界陸連の新規則によって禁止されることになると15日、複数の英紙が一斉に報じた。世界だけでなく日本のトップ選手の使用率は高く、使用禁止となる時期によっては混乱は必至。東京五輪の男女マラソン、競歩の札幌移転問題で困惑した陸上長距離関係者にとって、また頭を悩ませる問題となる可能性もある。
 東京五輪を前に、陸上長距離界に新たな問題が発生しそうだ。デーリー・テレグラフ紙(電子版)は世界陸連の専門家による委員会が検証し、底の厚さに制限を加える規則を設けることになったと報道。現在人気を集めているモデルはトップレベルでは使用が禁じられるとした。ナイキの厚底シューズは炭素繊維のプレートが埋め込まれており、高い反発力が売りになっている。

 同紙によると、世界陸連はソールの厚さを制限する方向だといい、エリウド・キプチョゲ(ケニア)が履いていた試作品や大迫傑(ナイキ)ら多くの日本人トップ選手も履いている「ズームXヴェイパーフライネクスト%」が規制対象。「デーリー・メール」は昨秋から世界陸連が調査チームを立ち上げていたとし、今後数カ月のうちに報告されるという。またタイムズ紙(電子版)によると、世界陸連は既に出された記録については抹消などはしない見通しという。

 19年10月に行われた非公認レースで人類初の2時間切りとなる1時間59分40秒(非公認)をマークしたキプチョゲは「(厚底シューズは)公平でありスポーツは技術の進歩を取り入れるべきだ。規制を強化する必要はない」とコメントしている。

 現在の世界陸連の規定では、長距離用シューズのソールの厚さには規定がないが「全ての人にとって合理的に利用可能でなければならず、ランナーに不当な優位性を与えてはいけない」と定めている。ヴェイパーフライは市場価格3万円前後と高価で、前述のルールに抵触するかなどが焦点となる。世界のトップランナーに愛用者が多く、禁止される時期によっては、東京五輪に向けて混乱が生じる可能性もある。

 ◆ナイキ厚底シューズと日本長距離界 18年2月、東京マラソンで厚底シューズを使用した設楽悠太(ホンダ)が16年ぶりに日本記録を更新。同年10月には大迫傑(ナイキ)が同じシューズでさらに記録を更新した。昨年9月の東京五輪代表選考会「マラソングランドチャンピオンシップ(MGC)」で代表に内定した男女4人のうち、3人が使用。MGCファイナルチャレンジでは井上大仁(MHPS)もナイキに履き替えて最後の1枠を狙う考えを示している。また、今年の箱根駅伝では使用率が80%を超え、10区間中7区間で区間新記録が誕生した》=スポニチアネックス=。

 規制する理由について各紙が伝えているのは「公平性の確保」だ。一見妥当なように見えるが、そもそもトップアスリートとそれ以外ではメーカーのサポートに大きな違いがある。陸上に限らず、メダル候補などにはメーカーは特注で応じている。身体特性、骨格・筋肉の付き方、試合会場との相性、気候条件…。提供された試作品の中から、選手は最もぴったりくるものを選ぶのだ。一足3万円どころの話ではない。開発費を含めれば数百万から数千万円の世界だろう。世界陸連がこんなことを知らないはずがない。それをなぜ規制しようというのか。

 ここからは邪推だが、他のメーカーを忖度したか、横やりが入ったか、その両方か。東京市場では「ナイキ規制」が報じられた16日、アシックス株が跳ね上がったという。長距離ランニングシューズの世界ではナイキが独走中。アシックスやアディダスなどは歯噛みをして悔しがっているはずだ。そのうえ東京五輪のマラソンでナイキを見せつけられることになると…。

 どう決着するのか予想はつけにくいが、問題は厚さだけではないはずだ。五輪前の方向性を見出すのは難しく、調査継続となるのではなかろうか。いずれにしてもスポーツの世界も金次第であることは間違いない。
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さらば稀勢の里!!

2019-01-16 10:05:58 | スポーツ
 横綱稀勢の里がとうとう引退する。≪大相撲の東横綱稀勢の里(32)=本名・萩原寛(ゆたか)、茨城県出身、田子ノ浦部屋=が現役引退を決断した。進退をかけた初場所で初日から3連敗し、一夜明けた16日、師匠の田子ノ浦親方(元幕内隆の鶴)が明らかにした。2年前、19年ぶりに誕生した日本出身横綱として期待されたが、けがから復活できないまま土俵を去る≫=朝日DEGITAL=。

 横綱審議委員会から異例の「激励」決議を突き付けられた初場所で初日から無残な3連敗、もはやこれまででと観念したのだろう。その心中は察するに余りある。当ブログは昨年秋場所中に「頑張ったがここまでだ」と題して引退を勧めている。遅きに失した決断は横綱の権威を傷つけ、稀勢の里の男を下げた格好だ。横綱本人の責任というより親方や周囲の見識のなさ、場当たり的対応がこの悲惨な結末を迎えさせたと思うと残念でならない。

 思えば連続優勝後の5月場所に、怪我を完治させないまま出場したことが悪循環の始まりであった。強行出場を繰り返しては途中で休場する。ようやく全休したのは2017年の秋場所、しかしここでもひと場所だけの休場にとどめ、次の九州、初場所と出ては引っ込む醜態を演じた。昨年の大坂から名古屋まで三場所連続で全休したが時すでに遅しであった。このやり方、戦力の逐次投入という旧日本軍の「戦法」と似ている。じっと体力の回復を待ち、気力、体力が充実したところで一気に勝負をかけるという決断ができなかった。それを許さない事情があったのだろう。稀勢の里自身、自分の力をどこまで把握できていたのか。

 今場所前の稽古では気鋭の貴景勝を圧倒するなど好調ぶりが伝えられていた。しかし、稽古場と本場所は全く違う。再起が懸る横綱の調整に相手力士が本気で挑んでくるなどあり得ない。それなのに稀勢の里は「体は動いているし、いい感じで仕上がっている」などと語っていた。自分の力を測れないようではなにおかいわんやである。元横綱隆の里の鳴門親方が生きていればーと悔やまれる。現在の師匠・田子の浦は弟子の体調、力量、気力などをどこまでつかめていたのか疑問である。

 
 貴乃花来14年間途絶えていた日本出身横綱として相撲ファンの期待を一身に担った稀勢の里。その人気ゆえに引きどころを誤ってしまった。昨年の九州場所、この初場所と1勝もできないまま土俵を去る。これでは「よく頑張った!!」という声も掛けられない。白鵬と正面から渡り合って勝つだけの力があった稀勢の里。ここまでしぼませてしまったのは相撲協会だ。

 白鵬に衰えが見え、鶴竜も引退間近の雰囲気である。次の横綱候補となると高安、御嶽海、貴景勝あたりが浮かぶが稀勢の里の関脇・大関時代に比べれば力的にかなり劣る。横綱不在、さらには大関不在の心配さえしたくなる。外国人と学生出身力士に頼ってきた報いである。たたき上げの星でもあった稀勢の里。無残な末路の悔しさは後進の育成で晴らしてほしい。

 



 
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稀勢の里 頑張ったがここまでだ!!

2018-09-20 16:19:06 | スポーツ
 8場所連続休場の後、「だめなら引退」の覚悟で秋場所に臨んだ横綱稀勢の里。残念ながらここまでのようだ。

 初日から綱渡りの相撲ながら6連勝、十日目には勝ち越しも決めて周囲は楽観ムードに包まれたが、この娑婆はそれほど甘くない。昨日3敗目を喫した時点では再び暗雲が漂った。

 ここまで8勝3敗、星もさることながら内容がひどすぎる。負けた相手6日目の千代大龍、中日の玉鷲はそこまで1勝しか挙げていない絶不調力士。そういう相手に勝てないようでは横綱が泣く。それに追い打ちをかけたのが11日目の逸ノ城戦。幕内最重量とはいえこの力士も不調、上位との星のつぶし合いに向けた調整台とも見られた相手になすすべなく押し出されてしまった。これほど無残な負け方はそうはない。

 あと4日、全部勝てば12勝3敗で綱の面目は保てるが、そうは甘くあるまい。平幕や不調力士にいいようにあしらわれては、星を残せたとしても横綱失格だ。

 史上最もスローな昇進で4番目の高齢出世だった稀勢の里。過去の「高齢横綱」いずれも短命、過去最高齢昇進は32歳の琴桜は8場所、31歳の三重ノ海も同じく8場所で引退、おしん横綱と言われたスロー出世の隆ノ里は15場所で引退だった。稀勢の里の横綱在位はここまでで10場所、横綱通算の成績は34勝25敗87休である。これ以上横綱の体面を汚す必要はあるまい。

 あの大横綱貴乃花の晩年を思い出す。ひざの大けがを押して優勝決定戦を制し小泉純一郎をして「感動した」とまで言わせたのだったが、その無理がたたった。稀勢の里も同様だ。昨年の3月場所、大胸筋断裂の大けがを負いながら本割、優勝決定戦と2連勝し奇跡の優勝を遂げた。だがその代償は大きかった。

 勝ち越したことで「引退は回避」の声もあるが、賛成できない。14年間途絶えていた日本人横綱として国民的声援を受けている稀勢の里だが、これ以上綱にとどまらせることはひいきの引き倒しである。

 横綱の見苦しい相撲はこれ以上見たくない。

 

 
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大坂なおみに国民栄誉賞!?

2018-09-11 18:19:10 | スポーツ
 テニス全米オープン女子シングスルで大坂なおみが優勝、日本勢として初めて4大大会の頂点に立った。おめでとう。

 この大会の大坂はサービス、ストローク、フットワークともほぼ完ぺきで、優勝すべくして優勝したと言っていい。今年3月、BNPパリバでツアー初優勝を飾ってからわずか半年、一気にここまで駆け上がったのは見事としか言いようがない。

 20歳の若さ、体力、プレースタイルを考えると年間グランドスラムさえ射程に入ってきたように思える。人間的にも成長しているようで、あの決勝の雰囲気の中で自分を見失わなかったのはすばらしい。

 で、国民栄誉賞を上げちゃいましょう。

 この国民栄誉賞、きちんとした決まりや資格がある訳ではなくほとんど時の政権の気の向くまま。支持率が低迷気味の時、人気取りとして国民栄誉賞を出す―などというありがたくない言い方もある。要は官邸や首相の取り巻きとか、あるいは首相自身が「大坂、どうなの?」と言い出すかどうかである。

 授与に値する成績であるのは間違いない。なにせ、男女を通じて史上初の快挙なのだ。過去に女子スポーツで顕彰された高橋尚子や吉田沙保里、伊調馨と比べても何ら劣るものではない。でもどうかな? アテネ、北京と2種目連覇を果たした北島康介はなぜか受賞していない。羽生結弦との違いは何なのだろう。

 大坂の受賞は今回はないのだろう。でもこれがグランドスラム達成となれば…。自民党政権に大坂に国民栄誉賞を与える度量があるかどうか。ちなみに国民栄誉賞の第1号は台湾籍の王貞治である。

 

 
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ニッポンちゃちゃちゃ!!おめでたいねえ!

2018-07-05 14:48:31 | スポーツ
 本日(2018年7月5日)昼のNHKニュース、冒頭で「今日は時間を延長してお送りします」とのお触れ。台風(温低)被害が拡大したかーと思ったら、何のことはないサッカーW杯日本代表の帰国会見だった。いやー、魂消たね。それほどのニュースですか。

 ≪サッカーのワールドカップ(W杯)ロシア大会に出場し、決勝トーナメント1回戦で敗退した日本代表が5日午前、チャーター機で成田空港に帰国した。第2旅客ターミナルビルの到着ロビーには、成田を出発した6月2日の約150人を大きく上回る約800人のサポーターらが詰めかけ、健闘をたたえた。西野朗監督や代表引退を表明した主将の長谷部誠選手(アイントラハト・フランクフルト)らが到着口から姿を見せると、盛んな拍手とともに「おかえりなさい」「ありがとう」などと歓声が上がった。吉田麻也選手(サウサンプトン)はサポーターの多さに驚いたのか、「ワーオ!」とつぶやいた。選手たちの表情は晴れやかで、長友佑都(ガラタサライ)や本田圭佑(パチューカ)両選手らは手を高く上げて声援に応えていた≫=毎日JP=。

 2大会ぶりの決勝トーナメント進出で、ベルギー戦もあと一歩の大健闘、ご苦労さまの意を表したということなのだろうが、それにしてもやり過ぎだ。冷静に日本の戦いぶりを振り返ってみよう。すべてはコロンビア戦のレッドカードのお陰である。日本は10人の相手に辛勝し、後は引き分けと負け。しかもその負けの一つは「片八百長」。この西野ジャパンに対して「夢をありがとう」などと叫んでいるとは…。ほんと、おめでたい限りですね。

 ハリルホジッチ前監督の電撃解任と西野氏の就任、セネガル戦の醜い球回し…。理不尽なことは「結果がすべて」とみんな水に流し、「みんなすごく頑張った」「感動しました」と賛辞の嵐が巻き起こる。いい民族性だなあ! これではいつになっても8強など夢の夢だろう。

 ベルギー戦。後半の早い時間で2点も取ってしまい、試合の進め方を見失った日本。アディショナルタイムも尽きかけた最後の場面では、守備の意識が飛んでいた。守りの要として投入された山口蛍はデブルイネのドリブル突破になすすべなし。西野は「あんなスーパーカウンターは想定外」などとこぼしていたが、カウンターでも何でもない。GKが手で転がしたボールが起点である。DF陣がさっさと帰陣していればあんな攻撃は食わなかったはずだ。もっとも延長戦に入れば2、3点は取られていただろうから、悲劇的な負けという結末はよかったかもしれない。

 日本の敗退が決まった当日、整体に行ったら受付の女史が「サッカー終わってしまいましたねえ」。面白いのはこれからなのに…。こういう「熱い」ファンに支えられる日本のサッカー、なかなか強くはなれません。

 ところで後任監督、誰にするの? 「コミュニケーション不足」などというあいまいな理由で代表監督の座から放り出す日本に来てくれる奇特な御仁がいるかどうか。これもまた金次第かな?

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M君を褒めすぎていないか

2018-05-25 09:33:25 | スポーツ
 日大と関学とのアメリカンフットボールの定期戦で、日大DL選手がパスを投げ終わった関学QBに背後から強烈なタックルをかました「事件」が世間の重大関心事となっている。マイナー競技と見られていたアメフトの、しかも定期戦での出来事がかくも世上をにぎわせるとはちょっと意外な感じもする。無防備のQBに、故意にかつけがをさせる意図で突っ込んでいったことの異様さが際立っているということだろう。まさに前代未聞の暴挙と言っていい。

 しかもこの行為は日大の監督・コーチからの「命令」されたものだったことが濃厚となっている。当該選手のM君が記者会見で事の次第を詳細の述べたのである。テレビニュースやワイドショーなどで繰り返し放送されたので、ご覧になった方も多いだろう。氏名を公表し顔をさらして自分の非を認めたM君には「勇気ある行動」「感銘を受けた」等の称賛の声が上がっている。翌日の日大側の改憲が目を覆うお粗末さだったがゆえに、M君の潔さが引き立つ。

 とはいえ、M君を悲劇の主人公に仕立て上げ、「フットボール界に復帰を」とまで言い出すのは疑問符を付けざるを得ない。確かにM君は勇気を振り絞って会見し、真実を述べたに違いない。そうであればあるほど、彼がことに至る前にその勇気を出せなかったのかとの思いが募る。「監督・コーチに言うことはありません」「フットボールをやる気はありません」。M君の胸に去来するのは「なぜ『それはできません』と言えなかったのだろう」という後悔だろう。その思いを大切にしたい。

 この「事件」で思い起こされるのがオウム真理教事件である。教祖・麻原のマインドコントロールを受けていた信者たちは、ことの理非を判断する能力を奪われていた。今回のM君も同様だろう。マインドコントロールされていたからといって、それによって引き起こされた非行が免責されるわけがない。引き起こした行為にはきちんと責任を取らねばならない。M君自身はそのことを十分承知していると思う。だから復帰などあり得ないと断言するのだ。

 内田監督を頂点とする日大首脳陣に最大の責任があるのは言うまでもない。だが、学生を「被害者」「かわいそう」とだけ見るのは無理がある。150人もの部員が唯々諾々と監督・コーチの無理難題を受け入れてきた。問題の根っこになっているのはこの体質ではないか。内田氏の監督復帰後20人もの部員が退部したらしい。他の部員たちはこれをどう受け止めたのか。一つの転機を逃したように感じる。

 組織が腐るのは頭から―とはよく言うが、頭が腐るのは胴体が栄養を頭に運べないからだ。頭から腹から腐りかけているのが一大学の一運動部だけならまだ安心できるのだが…。
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スターターをちびらせた? 小平の迫力

2018-02-19 08:41:43 | スポーツ
 平昌五輪スピードスケート女子500mは小平奈緒が五輪新の好記録で圧勝した。

 ≪平昌五輪は18日、江陵オーバルなどで第10日が行われ、スピードスケート女子500メートルで小平奈緒(31)=相沢病院=が36秒94の五輪新記録で金メダルに輝いた。スピードスケート種目で日本選手の金メダルは1998年長野五輪男子500メートルの清水宏保以来2人目で、女子では初めて。小平は1000メートルの銀メダルに続き、今大会2個目のメダル獲得となった。郷亜里砂(イヨテツク)が8位入賞。神谷衣理那(高堂建設)は13位だった。

 日本の冬季五輪の金メダルは通算12個目で、今大会はフィギュアスケート男子の羽生結弦(23)=ANA=に続き2個目。今大会の日本勢の獲得メダルは10個となり、これまで最多だった長野五輪に並んだ≫=産経com=。

 小平が記録した36秒94は、サラエボ五輪で銀メダルを獲得した北沢 欣浩の38秒30をはるかに上回る快記録、女子の記録の伸びには改めて驚かされる。

 さて、このレースのポイントはやはりスタート。小平は「レディ」で静止した後、ビクンと動いた。が、スターターは構わずピストルを鳴らしレース成立、小平は100を10.26秒で駆け抜けるとそのままスピードを持続、トップタイムでゴールインした。五輪3連覇が懸った韓国の李相花の100は小平よりわずかに速かったが、カーブで膨らみ及ばなかった。ネット上ではこのレースのスターターが、小平の時だけ「レディ」と「バン」の間隔を開け、焦らそうとしたとの非難が目立つがどうなんだろう。


 小平の背中がビクンと震えた瞬間「フライング」だと思ったが、やり直しのピストルは鳴らなかった。ひょっとすると小平の「ビクン」が正しい号砲の瞬間だったのかもしれない。フライングの合図を打てば、後でタイミングの正しさが検証されることになる。「やべー」というわけでフライングは取らなかった―と見るのは少しうがちすぎだろう。

 テレビ中継のアナ氏が言っていたように「獲物を狙う獣のような眼」をした小平の気迫がスターターにフライングのピストルを撃たせなかったと言うべきだろう。童顔の小平に野獣の迫力、というか、童女のようだからこそ獣性失われていないのだろう。お見事でした。

 フィギュアの羽生 結弦に国民栄誉賞が贈られるのはほぼ確実だが、小平はどうなるか? 菅が髪の毛をかきむしって悩んでいるかもしれない(w)。
 
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大相撲、波乱?の幕開け

2018-01-15 10:44:50 | スポーツ
 横綱日馬富士が暴行事件で引退、たった一人の立行司・式守伊之助は「セクハラ」で出場停止―と場外での不祥事が相次いだ大相撲、注目の初場所が幕を開けた。相撲人気への影響が懸念されたが、満員札止めの大盛況。しかし、土俵は伊之助の代役を務めた勘太夫が稀勢の里―貴景勝戦で差し違えを犯すなど波乱含みのスタートとなった。

 復活が期待される稀勢の里だが、前途は超多難と見た。「今場所を全休しても進退問題が浮上することはない」との横綱審議会の〝温情ある〟言葉に甘えた方がよかったのではないか。稀勢の里には甘い横審も白鵬には厳しい。横審委員長は日馬富士の暴行事件で同席していた白鵬を叱責したうえ、取り口についてもきついダメ出しをしている。

 ≪さらに「横審宛て、私宛ての相当の量の投書があり、大部分は白鵬関の取り口に関するもの」として、白鵬関の張り手やかち上げなどの取り口にも言及。「横綱相撲とは到底言えない。美しくない。見たくない」との批判を紹介した上で、「白鵬関自身の自覚をどう促すか、協会も工夫、努力をしてほしい」と注文をつけた≫=12月20日・毎日=。「美しくない」「見たくない」は北村委員長の個人的見解なのか横審の総意なのか? 禁じ手ではない張り手やかち上げを「白鵬にだけ」使うなという理屈が分からない。

 相撲は立ち合いが勝負のカギを握っている。右か左かを差す、頭から当たる、(上手でも下手でも)前まわしを取りにいく、突っ張る(もろ手も)、張る、かち上げる、変化する、手を出して相手の勢いを止める…。これらのうちどれを選択するかは事前の作戦や相手の気配を見ながらということになる。白鵬は差す、上手(前まわし)を取りにいく、張る、かち上げるが大半で、このうち二つを封印されれば残りは差すか上手を探るかしかなくなる。これなら相手は取りやすい。

 横審メンバーは「横綱なんだから受けて立て」と注文を付けている。いつの時代の話をしているのか。30貫(112・5キロ)前後の力士がぶつかり合っていたころとは違うのだ。200キロ近い巨漢が突進してくるのが現代の大相撲だ。ラグビーなどコンタクトの多い競技で敗因や苦戦の原因について「受けてしまった」と答えるケースがよくある。受けたら負けるのが近代スポーツと言える。

 もっとも大相撲が厳密な意味でスポーツかどうかは微妙だ。伝統文化、神事でありかつスポーツでもある。この複雑な立ち位置が大相撲をややこしくしている。この不可思議さがまた魅力なのではあるが…。
 
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稀勢の里に休場を勧める

2017-05-10 15:27:48 | スポーツ
 14日初日を迎える大相撲夏場所が空前の人気だという。前売り券は全て完売、当日券も手に入れるのは難しそうだ。それもこれも稀勢の里人気である。19年ぶりとなる日本人横綱、加えて春場所でげがを抱えながら奇跡の逆転優勝。初めて東の正横綱に座る夏場所が盛り上がらないわけがない。だが、肝心の稀勢の里、果たして相撲を取れる状態なのだろうか。本人は「まあ、しっかりやるだけ」と出場か休場かについてはぼかしているが、とても「休みます」と言い出せる雰囲気ではない。

 土俵に降りて稽古を始めたのは今月に入ってから。関取衆と胸を合わせたのは初日1週間前でしかない。9日には役力士とも申し合いをしたようだが、映像を見る限り負傷した左の使い方はぎこちない。強く左をおっつけられると力を抜いてしまうシーンも見受けられた。「場所には間に合う」(二所ノ関親方)の見方もあるが、北の富士勝昭さんは「左が使えてない。万全には程遠い」と不安視している。

 いうまでもなく大相撲は世界でも最も激しい格闘技の一つだ。しかも今日の相撲はガチンコ、手抜きがない。だから怪我も多い。照ノ富士、遠藤らが低迷しているのも怪我を押して本場所に出続けているせいだろう。稀勢の里の故障部位は幸いにして?上腕部である。これが下半身ならとても相撲は取れない。

 力士として本場所で取りたいのは当たり前だ。しかも全力士のトップに君臨する横綱、意地でも出るという気持ちかもしれない。だが、稀勢の里は角界の至宝、無理をさせてはいけない。左腕は稀勢の里の生命線、万一怪我を悪化させれば力士生命に関わる。左をかばって変な相撲を取れば、別の箇所を故障する恐れもある。

 稽古場と本場所が違うくらい親方も横綱も熟知しているはずだ。周りの熱気に煽られて強行出場するのは考えものだ。白鵬に衰えが見え、日馬富士、鶴竜は「10勝横綱」である。これからしばらく大相撲を背負っていくのは稀勢の里を置いてない。だからこそ、ここは自重すべきだ。
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パラリンピック考

2016-09-21 09:23:04 | スポーツ
 リオパラリンピックが閉幕しました。NHKが頑張って中継してくれたおかげで、様々な種目を堪能できました。目の見えないスイマーの豪快な飛び込み、浮遊感がすごい走り幅跳び…。オリンピックとはまた違った魅力がたっぷりでした。

 今大会、金メダル10個を目指した日本は、メダル総数こそ前回を上回ったものの金はゼロ。各メディアは「強化に遅れ」「指導者不足が顕著」などと警鐘を鳴らしています。

 《18日に閉幕したリオデジャネイロ・パラリンピックで日本勢は金メダルがゼロに終わった。前回ロンドン大会を上回る24個のメダルを獲得したが、「金ゼロ」は夏季大会では初めて。障害者スポーツ界で何が起きているのか。
 競泳男子の木村敬一(26)が目に涙をにじませた。金メダルが期待されていた14日の100メートルバタフライ(視覚障害)決勝。0秒19差で2位になり、「負けた以上、悔いが残らないことはない。死ぬまでモヤモヤする」と絞り出した。17日にあった陸上男子走り幅跳び(切断など)では、山本篤(34)が8センチ差の2位に終わった。
 日本は、24個のメダルを獲得した。前回のロンドン大会の金5を含む計16個を上回ったが、今大会の金メダルはゼロ。1964年東京大会に参加して以来、夏季パラリンピック史上初めての事態となった》=9月20日朝日Web。

 パラ五輪もスポーツである以上、成績を重視するのはある意味当然でしょう。しかし、メダル獲得競争が加熱するのは感心しません。某大国のように国を挙げての強化、強化の行き着く先を考えると少し寂しくなります。

 障害の程度によるクラス分けも細分化しすぎていて、分かりにくい。両足義足の人と機能マヒの人が同じクラスで走るのは何か変です。腕を失った人のレースを見ていると、両手がない人、肘から下がない人、肩からない人などいろんな人が競っていました。どう考えてもハンディは違う。車椅子でトラックを走るもの制約が多過ぎる感じです。

 パラ五輪の参加者は、装具などの習熟に時間がかかるせいか、ベテランが多い。4度目、5度目という人も珍しくない。もともと競技層が薄いのですから、これは仕方ないことかもしれません。とはいえ、「これまで獲得した金メダル10数個」などというのは正常とは思えません。

 用具が勝負を決めてしまうような側面もあるといいます。これでは途上国の選手は太刀打ちできません。

 パラ競技の用具の研究、装着した場合の有利不利をさらに徹底的に追求し、トップの選手は五輪で競うのがベストでしょう。陸上100mなどを見ていると、両足義足の選手の終盤の加速力は目を見張ります。直線200mのレースがあれば、ボルトを負かしてしまうかもしれません。

 パラリンピックは障害者でもスポーツで輝ける-と訴えています。輝くのは勝者だけではありません。幾多の困難を克服して競技に打ち込む、その姿が輝いているのです。メダル争いだけに固執するのではなく、「参加することに意義がある」大会にしてほしいと思います。

 

 
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